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初日 PM α'

アクロポリスの丘を見上げる所に、地下鉄のモナスティラキ駅がある。

アテネの中心、シンタグマ駅から一駅の場所にあるその駅周辺は、オフィス街とは様変わりして、

飲食店やみやげ物を売っている店が並び、地元のギリシアの人、各国からの観光客が入り混じって、賑わいを見せている。

僕は夕方までの数時間(長い…)、どう時間をつぶすかを考える。とりあえず何か食べよう。僕は商店街を歩き、なるべく地味で安そうな店を探した。

ギリシアの食べ物と言えば…思いつくところでオリーブ、フェタ(ヤギのチーズ…と思う)、ムサカ、あとはエジプト、トルコなんかでメジャーなピタ。

ピタと言うのは、ナンのような柔らかいパンに、シシカバブ(肉)、玉葱、トマトなんかを挟んだもので、結構安くて人気が有り、そしてボリュームもある。

僕はとりあえずピタを求めて歩く。メジャーな料理のせいか、駅前の広場にあるマクドナルドなんかにも、このピタがメニューとしてあった。

僕はマクドナルドの近くにあり、わりかし人で賑わっているレストランでピタをテイクアウトして、広場で食べる。

広場で人の通りを眺めていると、そこには何でもない日常の風景があった。子供の手を引いた家族連れ、お洒落をした学生達、恋人…

皆とても楽しそうで、僕は少し寂しい気分になる。

旅(海外)に来て初日は、どうしてもそういうナーバスな気分になってしまう。これから自分は旅を描いていく事が出来るのか…

今頃、日本にいる僕の知人達はどうしているのかな…現実に故郷が何万キロの彼方にあるのを実感する時でもある。

ちなみに余談だけど…こう言う時って、とても人肌恋しくなる…と言うか、ストレートに言うと、とても性欲が強くなり、誰かと肉体的に交わりたくなる。

自身の経験で、これはほぼ間違いなく、どの旅でもそう言う心境に陥った…これは僕だけの特殊な事なのだろうか…

地中海の太陽を浴びたみずみずしいトマト、ジューシーな肉を堪能した僕は、賑わいを見せる街並みを歩き、土産物を物色する。

アクロポリスの丘まで続く道には、たくさんのオープンカフェが並び、昼も近いせいか観光客がぎっしりとそのテーブルを占領するようになっていた。

日本人を見かければ何とかコンタクトしようと思ったけど、あいにく見つける事が出来なかったので、猫を探す事にした。

猫は街中のいたるところにいた、飼われているもの、野良、その中間に当たるもの…

重いリュックを背負い疲労もしていたが、彼達に触れ、その笑顔を見ていると心が和み、つい自らも笑い、話し掛けてしまう。

店に入り土産を見て、街中を歩いて通りを覚え、人々を観察し、何度も時計に目をやるが、中々時間が経たない。

ピレウスの港から船が出るのが午後7時…今からだと、まだ5時間以上ある…(汗)。

あてもなく路地を歩き、パルテノンと向かい合う丘にある神殿を見て…ついにやる事が尽きた僕は、モナスティラ駅から電車に乗り、ピレウスに向かう事にした。








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