風の魔導師と謎の女騎士
登場人物 メアリス (21)
名門アリスティア家の長女、兄がおりその兄が
家を継いでいる、明るい性格で、騎士口調は
抜けないが、とても可愛らしい女の子
トーバとミーツは傷跡残る闇の森を光の魔術で
照らしながら村へと急いだ…。
トーバ「ハァ…ハァ…久しぶりに走って疲れたわい…」
ミーツ「!…まさか…こんなことになっていようとは…」
ミーツが目の当たりににしたのは、魔法によって崩壊した家屋や煉瓦が捲れて土が剥き出しになった石畳の道があった…
トーバ「む…じゃが不思議なこともあるものよ…
人っ子一人おらぬ…もしや…?」
ミーツ「…?」
トーバは崩壊した家屋の床を頻りに叩いた…
コンコン…コンコン…ゴンゴン!
トーバ「む、やはりか…ミーツやどうやらここに住んでいる人間は無事の様じゃな…」
ミーツ「もしかして…隠し穴…?」
ガバッ…
村人「じい様、姉さん、どうぞ入っておくんなさい、風の魔導師様は無事でございますよ。」
トーバ「うむ、有り難うよさぁ、入ろうかね。」
トーバとミーツは地下空間へと足を踏み入れた…
トーバ「こ、これは…まるで一つの街の様な…」
村人「さぁ、トーバ様、風の魔導師レニス様が
長老と共にお待ちでございます。」
トーバ「有り難うよ。」
ミーツ「まさか…村の下にこんな広い空間があって、しかも街並みの設備があるなんてね…」
トーバ「おっと…村の成り立ちはそこにいらっしゃる村長さんに聞こうじゃあないかね。」
村長「おぉ…緑の魔導師トーバ様…我が村によく
お出でくださいました…と本来ならば言いたいのですが…」
トーバ「うむ、解っておるよ、じゃが凄いものよのぉ…これだけの設備を揃えたり、都市の様な造りにするのに嘸や時間がかかったであろう…」
村長「私の高祖父が来るべき時に備えて造り続けてきたもので…かれこれ…200年位は経っているでしょう…それに地下は地上と違い魔物もいないし、水は豊か、ですから専ら生活しているのは
こちらの方で。」
ミーツ「なるほどね…えっと…話を変える様だけど…風の魔導師さんは?」
レニス「トーバさん、お久しぶりなのです、
トーバさん前より皺が増えましたね。」
トーバ「…嫁入り前の娘がそんな軽口を言うものではないわい、レニスよ。」
ミーツ「へっ…女の子が…魔導師なの?てっきり
男の子かと…」
レニス「本来は私の兄がなる予定だったのですが、私の魔力が強いのと、兄は控えめな性格なので、私が魔導師になりました。」
ミーツ「そうなんだ…。」
トーバ「レニスの兄が今の国立魔術研究所の
所長なんじゃよな。」
ミーツ「そうなんですか!?」
レニス「ふふふ…流石なのです、女の子の身辺調査に狂いはありませんね。」
ミーツ「どういうこと?」
レニス「あなたは従者さんなのですよね?この人
可愛くて若い女の子を見ると口説かずにはいられない人で、10年前私の家のメイド…モゴモゴ…」
トーバ「おっと、儂の昔話はさておき、何があったのか説明してもらえぬかな?」
レニス「おっと…そうでした、どうやらあの国が
動き出したようです…多分ここを狙ったのは私の
風魔法を奪う為だったのでしょう。」
トーバ「無事で良かったわい、誰も死人や怪我人が出なかったのが不幸中の幸いと言う奴じゃろうな。」
長老「あ、あの…トーバ様、トーバ様にお客様が来ておりまして…」
トーバ「む…其奴は敵かね、味方かね?それと
性別は?男、女?どちらだ。」
長老「はい、敵ではなさそうです…後、女性です。」
レニス「悪い癖が出てきましたかね~?」
ミーツ「男の人は何歳になっても元気なんだね…」
トーバは客人がいるという部屋に通された…
そこには赤い髪で、白銀の鎧に身を包んだ
女性が椅子に腰かけていた…。
トーバ(…む、冷静な美人と言った所か…だが…
どこかで見たような?)
???「貴公がトーバ氏で間違いないな?」
トーバ「は、はぁ…勿論です、それがどうか致しましたかな…?」
???「トーバっ♪ 会いたかったぞ」
トーバ「儂の名前を知ってる…はて…覚えている
様な気がするのに…」
???「魔法を教えていた生徒を思い出せないか?
まだ耄碌する様な感じはしないぞ?」
トーバ「…お前様はもしや貴族ではなかったか…?」
???「そうそう…少しずつ思い出してきたか。」
トーバ「もしや…アリスティア家のメアリス様?」
メアリス「そうだ、トーバ!11年振りだなぁ!」
トーバ「メアリス様…何故私の様な老い耄れの
所に…?御父様が心配なさっておいでですよ…」
メアリス「……」
一瞬沈黙が走った…
風の魔導師は言った…あの国が動いたと、
あの国とは?何故レニスを狙ったのか?
謎が深まるばかりである…




