第五話『旅立ちの声』
どうして未来に来たのだろう?けど、そんなことを考えていても、時は過ぎるだけ。
「よ、ルシア。」
「あ、リアン。おはよ!」
顔を洗って突っ立ってたらリアンに頭をコツンッと叩かれた。
そうだよね、いつまでもウジウジしてられないもん。前向きにやっていかなきゃ。せっかくリアンが励ましてくれてるんだもの。
あたしはもうウジウジするのはやめようと決意をした。
そう、昨日考えていたことを、リアンに言おう。
昨日考えていた事っていうのは『旅をして”過去”に戻りたい』っていう事・・。
いつまでもこのお城でお世話になるわけには行かないもん。
「リアン!あのさ・・あたし旅をしようと思うんだけど!!そんでね、旅をして、過去に戻りたいの!」
しばらくリアン考えてたけど冷静にこう言った。
「けど・・モンスターだっているんだし・・危なくないか?」
「大丈夫!学校で習った拳法ならあたし初段持ってるよ!!」
「・・こゎ。」
「なんか言った?」
「いえ・・。」
ふぅ、とため息をつき呼吸を整えた。
リアンがまたも反対した。
「やっぱだめだって。」
「大丈夫だって!治癒魔法ならちょっとは身についてるよ。」
「・・・。」
もはやあたしを止められるのは誰もいないって感じだった。
「しょーがねぇなぁ気をつけろよ。」
「うん、またここに来るからね。」
「絶対来いよ。困ったらすぐに。」
その一言であたしの心は温まった。
*
ミミに旅に出る事を告げてみた。するとミミは少し涙ぐんで、
「ちょっと待っててくださいましっ!!」
といってどこかへ行ってしまった。
何事かとリアンと顔を見合わせていると、ミミは子袋を持って、息をきらせてやって来た。
「ル・・・ルシア様。もう旅立ってしまわれるなんてさみしいですわ。けれども、あなたの決めた事。誰にも止める権利はありません。・・っ。しかし、これくらいはさせて下さいな。」
そう言ってミミはあたしの手をとって、子袋を握らせた。
「ミミ・・これっ!?」
あたしに握らせたものの中身、それは、たくさんのお金だった。さっきミミが持ってきた子袋に入っていたのだ。
「いいのですわ。さぁ、明日出かけられるんでしょう?今日はゆっくりしていって・・っ!」
ミミは泣いていた。
あたしは自分の頬に手を当てた。すると手の甲に何かが流れた。
涙だった・・。
*
翌日、あたしは旅立った。
なんか第四話の四が4になってる〜〜〜っ!!