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死神異世界冒険譚  作者: つちこう
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死神と装備

「そうと決まれば装備を整えなくてはな。さすがにこちらも商売なもんで無料であげる訳にも行かん。すまないな。ただ値段くらいはまけてやるよ。」とゲイルが言う。それにすかさずハイクとエイルが目を輝かせ、反応する。

「えっ!まじ!まけてくれんの!?」

「えっ!いいの?」エイルも麗音に魔法を教えてくれと言われた時から人が変わったかのようだ。

「仕方ない。今回だけだぞ。あと周りにゲイルがまけてくれたとか言うなよ。」ゲイルが諭すように言い、

「もちろん!どちらにしても周りに伝えたところで誰もこの店を知らないよ。」と童顔であることも相まってイタズラをする子供のような笑顔でハイクが返事をする。エイルも軽く頷いている。

「ほほう、言ってくれるじゃねえか。じゃあお前らは値引きなしだな。」こちらもハイクに負けんばかりのにやり顔で答える。

「うっ!それは勘弁です…」やはり背に腹はかえられぬようだ。

「冗談だよ。ところで硬貨は持ってんだよな?」ゲイルが麗音に聞く

「はい、一応王様のような人からもらってます。けどどれくらいの価値があるのか分からなくて。これなんですけど。」といつの間にか手に持っている袋を見せ、袋の中をハイクとゲイルが覗き込みゲイルが答える。

「大金貨が3枚に金貨が5枚、大銀貨も5枚で銀貨が10枚、大銅貨も10枚に銅貨が20枚。結構入ってるな。あと王様のような人は実際王様だよ。あいつは俺の元冒険家仲間で名前はアーレンだよ。」国の代表と仲間だったなんてさらっとすごいことを口にするものだ。すると案の定麗音が反応する。

「えっ!ゲイルさんって王様と仲間だったんですか!?」

「昔の話だよ。まぁ今でもたまに飲みに行ったりはするがな。」

「そ、そうなんですか…」麗音が驚いて少し引き攣った笑顔をする。

ハイクとエイルは知っていたのか驚いていないようだ。

「そんで、二人はどんな装備が欲しいんだ?この店で売っているものはどれも高品質だぞ。ハズレはないはずだ。」

そんなことをゲイルは言うが剣については知識がなく、どれを選べばいいかなど分からない。

「そうです!エイルちゃんが選んでください。」といいことを思いついたと言わんばかりの表情で麗音が言う。

「私が選んでいいの!?」とエイルも前のめりになり、目を輝かせて嬉しそうにしている。

私も便乗し、言う。「ならば私もハイクに選んでもらおうかな。」

「おう!これでも剣についてはそれなりに知識があるんだ!任せとけ!」とハイクも自慢げに腕を組んでおり、こちらも嬉しそうだ。

「そうだな、二人に任せて大丈夫だろう。なんかあれば奥の部屋にいるから呼んでくれ。」とゲイルも二人に任せるのが無難だと感じているようだった。

「魔法と言っても色々とあってそうだね、まずは現物を見てもらった方が早いかな」とエイルがトテトテと魔法系の装備が置いてある棚へと向かう。今気づいたがさすがにジャンルによって区切っているようだ。とはいえ乱雑に置かれていることには変わりない。そしてエイルはいくつか持ってきた。

それぞれ刃がなく柄の形をしたものや杖の上に水晶のようなものが乗ってるものや麗音の世界で言うところの三八式歩兵銃のような形をしたのもの、さらにはSF映画と呼ばれるものにでてくる拳銃のようなものすらあった。

そして例にももれず、エイルは好きなことになると早口になるようだ。

「まずはこれだね。この十字架の杖はわかると思うけど剣の柄に込めた魔力で魔法の刃を作って攻撃するから剣術が少し必要だけどその分使いこなせれば普通の剣に比べてなかなか強いよ。

次のやつは一番使われてる武器で無難なやつだね。ちなみに私はこのタイプを使ってるよ。

次のがウラネと同じ転移者と呼ばれる人が考えた形で引き金って言われてる部分を引くと遠距離で精度が良い高火力の魔法弾を高速で発射できるけど一発撃つ度に横の棒のようなやつを引いて魔力を込めなきゃ行けないから連発は出来ない。近距離で一撃で仕留められなかったり敵の数が多いとすぐにやられちゃうからそこは気をつけないとね。

最後はこれも転移者が考えたと言われるもので少し特殊で持つ場所の横のボタンみたいなのを押すとマガジンって呼ばれてるやつが出てきてそれに魔力を込めて、入れ直して上の部分を引くとあとは引き金を引くだけで込めた魔力に比例する数の魔法弾が発射できるよ。ただひとつ残念なのは魔力を込めた本人しか撃てないって所なんだよね。中には魔力を込めた人以外も撃てるやつもあるらしいけどね。

長くなっちゃったけどこんなもんだよ。」

喋りきり、清々しい顔で額を拭った。

「なるほど。何となくわかりました。」と微妙に理解しきれていないような苦笑いをしながら麗音が言った。

「冒険者になるなら敬語はやめた方がいいよ。他の冒険者に下に見られるから。」敬語の麗音に対し、エイルが注意する。

「わかった、敬語はやめるね。いやぁ、実は敬語で喋るのって少し苦手なんだよね。だから逆に良かった。」と麗音が安心したように笑いながら言う。

「で、どれにする?」エイルがワクワクし、急かすように言う。

「うーん、そうだなぁ、やっぱり無難にエイルちゃんと同じ杖型かな」

「おおっ、いいね!」とエイルもなかなかにテンションが上がっている。

「ハイク、次は私の武器を頼む。」

「了解!剣は杖ほど種類が多くないしそうだな。一撃が軽いけど手数を多くできるのと一撃が重いけど手数が少なくなっちゃうのと両方を平均した無難なやつのどれがいい?

まぁシノガミの筋力と瞬発力があるなら聞いといてなんだけど一番丈夫なやつにした方がいいかもしれない。」

「そうだな、では一番丈夫なやつにしよう。」

私の言葉を聞きながらハイクが剣が置かれている場所へと向かう。

「わかった。ならこれかな。」とハイクが持ってきたものは麗音の世界での刀と呼ばれる形をしていた。案の定麗音も「それって刀じゃん。この世界にもあったんだ。」と異世界において自分の知っているものがあるのが嬉しいのか少しだけ興奮しているようだ。

「やっぱり知ってるんだ。これもかなり前にきたとされる転移者が持っていたものを元に作られてるんだ。」実際に死神は寿命などがないために武士と呼ばれる人達がまだ沢山いた時代にも行ったことはあるため、刀の扱いは少しは慣れているはずだ。

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