孤独な教室
初の投稿です
誰にでも 「初めて」はあるもので、たまたま僕の初めての小説はこの作品である、ということです。
暖かく応援してくれると幸いです。
それでは楽しんでいってください。
雪ノ原真冬という名前を持つその少女は、その名前を呼ばれることよりも、今ではオカルト少女と噂されることの方が多い。
自分でも嫌悪しているこの異名を、しかし彼女は否定出来ない。
あまりにも的を得ているからだ。
誰もいなくなった教室の角に座っていた彼女は、ため息を一つつき、読んでいた本を閉じた。
教室の窓から校庭を眺めて、もう一度深く息を吐く。
「.........誰か、私に勝ってよ」
意図せず、気付いたら声に出ていたのは、それが純粋な、それでいて叶わぬ願いだったからだ。
閉じた本の表紙に水滴が一粒二粒と落ちる。
「.........私を、救ってよ」
滑稽なのは、今や七不思議の一つとして数えられる少女が、元々は普通の女の子だったということだ。
人気の無くなった静かな教室で、少女の涙の落ちる音だけが聞こえる。
窓の外のグラウンドで走り回る部活動生達の元気な声も、4階にあるこの教室には届かない。
こんな小説を読んでくださって、感謝です。
なにぶん初めてのことですから、投稿頻度などは未定です。おいおい決めていこうと思いますので、次回も是非読んでもらえたらなと思います。