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現実逃避!エスケープマン  作者: 霧雨 けいね
5/8

五回避 命を燃やせえええ!!

 活動開始して二日目、早くも昨日流石(るせき)が学校をぶっ壊したせいで、休校となっていた。そのため俺たちは公園のあずまやに集まっていた。

 アスレチック鬼ごっこにも疲れたことだし、ゲームでもすることにした。

「おい、トンネルの外でパチンコ撃った後に十字キー入れ替えしたら、斧でパチンコの動作してフリーズしたぞ」

「本来入らないはずの座標にいるせいで、演算上の道具と、グラフィックの道具が噛み合から」

「へーえ、でもまあ実用性はないなあ」

「それよりも無限増殖の新しい方法誰か思いつかないのか?」

「無いだろうなあ。というか、何だったんだ昨日の?」

「何って...」

「精霊とか、あの変な魔法みたいな能力とか」

流石と有希の方を見合わせる。

「俺にもよくわからないよ」

「俺もだ、有希はなんか知ってるのか」

少し考えた後、

「世間にはほとんど知られていないだけで、特殊能力の発現は1978年頃から研究されていたこと」

「そうなのか」

「一般に何らかの行動をある一定以上の頻度で行うと、それに準ずる能力が獲得される」

「ほむほむ」

「その能力は2種類に大別されているよう。攻撃型は悪魔タイプ・守備型が精霊タイプに分けられている。もっと細かく言えば、少数ながら妖怪タイプや低級神タイプもいる」

「へえ、じゃあ俺は精霊タイプかあ」

「そう。(すごす)は精霊タイプ」

「ちょっ、ちょっと待てよぉ、お前ら。まさかその様子だと有希も特殊能力を持ってるっていうのかぁ?」

「そう。俺は低温放射の悪魔タイプ」

「なんでだよぉ、なんで俺だけ無能力者なんだよ」

「気にすんな、実も直ぐに発言するだろ」

「可能性は大いにある」

なんてしゃべっていると、

「おい、冒険部4人衆。お前ら解部だ」

と、唐突に告げてきた男がいた。観た感じ同じ中学の

「あー、生徒会長?何の用?」

お坊ちゃん分けの前髪を揺らして指をさす。

「お前たちの部は解部だと言っているんだ。あんなもの認められるか、大体なんだ流石。唐突に退部したと思ったら変なものに入りやがって」

「おいなんだと、裕太。冒険部をぼろくそ言いやがって。お前を解体してやるよ」

「まあ、待てよ流石。なあ生徒会長さん、俺たちは教頭の許可も貰ってるんだ、今更そんなこと言わないでくれよ。ね」

その瞬間、いきなり生徒会長が実を風が立つほどの勢いで、殴り飛ばした。

「お、おい。大丈夫か、実!!」

「お前、いきなり何しやがる」

「待て、待て流石」

殴りかかろうとする流石を止める。あずまやのテーブルまで吹っ飛ばされたであろう実の方を見ると、有希が抱えていた。

「大丈夫、背中も頭も打ってはいない」

よかった有希が受け止めてくれていたようだ。

「...あー、大丈夫だ、流石、過」

「「実」」

「なあ生徒会長のえーっと、木梨君だったけ?なんとか、その処分だけはやめてくれないか?」

「無理な話だな。しかし、その態度に免じて、この俺に勝つことが出来たら取り消してやろう」

「「戦い?」」

「そうだ、この公園で今日午後4時」

「よっし実、アイツは俺の緑の指(デコピン・ショット)で肉片にしてやるぜ」

「待ってくれ、ここは部長の俺にやらせてくれないか」

「何言って」

「部を守るのは部長の役目だ、部員を守るのも俺の役目だ」

午後4時 

 冒険部3人と生徒会の面々5人が見守る中いよいよ部の存続をかけた死闘が始まった。

「先手必勝 “3000パウンド砲!!”」

掌に装着していた、ロケット花火の紐を引いて射撃する。

「甘い」

そう言って、木梨が右腕を振った途端、暴風が巻き起こり、爆風となって攻撃を返す。

「うわぁ」

「なんだ、能力者なのか!?」

「そうだよ、この俺は悪魔系能力者 暴風使い(ストーム・ルーラー)!!」

