閑話~ある会議室の会話~
本編には直接は関係は無い予定ですが、
物語的にはかなり確信を突く話です。
批評、感想コメントジャンジャン募集中です。
side:―
違う次元、異なる時間。
白と黄で彩られた会議室で男女合わせて十人程度の人々が集まっていた。
いや、人というには明らかに異なる姿や仕種であり、会議室も人の考えるそれとは違っていた。
一つに彼、彼女らの頭の上に色とりどりな天使の輪がある事、
二つに彼らの座っている椅子や前にある机が宙に浮いている事、
何より一番目立つのは彼らの背に一対から九対の翼がある事である。
それも天使の輪よりも様々な色をしていて大きさ、羽根の質など一つとして同じものが無い。
上げ出したら足りないくらいで一言で言えば複雑怪奇な人々、いや、天使?である。
そんな現在の日本にいればファンタジー映画の撮映かと思われそうな彼らが一つの部屋で会議をしている。
もし人間であったなら豪奢な椅子に座っている青年は二十代前半、他は皆三十代前後に見えた。
「傀儡実験の調子はどうだ」
青年が言うと間髪いれずに他の眼鏡をかけた天使?が答える。
「は。今日まで実験は人間界の民千人に電波を送信し、その電波通りの行動を取るかを計測しておりました」
「して結果は?」
「計測により行動をしなかったのが五四七件、電波の指示とは異なる行動をしたのが二五三件、電波通りの行動を行ったのが一三九件、発狂したのが三一件、標的とは別の人間が指示した行動をしたのが三十件です」
「ほう、以前に比べれば大分精度が上がったようだな」
青年が言うとすぐさま反対意見が上がる。
「しかし、催眠状態は心理的に揺さぶりをかけられますと解けております。
実用にはまだ早いかと…」
「確かに、シヤエル」
「ハイ」
眼鏡をかけ、計測結果を喋っていた天使?が声を上げた。
「さらに精進し、我らが天界の兵力増強が出来るようにせよ」
「了解しました、ラグナエル様」
「次に―――」
会議は続いていく。
死神達の知らない間に、さらに世界は捻れ狂い暴走を始める。
たった一つの天使たちの世界によって。
side:― Fin
謎を残しつつ閑話も終わりました、
今回は普通の後書きです。
話的にはこれでおしまいで、次は俺の友人曰く「真骨頂」の登場人物紹介的なもの、その四です。
もっとも、ギャグは無しで真面目にする予定ですけど。