狂気の宴会
「……」
家のリビングの中で、俺たち四人は黙って座っていた。
俺たちの間に、重い空気が溢れている。
なぜなら……
『今夜、ワシらは救世主さまは歓迎する宴会をするのじゃ』
『お前ら、逃げずにちゃんと来い!特にあんた、七実!』
家に到着した途端、村長がやって来た。
そして以上の言葉を残した。
もちろん、宴会なんかは全くの嘘、真実は俺たちを無理矢理種付けに持ち込むの罠なのだ。
原作通りだと、ここで一応村のことを拒絶する響が、村人たちの圧に負けで、ヒロインは犯すことになる。
桜姉たちも、ゲームのことが知らないとは言え、これからのことは予想ずくだろ。
「なんで帰て来たんだ!あんた!」
沈黙を破ったのは、七実であった。
「ねえ!あんたさえいなければ、私たちはこんなハメになることはなかったのよ!」
「ただでさえなんの自由もない村なのに!あんたが来たせいで普段の日常すらなくなったのよ!」
「何が救世主さまだ!何が村の未来だ!私たちの純潔を犠牲にして!」
「私はただ、ここから出て、自由に生きたいだけなのに……」
ここに来て、七実はようやくなく出した。
隣にいる桜姉、ただ七実の頭を撫でしかできなかった。
つらい顔をしてる幼馴染二人を見ると、俺すら泣きたい気持ちになった。
クソゲームが、クソ村が、女の子たちをここまで追い詰めて、何が楽しんだ!
「と……とりあえずお兄様の荷物を片付ましょう」
重い空気をなだめるためか、こころはそう提案した。
そして俺は、荷物へ向かうこころの肩を掴んだ。
「お気持ちは嬉しいが、でも片付けはいらない」
「俺は、ここに住む気は無い」
「「「!」」」
「七実、何故俺はここに戻った理由、教えてあげる」
俺はもう、辛そうな彼女たちを見たく無い。
「君たちを、この村から連れ出してやる!」
転生前から言いたがったセリフを、俺はようやく吐き出した。
「飲め!ほれ!」
「祭りじゃ!」
夜、村長の言う通り村の広場で宴会が行なった。
俺たち四人はメインゲストとして、台の上で座らせてもらった。
豪華な料理と、村人たちの祭り騒ぎ。
普通なら楽しく感じのだが、今の俺には不気味さしか感じられない。
彼らの声は、まるで爆弾の時計の声に聞こえる。
「はい、みんなさん」
村長が俺たちのいる台に登り、話し出すと、今までの騒ぎが嘘のように止まった。
爆弾は、ようやっく爆発した。
「ワシがこの宴会をする理由、みんなわかるじゃろ」
「十年前のあの日、間宮家の出来損ないどもが、我らの救世主さまを村連れ出した」
『おのれ間宮家!』
『許さない!」
「でもこれも去年までのことじゃ!間宮家の二人が、去年でやっと死んでもらった!救世主さまを邪魔するものがなくなった!」
『やったああああああああああ』
確かに、ゲームの設定だと、響の親は去年で事故で亡くなった。
それのせいで、今まで親に邪魔された村人、やっと響に連絡を取れるようになった。
でも、いくらなんでも、死人を侮辱するのはやりすぎだろ、それも彼らの子供の前で。
「今ワシらがやることはただ一つ!わかるじゃろ!」
『おお!!!』
「孕ませろ!」
『孕ませろ!孕ませろ!孕ませろ!孕ませろ!』
「嘘だろ……!」
狂気という熱風が、台の上にいる俺たち四人に襲いかかる。
いくら転生前からころシナリオを見たとは言え、実際に感じると、とんでもない。
「’こいつら、狂ってる……!」
あまりにの狂気に、俺はフリーズした。
「やだ……やだ!」
村人たちの気迫に押され、七実は悲鳴をあげた。
『何やってんだ七実、早くご奉仕しろ!』
『おい桜!ちんたらしてんじゃないよ!』
「ひい!」
桜姉も悲鳴をあげたが、なんとか正気を取り持として、七実を庇うに行った。
「う……う……」
村人に反抗しないはずのこころも、怖すぎで泣きそうになった。
「早く救世主さまにご奉仕しろ!こころ!」
「ひい!すみません!」
そこでこころ家のジジイが声をあげて、こころは慌てて俺のとこに来て、ズボンに手を出した。
「おい!こころ!何を……!」
迫ってくるこころに、俺は思わずビビった。
その同時に、他に村人は台に登り、七実を桜姉から引き離そうとする。
「七実!桜!こころに学んで、救世主さまに孕ませろ!」
「やだ!やだ!」
「七実に手は出すな!やめろ!」
ここまでくると、俺はやっと正気に戻った。
何ボケてんだ俺は、ジジイらに押されてどうする!
桜姉たちに約束したじゃないか!
俺は……!
「いい加減にしろジジイ共が!!!!!!!!!!!!!!!!」
そこで、俺は思い切り叫んだ。
おまけに自分の食卓を蹴飛ばした。
「響くん……!」
「響……」
「お兄様……」
俺の悪態を見て、ジジイらは思わず手を止まった。
それでいい。
「何が孕ませろ!好き勝手言いやがって!」
「そんなに俺様の尻穴が見たいんか!!!!!!」
「「「え……」」」
場にいる全員、何言ってんだあいつって顔になった。
「そんなに見たいんのなら見せてやるよ!ほら全員しっかり見とけよなあああああああああ!」
俺は勢いのままに、ズボンを脱ぐそうとする。
「待ってください救世主さま!何か勘違いしてるようですが……」
「何も勘違いしていねえよ!だっておめえらは俺が裸で腰を振るとこが見たいんだろ!ね!」
「いえいえいえ!ワシらはらただ救世主さまにハメてもらいたいんじゃ」
「わかってるじゃねえか!ならよく聞け!美少女ならともかく、俺様はな、ジジイどもの前でセックスするとこを見せる変態じゃねえだよ!!!!!!!!」
「そんなに男の尻穴を見たいのなら勝手にやってろ!俺様は家であいつらをハメる!」
俺はこころを引っ張り、そして七実と桜姉のとこへ走る。
「帰るぞ、家でたっぷり可愛がってあげるからな」
あんまにのショックからか、桜姉を含め場にいる全員が言葉を忘れ、ただ俺たちが去るとこを見ていった。
「大丈夫かみんな!反応が遅れてすまん!しっかりしろ!」
「ええ、私は大丈夫だわ」
「はあ……はあ……」
「七実!」
「大……大丈夫よ!」
「お兄様、どうしてハメてくれないの……?」
「こころは気にすんな!後でいいものあげるから!」
「みんな!作戦のこと覚えてるか!今から第二段階だ!気をしっかり!」
俺たちは、家に猛ダッシュ。




