レシートの夜
掲載日:2026/07/03
生温い風が漂っている。
人気のない夜。
車はまばらに走っている。
暗い中、急に明るい場所に辿り着く。
夜のコンビニは、結露で曇っている。
足を踏み入れてみる。
カウンターには誰もいないのに、大きなメロディーが流れ出す。
室内はじっとりと冷たい。
初めて入った店なのに、どこに何が売ってあるのかなんとなく分かる。
買わなければいけないと思ったのに、どれも同じに見える。
まばらにいる客も、なぜか同じ顔に見えた。
いつのまにか、レジに店員がいる。
淡々と、会計も終わる。
大きな自動販売機みたいだ。
出てきた自分もまるで。
外に出ると、一気に暗さと暑さが戻る。
ゆっくり、歩いて帰るだけ。
また、後ろでメロディーが流れる。
レシートに、一行足りない気がした。