「くっそ、よりにもよって能力者かよ」

「熱帯性低気圧」

暴風で加速したパンチを実に叩き込む。

「やべえ」

「まじで死ぬぞ、アイツ!」

拳が腹部にめり込み、そのまま7mくらいふッ飛ばされる。

「くっ、死んだんg...なあんてな。下に特製ダイラタンシーシャツを着てんだよぉ」

「ああん、それって午前中のも防いだってわけか。なら、」

再び超加速して、実に蹴りかかる。それが今度は顔面へ、

「防壁...」

しかし見越していたかのように、ガードする。

「ベルリンズウォール」

掌から、ガムの様なものが出てきて、蹴りの威力を殺す。

「なっ!?」

「そりゃあ、防御がなさそうなところを狙うように誘導したんだからなあ!!」

「なっ、なんだこれ。手が離れねえ」

「ゼロ距離 ハザードランプ!!」

実の蹴りがクリーンヒットする。その一撃に、流石に木梨も白目を剝く。

「俺の靴底はアルミ板入りだぜえ!!そしてぇ、追撃のキラーボール」

ポシェットから取り出したあの球は、中に入れてある唐辛子のようなものを火薬で飛ばすのだろう。それが随分効いたようで、フラフラになる。

「へっへー、どんなもんよ俺様のフルコースはー」

「すっげー、さっすが部長!!」

「だるぉ」

こちらを向いて、アへ顔ダブルピースをする。

「いいぞー実、殺せー」

「殺っちゃえ日産」

なんてはしゃいでると、

「てめえ、舐めたことしやがってええ」

「やっべ、格好つけてる場合じゃなかった」

激昂して、暴風を巻き起こす。

「スピードは多少落ちるが、人間相手にはお釣りがくるぜ。“ツイスター”」

「やっべえ、何だあれ!?」

体の周りを暴風が渦巻き、竜巻を纏いながら接近してくる。それに体当たりされ、実が吹き飛ばされる。

「あれは生徒会長のとっておきだ。相手は死ぬ」

モブが絶望的な宣告をするのを耳にする。

「実もういい、まともに相手することねえ、後は俺がやる!」

だが、息も絶え絶えに立ち上がり、

「心配、すんな。俺は負けん。絶対にだ」

「その割には足震えてんぞ」

「通販で買った振動式筋トレベルト巻いてるだけだから、へへ」

しかしまた、風に飛ばされる。その勢いで木の葉が実の体をカッターの様に掠めていく。

「ハァハァ、くそ、息が...出来ねえ」

「終わりだ、冒険部!」

立ち直り、ウエストポーチから4本のアルミポールと、半透明の布を出し急いで何かを組み立て始める。

「完成 ゲリラ―・カイト」

飛行機型の凧を投げる。

「とうとう気がおかしくなったかぁ、なあ」

「風で何言ってるのか全然聞こえねえ!」

凧には2本のピアノ線が巻かれていて、それを手繰り上げる。

「お前に一ついいこと教えてやるよ、生徒会長!こんな風の強い日には、凧がよく上がるんだぜ!」

巻き上げられた、凧に捕まって実も浮き上がる。

「飛んだ!?」

「撃ち落とすまで」

ピアノ線のうち1本を引っ張ると、するすると短くなり凧と手が届くほどになる。

「随分高くまで上がったなあ」

「そんなことをして、何になる」

遥か上空から、声がする。

「そしてもう1つ!旋毛風の中心は...風がない!!」

もう一方のピアノ線をぐっと引き下ろし、急降下する。

「まさか?アイツ」

竜巻の中心へ入っていき、そして右手でもピアノ線を握り、前のめりに。

「特攻戦術!スカイ・リム!!」

両腕を交差すると、ぐわんと滑空するようにスイングする。そのまま、木梨を下敷きにしスケボーの様に着地する。

「帰還」

無事、部の存続は守られた。


18時頃

「いやーどうよ、俺の名勝負」

「ほんとたまげたぜ」

「だろだろー。能力がなくてもやれるぜー」

「お、そうだな」

カードゲームをしていると、最初の五枚の手札が事故死していた。

「でもまあ、デュエマで能力なし(ヴァニラ)はきついだろー」


降りましたね.

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