北の帝国にて
ローウェルが反論した死者を攻撃手段として用いる禁断の方法…果たしてこれが許されても良いものなのか…
所変わって…また北の帝国
クラマント「…と言う様に五大魔導の魔力と
その力の塊であるエレメンタルストーンが
無くては計画は進みません…」
ローウェル「なるほど…それで躍起になって五大魔導師を片っ端から強襲していた…という訳かね…」
クラマント「今回は我が帝国が北で燻る雪辱から
逃れ大陸全ての覇者にならんとする皇帝の考え…なのでございます。」
ローウェル「それはそうと…辺境伯はどうしたのだね…」
クラマント「多分いつもの悪い癖が出たのでしょう…ローウェル侯爵も経験済みの筈だが…」
ローウェル「あの癖は病気では無いのかね…年寄りの風呂を覗くなんてのは…」
クラマント「はは…まぁあれが気持ちを落ち着かせる一番の妙薬だとか…さて…次はどの刺客を送りこみましょうか…」
???「申し訳ない!遅れてしまって…」
クラマント「ルーバル参謀総長…10分の遅刻ですよ…子爵が粛清されてから貴方が一番必要な存在だと言うのに…」
ルーバル「まぁまぁ…いいではありませんか…
互いに戦場では流れ弾の中を掻い潜ってきた戦友
だ勘弁してくださいよ…」
クラマント「あの作戦は進んでいるのですか?」
ルーバル「えぇ、勿論…ただ早急過ぎて精神面の制御が難しくて…それでも出撃なさるんで?」
クラマント「勿論です、皇帝陛下は早めに事が進む事をお望みですから…手段は選びません。」
ルーバル「まぁ…一応は御披露目しておきましょうか、連れてこい!」
兵士「はっ!」
ローウェル「一体何を連れてくると言うのだね…
まさか曲芸の熊や虎ではあるまい?」
クラマント「侯爵はある国で作られる死人を強制的に復活させ兵士にしたて上げる…という話
ご存知でしょうか?」
ローウェル「話には聞いたが…だがそれはもう
かなり昔の話だ、今は死者への冒涜と言う形で
反論を受け消え去った技術と言うが…?」
クラマント「わたしの調査団が秘密裏に閉鎖された場所から資料を集めてきて、また死体も1つだけ持ってきて造った…という訳でね。」
ローウェル「性別としては何になるのだね。」
クラマント「一応女性です、まぁ…一度亡くなれば性別は私達にとっては関係ありませんがね。」
ルーバル「ふむ…来たようだな…」
兵士によって檻の中に入れられた女性は虚ろな瞳をして全く生気のない顔をしていた…」
ローウェル「む…まさか死者を使ってまでも奴らをどうにかしようとは…」
クラマント「そうでもしなければ我々は爵位を
剥奪され一家は路頭に迷うことになります、
皇帝陛下は年々短絡的になられている…お分かり
でしょう…?」
ローウェル「む…それは分かっているが…
それに伯爵殿は皇帝陛下の狗になっておられる…
今回に対しては目を瞑るが…」
クラマント「おや…貴方からそんな言葉が出るとは…思いもよりませんでしたよ、流石に騎士精神は老いぼれても残っていらっしゃるようだ…」
ローウェル「儂はただ一度死を迎えた人間を
この様に深い眠りから叩き起こすような真似が
嫌だと言っているだけで…」
ルーバル「侯爵…もう我々は後戻りは出来ません、進むしかないのですよ…」
ローウェル「…すまんが儂は帰らせてもらう、
どうも気分が優れぬ…」
クラマント「おや…それはいけません、さぁ早くお帰り下さい…」
ローウェル「む…すまんな…」
クラマント(…もうそろそろ侯爵にも消えてもらうか…?)
ローウェル邸~
ローウェル「…皇帝陛下…クラマント…ルーバル…
は一体何を考えているのだ…五大魔導の力では
飽きたらず死者さえも使うとは…」
コンコン
ローウェル「む…誰かね?」
???「ひいお祖父様…ミラスです…」
ローウェル「おぉ、ミラスか、入りなさい。」
ガチャリ…
ミラス「ひいお祖父様…」
ローウェル「どうしたのだね?怖い夢でも見たのかい?」
ミラス「何か怖いことが始まりそうで怖いの…」
ローウェル「大丈夫じゃよ…ほら泣かない、泣かない…ひいお祖父ちゃまがミラスが眠るまで
一緒にいてあげよう。」
ミラス「本当…ならご本を読んで…」
ローウェル「あぁ良いとも、良いとも…」
ローウェル (この子や他の孫、息子達、曾孫達…
玄孫達の未来を守ってやらねば…)
ローウェルのなかで忠義か正義かで揺れる今…
良心の芽生えなのであろうか…
登場人物紹介 ルーバル(51) 参謀総長
クラマントと同じ貴族の家系だが、貴族の腐敗を
嫌い軍人になった、最近クラマントが狗になっていることに対して懸念を抱いている人物の1人




