02『ホームレス元宿屋嬢』
書いてると自分の文章力というか語彙の無さやら表現力の無さに中々溜め息を吐きます。
多種族共生主要都市ジャニュアの最東部、通称『ジャニュア外』。
いわゆる貧民地区のそこに一人の少女がせっせと懸命に移動の為の荷物を纏めていた。
名をアイシャ、先月まで宿屋に住み込みで働く身であった。
アイシャがこの世に生を受けたのは十五年も前の事。そこからは両親に愛情を充分に注がれて生きてきた。
しかしアイシャが九歳の時に両親は他界、死因は不明と来た。
何の前触れもなく最愛の存在達を失ったアイシャは直様、親戚にあたる夫婦の元へと引き取られた。
両親を同時に亡くしたショックは相当な物であった。
宿屋を営んでいた親戚の手伝いをする事で無理矢理悲しみ等の負の感情を忘れようとするが、一度《ひとたび》寝床に入ればぶり返し、泣き耽った。
何とか立ち直り始めた十五の春。アイシャを再び悲劇が襲う。
元々、経営状況がよろしくなかったらしい宿屋は度重なる借金の末に廃業せざるを得なくなってしまった。
親戚は有り金を持って行方を眩ませ、アイシャ一人が宿屋に取り残された。その宿屋も直ぐに差し押さえられ、追い出された。
こうして貧民地区での雨も風もロクに凌げない路上生活が始まったアイシャは、若さを理由に都市部の何処でも雇ってもらえず、日々造花を作り、子供の小遣いにも満たない収入を得、一日三食石の様に固いパンのみを食べて暮らしていた。
そして現在、アイシャは腰からはした金、それでも少ない収入のほとんどを貯めた五百ゴルが入った巾着を下げ、ぼろぼろの布切れを頭から被りジャニュアから離れた道を歩いてた。
目的地はその右手に持っている貼り紙の場所。
『種族及び雄雌問わず。貴方の帰る場所を提供します。多種族荘ジェントル』
二度も失った『帰る場所』を求めてひたすらに歩いた。
ついったー
@GS70_freedom