四回避 肝試し?
特には(特技は)...
第一回の活動はまあ何となく喋って時間を潰していた。
「もう17時過ぎだし、帰るか。完全下校時刻になるし」
流石が荷物をまとめ始める。だが、実がおもむろに口を開く。
「いや、まだだ」
ニヤリとした表情を浮かべる。
「第一回の活動は...完全下校時刻を1時間オーバーすることだ!!」
「......おおおおおおおおお!!」
「いいじゃん、いいじゃん!それ」
「アウトロー」
「なかなかに楽しそうだな、それ」
「だろ、だろ!おーし皆、電気消せー」
「ガラスにテープ貼ろうぜ」
そうしてUNOをしながら、30分余りが過ぎた頃、
「なあ、さっきから変な音しないか?」
「確かに、絹ずれの様なのが、ずっと聞こえるな」
「よーし、ここは部長である俺が、見てこよう」
「よ、頼もしー」
そうして、扉を開けた瞬間
「わーーーーーー」
実が悲鳴を上げる。
「ゆ、幽霊がペニー・ワイズに追いかけられてるっ」
「なん、だと!?」
「行くぞ、過」
「お、うん」
「な、なんだお前らどうする気だ?」
「ああ、俺はエスケープマン。そんで、流石もデコピンショットの使い手だ」
「エスケープマン?デコピンショット?」
「有希と実はここで待っててくれ」
「うん」
部屋から飛び出すと、確かにそこには逃げ回る幽霊と、オドロドロしたピエロがいた。
「気色悪いな、さっさと片づけるか」
「お、そうだな」
その時、ピエロが真っ黒い血で編まれた網を作り出し、それで白い布の幽霊を捕まえてしまった。
「な、なんだ」
言うや否や、幽霊は網から出られなくなってしまい、ピエロはこちらを見て薄ら笑いをする。
「き、気味が悪いぜ」
ピエロは指を突き立てあろうことか、自分の右腕の二の腕の骨を抜き出し始めた。
「お、おいアイツ何してんだ」
「お、俺が知るかよぉ」
背筋が凍り付くような、笑い声をあげ、ピエロが骨を投擲してくる。
「く、やべえ」
間一髪、身体を曲げて躱す。
「おい過、そんな攻撃になに手間取ってんだ!」
「違うんだ、いつもみたいに身体が動かねえんだよ」
「ああ、何言って...」
投げられた骨が壁に当たった瞬間煙になり、その位置にピエロが復元される。
「過、後ろ!」
「え、」
練りケシ弾
流石の援護射撃が炸裂する。咄嗟に頭を屈めて、転がる。だがそのまま立ち上がれずよたついて、幽霊の捉えられている変な汚い網にぶつかってしまう。そのすきに幽霊が逃げ出し、姿を消してしまった。
「やべえ、手に変なの着いた」
「お前、やばい感染症かもしんないぞ」
「う、嘘だろ」
なんて隙にまた、投擲。しかし今度は余裕で避ける。
「おっし、反応が戻った」
「なあ、もしかして。捉えられてたのって、お前の能力なんじゃないのか?」
「え?それってどういう」
「あれは過の精霊だよ」
「え、有希来ちゃダメだって」
「過の体には精霊が宿ってるんだ。それは過の魂そのものがそうなったんだけどね」
「ちょっと何言って?」
「そうだ、お前らさっきからなんだ?へんてこな妖術使いやがって」
「あーえーっと、これは」
「て、また来てるぞ」
ピエロが血を固めた黒々とした爆弾を数発投げ込んでくる。
散弾!グミ撃ち
流石の連射で、全て叩き落す。
「あのピエロは能力者の精霊または悪魔の力を封じることが出来るんだ」
「つまりどういうことだってばよ」
「奪われる前に、倒すしかない」
流石は五本の指に蒼炎の光を灯し、ポーチからだしたかんしゃく玉と一緒に握りしめる。
「オーケー、てことは」
流石の方を向きアイコンタクトで、頷く。
ピエロに向かって突撃する。迎え撃ちにあの、変な網を高速で展開し、放つ。それが触れる瞬間、尋常でない速度でしゃがみ込む。
「決める、新必殺!」
螺旋銃
五本の指の力を集約した閃光砲撃が螺旋回転しながら廊下を突き抜ける。あまりの光で白い壁は青く照り返し、その熱で床には焦げ跡が引かれていく。レーザーガンの様にピエロの攻撃を穿ち、残骸すら残らない程に吹き飛ばす。
「はあはあ、やった...やったぜ!」
「「「おおおっし、撃破―!!」」」
これで一件落着...
「でも、今ので3階特別棟から、教室棟までの壁に一条の穴が開通したけど、どうする?」
「「「あ、そっかあ」」」
ないです