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恋愛系

また来るね

作者: ぐるこーす

今回はほのぼの風恋愛ものです。


正直、心情変化とか色々とあれですね。


良かったらどうぞ。

あるアパートの1室の戸が遠慮がちに叩かれ、部屋に金属的な音が部屋に反響する。


…。


少し間を置きもう1度戸が叩かれた。

覗き穴で相手を確認する。

やっぱり幼馴染か。


鍵を開けて迎え入れた。


「やほ、遊び来たよ。」


お前も暇だなと言いながら中に案内し、適当に寛いでくれと言う。

お茶を淹れて戻ってくると床に散乱する服を畳んでいる幼馴染がいた。

テキパキとした動きで綺麗に服が畳まれていく。


「あ、服。畳んでおいたよ。」


ありがとうと一言言い緑茶と茶菓子を出す。

お茶啜り はぁ と息を吐く。

幼馴染と同時だった。

「ふふ、真似すんなよー。」と横腹を肘で突つかれた。

そっちこそ真似すんなよと突つき返す。

息ぴったりなのが少し嬉しかったりする。


「で、どうよ彼氏とは。」


少し前から彼氏と上手く行ってないらしい幼馴染はちょくちょく俺や近くの友達に相談しているようだ。


「んーまー、別れちゃうかもねー…。」


あはは、と目を反らして笑いお茶をまた啜る幼馴染。

少し遠慮が無かった。

直ぐに謝ったが幼馴染は手をひらひらさせて気にすんなーい、と言った。















のんびりと2人で漫画を読み耽る。

時折聞こえる紙を捲る音以外互いに音を発しない。

なんだかそれが可笑しく思えて話しかける。


「なんか静か過ぎて笑えるな。」


「えー、そう? なんかこういう静かなのも良いと思うけど」


確かに。

2人共沈黙でも全然気まずくない。

心地良いと思う。

そうだな、とだけ返してまた手元に目を落とした。













「…ん!んんー、はぁ。」

幼馴染が伸びをしてベッドから降りた。

そろそろ時間か。


「それじゃ帰るよ。」


俺もコンビニに行きたいので途中まで見送ると言い、一緒にアパートをでる。


たわいもない話しをしながら歩いていたらいつもより早くコンビニに着いた気がする。


「んじゃ、ここで。」


「うん、ありがと。」


幼馴染の後ろ姿を暫く眺めてからコンビニに入る。

あいつはチョコレート系の菓子が好きだったっけか。

買っておこう。


「2835円になりまーす。」


暴利だろ!

箱をよく見ると『超高級ウルトラ美味しい生チョコトリュフスペシャル:和風テイスト10個入り』と書かれていた。

納得せざるを得ない。












また別の日。

メールで今日来ると連絡が来た。

先日買った『超高級ウルトラ美味しい(以下略)』を戸棚から出して置き、部屋も少し掃除する。

掃除が終わって一息いれていると幼馴染が来た。

またお茶と茶菓子をだす。

すると興奮した声で幼馴染が言った。


「こ、これは『超高級ウルトラなんちゃら(以下略)』!!高かったでしょ?!」


予想以上に喜んで貰えたみたいだ。

美味しそうにあむあむと食べていく幼馴染。


1つ、2つ……8つ、9つ、10つ…。

はい、完食!

どやっ!


…じゃないでしょう!!

1つ位残してくれても良いじゃない。


未だにもぐもぐさせている幼馴染の頭に軽くチョップを入れてお茶を啜る。


「もうっ、なんで叩くのさ。」


「それはさっきの自分を省みれば分かるだろう。」


幼馴染は腕を組み、思案したが分からないらしい。

どんだけピュアハートなの。

本能に忠実な幼馴染に乾杯。

お茶を啜る。

幼馴染はまた思案し始めた。














ゲームキ○ーブでレースゲームの対戦をした。

幼馴染も中々上手いが、俺の方が一枚も二枚も上手。

完勝した。

さっきの仕返しも兼ねていたのでこれでおあいこだ。


「ちょっと位手加減してよー。」


「いやー、幼馴染が弱過ぎて。手加減したんだけどなー。」


「こやつめ!」


そう叫ぶと隣に座っている俺に飛び掛ってきた。

このっこのっと叩いてくるがかわいいもんだ。

「このっ!痛がれ!苦しめ!」


あー、痛いー苦しー、とおちゃらける。

するととりゃあ!と本当に飛び付かれ、幼馴染に押し倒される形になった。


得意気にマウントポジションをとった幼馴染。

顔を見上げる形で見ていたら急に寂しそうにして倒れこんで来た。


胸に少し柔らかい感触がある。


「お、おい…? どうしたんだ急に?」


幼馴染は答えなかった。













幼馴染の背中を落ち着くまでさすり続けた。


「ん…ありがとう。良くなったよ。」


そう言う幼馴染だがまだ少し顔色が悪い。

無理すんなと手で優しく抑えてまた背中をさすってやる。

暫くするとぼそっと「あったかいね。」と言われた。

気恥ずかしかったので頭をひと撫でして答えた。














俺が胡座をかいてその上に幼馴染が座って漫画を読むという構図。

幼馴染は意外と小さい。

愛でる対象として最高だな。


「ねー、次のページにして。もう読み終わったよ。」


俺の上で暴れる幼馴染。

脚に柔らかい感触が。

体中ぷにぷにかこの子は。


幼馴染が帰るまでずっとこんな調子だった。

幼馴染に速読のこつ教えてもらおうかな。













「暇だったらまた来いよ。」


そろそろ帰る時間だ。

今日は出入り口での見送り。


「うん。また来るね。」


「おう。」


沈黙。

帰らないのだろうか。


「…また美味しいお菓子買っといてね?」


そんな事か。

沢山用意して待ってるよ。


「うん…。」


「なんか言いたい事あるんじゃないのか?」


目を丸くして俺を見上げてきた。

お前の挙動見てたら分かるよ。

伊達にお前の幼馴染やってないって。


「その…なんだろ…。ちょっとしゃがんで?」


言われた通りしゃがむ、と言っても膝立ちだが。

俺は1段高い所にいるのでほぼ同じ高さの目線になる。


「それで何を言いた…。」


最後まで喋らせて貰えなかった。

幼馴染の顔が目の前、0距離にある。

俺は幼馴染にキスをされたのだった。



〜〜〜〜













「あはは、ほらー次あれに乗ろうよー!」


「勘弁してくれ…。絶叫系苦手なんだよ…。」


俺達はあの日から交際を始めた。

幼馴染は周りにおめでとうと祝福され照れていた。

俺も祝福されて嬉しいかった。

ちょっとハードな祝福だったが。

「リア充爆発しろ!」、「裏切り者め!」とばしばし叩かれながらの祝福だったからな。


たまに喧嘩もするけど仲良くやってる。

今までとあまり変わらない付き合い方だけど。

最近出来るなら結婚したいと思ってる。

勿論幼馴染とだ。


「ほらっ、早く早くぅ!」


幼馴染が呼んでる。

そろそろ行こう。

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― 新着の感想 ―
[一言] こんな彼女なら何でも許しちゃいます。 理想と現実のギャップがでかすぎて、「リア充爆発しろ」といつも思っています(笑) ちなみに、幼馴染はいつ元の彼氏と別れたんでしょうね。 まさか… なん…
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