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明日

いつか着ようと思いずっとクローゼットの中にしまっておいた白地のワンピース、セール前に買ったのにこの間お店に行ったらセールになっててめちゃめちゃショックだった、ワンピース。

昨日ランドール様にデートを誘われた時からこれを着ていこうと決めていた。

うん、いい感じ!


昨晩…。


「ランドール様何してるんですか?」


ランドール様がスマホの中で変わった動きをしていた。

変わった動き…。ランドール様が本のような物を手に持ち目を通していたのだ。

一瞬、あの時のランドール様がいつも手にしていた黒い手帳かと見違えるような小さなモノだった。


「え?それ何ですか?何か読んでるんですか?てか、それどうしたんですか?」


『いや…、わかんねー、目が覚めたら橫に置いてあった』


「へ?」


『だが、ちょうどいい、ここにお前が俺に対してよく使う、二次元とか、推しとか、俺が今まで使ってこなかった単語がたくさんのっている、ありがたい』


何なんですか?それ…?

一体どう言う事なんですか?


『お前が今日ずっと浮かない顔してたから何かしてやりたいと思ってたからな…これにお前をら喜ばすような事書いてかいかと思って』


あ…見抜かれてた。

その上ランドール様にそのような気を使わせてしまった事に申し訳無さを感じてしまった。


『いつもならもう寝てる時間なのにまだ起きてるしな』


既に日付を越し、いつもならとっくに夢の中に入ってる私をランドール様が心配そうな目で見守ってくれている。

テーブルの上に灯したキャンドルの炎が揺れていた。

アロマキャンドルを灯すと心に平穏が宿る。

久々にキャンドルを引っ張り出してきたのはやはりあの夢のせいだろう。

懐かしさを感じながらユラユラと揺れる灯を見ていた。


『やっぱり何か見たんだな?』


「……」


夕方のうたた寝の際に見た夢をランドール様に話すべきか…。

時間が心を落ち着かせてくれていた。

過去の事なんだから話したところで何の支障も無いと思うが。


『気持ちが落ち着いたらで構わないから後で聞かせてくれ。…それより、明日デートしないか?』


「え?え?え?」


今何て?

ランドール様の口から思いもしない単語が出てきたもので口をパクパクしてしまった。


『デートって言葉で合ってるよな?』


私の返事が予想と違っていたものだったのでランドール様は黒い冊子をパラパラとめくっていた。


「あ…えっと、合ってます…」


『良かった。じゃあ、明日。おやすみ』


「あ…おやすみなさい」


ランドール様が優しく微笑うのと同時に

ちょうどキャンドルの灯りが消えた。



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