第二話『未来へ』
「な・・っ!」
見れば見るほど無残な光景。声を失うほどだった。
周りには死体が何体もあって血が飛び散っていた。そしてまた、モンスターらしきものの死体もあった。
モンスターと相打ちになったのかな?ぅ〜ん。それにしても、ここはどこ・・?
そんな事を日が暮れるまで考えていた。
黒い影が忍び寄ってるとも知らずに。
*
「こっちだ!こっちの洞窟に来いっ!!」
後ろから、そんな声が聞こえた。今のあたしにとってその声を頼りにするしかなかった。
なんていっても、モンスターに囲まれているんだから。とにかくモンスターの間をすり抜けていった。素早い動きだけは得意だもんね。
このモンスターは、フォースという。その名の通り、いつも四体で行動している。何に似てるかって言ったら、やっぱネズミでしょう。
フォースはあたしの町にも時々出てきたからね。・・ってゆーかココどこさ・・。なんできたばっかりなのにモンスターに襲われなきゃいけな・・・!
そんな事考えてる場合じゃない。ちょっとでも油断するとフォースは足に噛みつこうとする。
「痛っ!」
んもーっ!あたしの足はおいしくないっての!
やっとこさ洞窟についたかと思ったら手をつかまれ引っ張られた。
「はぁ、はぁ、ぅわっっ!な、何ィ!?」
動揺する暇もなく知らない場所からまた、知らない場所へと連れて行かれた。
ふぇーん、もうやだぁーっ。こわぃょぉー!
十分くらい走ったところでやっと止まった。ふゎー、つかれた。
あたしの手を引っ張っていたのはちょっと年上(?)くらいの男のこ。
さらさらの黒髪で瞳は透き通るようなブルー。服装は、白色のマントにトレーナー、あとはGパンというスタイルだった。よく見るとめちゃくちゃカッコイイじゃんかぁ。
男のこは小さくため息とつくと、あたしに向かって言った。
「大丈夫か?」
「あ、うん!全然大丈夫だよ。」
「そう、よかった。」
そう言うと座りこんで微笑んだ。
きゃーっ!カッコイイ!!・・。
いや、そんなのどうでもいい。ここはどこか聞かなくちゃ。
「あの〜〜・・?」
「何?」
「ここってどこですか?」
そう聞くと、自分の興奮をなだめた。
男のこは言った。
「ここはラヴェス、もとは、小さくてのどかな町があったんだ。」
「へぇ?」
予期していなかった答え。ここがラヴェス?ウソぉ!け・・けど、あの呪文唱えると未来に行けるんだよね・・。・・って、あれぇ?あたし、あの呪文言ったんだっけ?
ど・・どどどうしよぉ。ってことは本当に未来に来ちゃったって事?
えー―――――ッ!?うっそ――――――――――――ッ!
がくっとうなだれるあたしを男のこは不思議そうに見つめた。
そして、こう言った。
「帰る場所が無いんなら俺んとこ来いよ。」
行く当てがあるはずもなく、あたしは流れに身を任せた。
なんか自分で思ってたのよりも全然違う話になっちゃったなぁ・・。まぁ、別に最終話がどうなるかとかあまり考えてないけど感動できる作品が作れたら良いな〜なんて思っちゃってます!