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ラベンダーさんとの再会

どうしてああなった?

どうして私がサンティエさまのフィアンセになった?

しばらくベッドの上で回らない寝起きの頭を精一杯動かした。

自分が助かるため?

絶対そんな事あり得ない。だって、鏡に映ったあの時の私の表情から幸せって言う気持ちは伝わってこない。

それに前世と言えどもあの人は私。

私がランドールさまを裏切る訳ない。

ランドールさまを裏切る訳ないか…。

今スマホの電源を落としてランドールさまに会わないようにしているのはこれは裏切り?

今はそんな事考えても仕方ない。

だって、どう考えてもまごうことなき事実はたった一つだから。

前世の私が考えていた事と今の私が考えてる共通な事それは…。


ランドールさまの事を深く深く想っているただそれだけ。


こんな湿気た部屋の中で考えてたってどんどん暗くなるばかり…。

窓の外に目をやると、雲間から僅かな日差しが出てきた。

ちょっと外に出てみるか。

スマホをポーチに入れドアを開けた。




休日、アーケード街は人々でごった返していた。

このアーケード街で配られいたソシャゲのチラシ。

まさか、そんな他愛のないソシャゲが今私をこんなにも悩ませる前世との繋がりになると思わなかった。

思えばそれがランドールさまとの出会いになるとも思わなかったね。


「あれ?キミ?」


優しい香りがした。

この香り!!!


「あ!ラベンダーさん!」


黒いツルのメガネ、白いマスクをしたラベンダーさんがそこにいた。


「久しぶりだね」


「はい、お久しぶりです」


「今日はショッピング?」


「…そんなとこです」


今日は半袖でも汗ばむ陽気なのに。薄手とは言えども長袖のブラウスの上に羽織りを羽織って涼しげな顔でこちらに笑顔を向けているラベンダーさんは一回しか会った事ないけど、相変わらずと思ってしまった。

何て言うかそんな親しみやすい雰囲気を彼は持っている。


「ラベンダーさんはこんなとこで何してるんですか?」


一瞬、時が止まったような錯角を覚えた。

そのぐらい時間の流れがゆっくりと感じたのだ。


「ここに来ればキミに会えると思って」


そんな中での彼の爆弾発言に一気に時間が動いた。


「え?」


何て言った、今?

慌てる私を尻目にクスクスと笑って、


「冗談だよ」


イケメンってズルイと本気で思った。

どんな表情をしても絵になるなんてズルイ。


「驚かさないでください」


本当にビックリしましたと続けようとする私に彼の言葉がまた時間を止めた。


「半分真剣だけど、相変わらず変わってないね」


意味深にそう言うと口元に手を置いて笑った。















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