番外編 ミーツと魔法長官
ミーツがトーバと出会う前…魔法研究所で働いていた研究員だった…だが、運命を変えたのは
ある人物の訪問だったのだ…。
ミーツがまだトーバと旅をする少し前…
ここヴィルナス魔法研究所で働いていた…
ミーツ「ロムファン長官が直々に私に用なんて…
何かあったのかしら…」
研究員「内容は聞かされておりませんが…ミーツさんにしか頼めない…ということで。」
ミーツ「…なんだろう…」
(ムスト所長の部屋)
コンコン…
ミーツ「研究者 ミラウィス・ミーツ、入ります!」
ムスト「宜しい、お入りなさい。」
ガチャ…
ロムファン「おぉ…君がキャルト人一の才女の
ミーツ君か…いやぁこれほど美しい研究員がいたとは…ムスト所長!羨ましいねぇ…」
ムスト「はは…恐れ入ります。」
ミーツ「申し訳ございませんが…ロムファン長官は私の学識と美貌に対して賛美を送る為にお出でになられたのですか?」
ロムファン「おぉ、失敬、失敬…実はね…君に折り入って話したいことが有るのだよ…」
ミーツ「なんでしょうか…?」
ロムファン「私の弟の従者になってはくれないだろうか…?」
ムスト「長官に弟様が…」
ミーツ「初耳です…」
ロムファン「私も最近気付いたことでね…実を言うと私はこの世界の人間ではないんだよ。」
ムスト「…と言いますと…異世界から…?」
ロムファン「正確には80年前だね、私達兄弟は
日本という別次元の国で産まれた直後にこの世界に転移させられたのだよ、尤も…私の方は解らないがね。」
ミーツ「では弟様の転移の理由はお分かりに…?」
ロムファン「うむ、我々兄弟は別々に移動してしまってね…私は子供のいなかったブラムフォード伯爵家に移動し、弟はクランヴィッツ
公国の宮廷魔導師バウンディスによって…という訳だね。」
ミーツ「いつ頃お分かりになったのですか?」
ロムファン「大体…20年位前かな、五大魔導に
我が弟トーバが入ったと言う知らせがあってね…
最初は知らなかったが、顔を見ると良く似ていてねぇ…それで、秘密裏に調べた結果弟と解ったのさ。」
ミーツ「何故弟様の従者に私を…?他にも良い人材がいるのでは…?」
ムスト「長官が仰られるには…トーバ様は魔力がとても強いらしく、その魔力を上手く中和できる
人材が必要なのだそうだよ。」
ロムファン「ムスト君、有り難う…ミーツさんの家系は代々従者が出た由緒正しき家系だからね…
それ故にミーツさんへの期待もあるんだよ。」
ミーツ「でも…私はまだまだ駆け出しで…」
ロムファン「…トーバはね、女性の優しさを知らないんだよ…」
ミーツ「……」
ロムファン「トーバを指導したバウンディス氏
というのは生涯妻も子供もいなかった人でね…
それ故か魔法に傾倒していったのだろうね…」
ミーツ「…私みたいなのでも宜しいんですか?」
ロムファン「勿論だとも…ミーツさんの成功を
祈っているよ。」
ムスト(…ミーツ君…)
夜…ミーツの自宅にて…
ミーツ「…私に従者なんて出来るかなぁ…はぁ…」
???「ミーツや…開けておくれ…」
ミーツ「メスナおばあちゃん…」
ガチャ…
ミーツ「おばあちゃん…実はね…」
メスナ「そうかい…従者になることが不安なのだね?」
ミーツ「うん…。」
メスナ「ミーツや…お前のお爺さん、ひいお爺さん、ひいひいお爺さん…その前のお爺さんも従者で、武勲を立てて軍人に召し抱えられたり、
政治家になったと言うのもあったけれど…
ミーツはその人の心の拠り所になってくれる様
頼まれたのだろう?ならなっておあげ…」
ミーツ「でも…おばあちゃんを残して…」
メスナ「大丈夫だよ、おばあちゃんはまだまだ元気だよ、ほら腰だって痛くないよ。」
ミーツ「おばあちゃん…有り難う…」
メスナ「さぁさぁ…涙をお拭き…今日は早めに
休むのだよ…明日の旅立ちが辛くなってしまうからね…」
ミーツ「うん…おやすみ…おばあちゃん。」
バタン…
ミーツ(…よし!頑張っていこう!!)
その日からミーツはトーバの従者になることを
決めたのであった…
人物紹介 ロムファン (80)
大陸の魔術全てを管理する長官の一人、
トーバの兄、一応は貴族なのだが、尊大でなく、
非常に親しみやすい人物、妻帯者であり、息子や娘、孫達もいる。
ムスト (67)
魔法研究所の所長、才能のある人材は民族分け隔てなく導くと言う考えの持ち主、また、非常に
弁舌家で、研究所の資金を渋ろうとした貴族を
弁舌で従わせた逸話の持ち主。
メスナ (86) 女性
ミーツの祖母、ミーツが3歳の時に両親を流行り病で亡くしたのち引き取り、育てた。とても穏やかでお茶目な人




