第4話『理解者』
今までの出来事、いっそのこと記憶喪失にでもなって、忘れたい。こんな寂しい思いをするくらいなら・・・
「ちょっとこっち来てッ!」
「あ・・あぁ。」
リアンを引っ張りあたしに用意された部屋へ入り、鍵をする。ガチャッという音と共に、これから話そうとすることが本当だと言う事、冗談だと受け止められたらどうしよう・・という不安が生まれた。
けど、話すしかない。
だれか一人でも理解者がいなきゃやって行けないもの。
「んで?」
リアンが沈黙をきった。
あたしは答えた。これから話すこと、受け止めてくれるか、正直怖かったけど。
「今から言う事、よく聞いてね―――――――」
あたしは、今まで起こった出来事のすべてを話した。リアンはマジメに聞いてくれた。ラヴェスに家があるって言ったときはびっくりした表情をしてたけど、やがて受け止めてくれたみたい。
「―――――だから、家に帰りたくても帰れないの。本当は帰りたいの・・・!」
リアンはずっとだまって聞いてくれた。
*翌日*
あたしはとりあえず、【迷子の子】として城にとめてもらった。ふかふかの高級ベッドで寝た。けれど、どうしても家族への寂しさがつのってしまった。
いくら豪華な生活をしても、埋められないものはあるから。
「あ、おはようございます。」
昨日少しお世話になったメイドのミミに挨拶をした。
「ルシア様、おはようございます!昨夜はよく眠れましたか?」
「はい。とっても!」
「それはよかったですわ!それでは、どうぞごゆっくりしてらして。」
「ありがとうございます。」
そういうと、ミミはにっこり微笑みキッチンへと向かった。
あたしは正気に戻るために、顔を洗いに行った。
「・・ふぅ。」
昨日、今日と、この身に起こった現実。それは、紛れもなく事実だった。
あたしは、この事実を黙って受け止めるしかなかった。
もうこの先どうなっていくのかはルシアにしか分かりません。(ォィ
とにかく明るいのが取柄のあたしはまだまだ頑張って行きたいと思います!