四日目 PM 次なる目的地は?
旅先で日本人と過ごしていると、そこが故郷から何万キロも離れた異国だという事を忘れてしまう。
サカキさんと午前の読書をする僕は、ふとそんなことを考えながら…ぼんやりとバルコニーから外を眺めていた。
向かいの小学校の校庭で様々な髪色をした子供達が遊んでいて、明らかに学年の違う子供達が仲良く笑顔を浮かべている。
僕達はしばらく本を無言で読み続けた後、それぞれの部屋に戻ると少し仮眠して、再び宿を出て町の中心部へと向かった。
旅行会社でデロス島行のチケットを買おうとしたら『本日は午前便だけです』と言われてしまった(汗)。
よく見るとオフシーズン(9月〜3月くらい)はボートの本数が少なく、今は午前中のみと言う事らしい…
仕方なくデロス行きを諦めると、忘れていたこの旅…ミコノスの次に行くべく場所について真剣に考える事にした。
僕の旅は…例外なくいつも『行き当たりばったり』である。
計画性の無さ…と言うわけでは無いのだが、どうも筋書きのないドラマを求めがちで(笑)、この時点ではまだ次にどこに行くか全く考えていなかった。
船があればサントリーにだけど、オフシーズのせいでサントリー行きの船は無いと聞いていたので、トルコに渡るかアテネに戻ってメテオラの方に行くか。
…でも、トルコは日程的に厳しそう(残り3日)なので、やはりアテネに戻る事になるのか。
そんな事を考えながら町はずれのツーリストに行くと、そこで感じのいいおじさんから『明日ならサントリーニの船がある』と教えられる。
僕は迷いなくサントリーニ行きのチケットを買った。
半ば諦めていたサントリーニへの活路が開けたことで嬉しくなった。
この度の大方のルートが決まったので、あと一日滞在を延ばさなければいけなかったが…僕自身、このミコノスがとても気に入っていたので、かえって良かった。
それに一日延ばせばデロス島へも行けるし…これ以上の良いプランニングは無い(笑)。
全てが上手くいった満足感でツーリストから出ると、僕は再び町を歩き回りお土産を探す事にした。
何とか迷子になる確率が減ったものの、やはりこの町は迷路である…(汗)。
町の中心部へ出ようと四苦八苦した揚句、一軒の石鹸屋さんを見つけて入る。
恰幅のいいお爺さんと大きなシェパード?が僕を出迎えてくれて、お爺さんお勧めのオリーブ石鹸をいくつか買うと、少したどたどしい英語で会話したのちに店を出て、宿へと戻った。
宿へ帰るとサカキさんにもう一日滞在する事を伝える。
どうやらサカキさんは予定を早め明日出発を考えていたみたいで『あたしと交代』という事で話が決まり、あと一泊の宿代をサカキさんに渡す。