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05『第一入居希望者』

今年は生活リズムとか直したいですね。

 少女は案内されたジェントルの中を見て驚いていた。

 アパートと言う割に外に一つ一つの部屋の扉は無く、全て建物の内部に設けられている。アパートと言うよりは屋敷や、大きな宿屋と言う方が聞こえが良い。

 廊下は白を基調に黒の絨毯が絨毯(じゅうたん)敷かれているだけのシンプルなデザインだが、埃やシミ一つ見られず、とてもゴブリンが営んでいるとは思えない程に隅々まで手が届いている。

「わぁ……」

 思わず感嘆の息を漏らす少女。

 さっきは出てきたのがゴブリンだったと言う衝撃で視界が狭まっていたが、良く見ればこのゴブリン(ルドルフ)も黒のスーツをびっしり着ており、汚い等と言う印象は全く抱けない。

 

 少女が中へと案内されて直ぐ、玄関の丁度左にあたる部屋の扉をルドルフは開けた。

 扉の横には『101号室管理人の部屋。用がある時は必ずノックする事』と共通語で書かれた掛札が掛けてある。

 部屋の中もこれまたゴブリンの部屋とは思えない程に清潔な状態であり、家具や調理道具も必要最低限の物しか揃えていない様に見える。

「そんじゃ、入居希望って事で色々聞かして貰う事になるけど、いいか?」

 机に向かい合わせになる様座った所で、ルドルフはそう切り出した。

「は、はい」

 緊張でかなりぎこちないながらも少女は頷いた。



「名前は?」

「アイシャです」

「種族は……人間で間違いねェか?」

「は、はい、合ってます」

「年はいくつだ?」

「じゅ、十五です」

「……若ェな随分と」

「い、色々ありまして……」

「そうか、聞かねェ様にしとくわ」

 かなり暗い過去がありそうではあるが、ルドルフは気にしない様意識し、聞き出したアイシャの情報を紙に書き込んでいく。

「あの、ひ、一つ聞きたい事が……」

「ん? 何だ?」

「や、家賃はいくらくらいですか……?」

 アパートとして運営している以上、住む者達は家賃を払わなければならない。収入が極端に少ないアイシャにとっては駄目元の質問であった。安めの額を提示された所で、払える見込みはかなり薄い。


「一万二千ゴルだ」

「えっ、本当ですか!?」

 驚きで目を大きく開けて問いただすアイシャ。

「ああ本当だ、各部屋に冷暖房完備、風呂は無ェが代わりに一階に大浴場男女別でそれぞれ設けてある。 とんでもなく安いだろ?」

 ドヤ顔気味に笑うルドルフ、嘘を吐いている様にはとても見えない。必要最低限の設備がある部屋を都市部で借りるだけでも4万ゴルは下らない。余りにも破格だ。



 それでも、今のアイシャの手持ちでは全く払う事が出来る事が出来ない、待って貰う必要がある、()()()()()

 深呼吸をして意を決する。

「あの……必ず稼ぎます! だから暫く待ってください!」

ジェントルの内部初公開(?)です。

アイシャちゃんのお願いは果たして届くのか!?

次回「届いてもいいでしょ」

※次回のサブタイトルではありません。


RTがメインになってるついったー

@GS70_freedom


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