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FANCY NOVELS  作者: ハゲゼビア
182/302

GAME OF SHADOWS#10

 〈影達のゲーム〉ゲーム・オブ・シャドウズの裏で暗躍する謎の実体は時間を俯瞰して存在しており、歴史に介入して何やら恐るべき計画を立てていた。しかし何の因果か、二人の名君は彼の思い通りには動かなかった。

登場人物

―チャールズ…歴史に名高いフランク王国の皇帝。

―アブド・アッラーマーン・イブン・ムアーウィヤ・イブン・ヒシャーム・イブン・アブド・アル=マリク・イブン・マーワーン…後ウマイヤ朝(アンダルスのウマイヤ家政権)創始者、クライシュの鷹アブド・アッラーマーン一世。

サラゴーサのワリー…サラゴーサを治めるアッバース朝側のワリー。



八世紀後半:イベリア半島、サラゴーサ郊外


 城塞都市の闇に閉ざされた玉座にて一人の男が悍ましい笑みを浮かべていた。

 果たしてこれが本当に人間であろうか――鎧戸を開けた窓からの微かな採光を除いて光源が無く、いかなる灯りも燃え上がらず、そしてその男を除いては誰も室内にいなかった。

 空の盃を手にして玉座で脚を組み、怪物そのものの異次元的悪意を湛え、これから起ころうとしている何かに対して期待しているようにも思えた。

 恐らくは己の考えている何かしらのゲームを楽しむために笑っており、呪われるべき怪物であると言えた。


「神に誓って言うが、よもやかくして直接会う事になろうとは考えもせず。それ故儂はただただ運命に驚くばかり」

 全盛期のアーサー王のごとき立派な容姿の王がいた。白髪と髭とが目を引き、まさしく大国の帝王足り得る威厳を放つ皺深き精悍な顔立ち。

 夏でありながらやはりある程度は涼しい高原に立つ王は、さる事情から(よわい)が一世紀を裕に越え、それでいながら常に全盛の戦士として立ち振る舞っていた。

「信徒達の長よ」対面で立っている男は天を軽く見上げて言い、それから視線を顔の向きごと戻した。「いかにもアッラーがかような運命を御用意なさるとは、私も一切考えてはいなかった」

 その男もまた随分立派であった。立派な兜を脱ぎ、市街の周囲の木々にも負けぬ味わい深い緑色のイマーマ(所謂ターバン)も脱いでそれを兜に入れて脇に抱えていた。

 その実眼前にいるフランクの老王よりも先に誕生しながらも、神が与えた奇妙な運命によって年齢が逆転していた。

 今や(あらわ)になったミディアムヘアの金髪が陽光をうけてきらきらと輝き、フランクの老王の銀が掛かった白髪と対照的な存在感を放っていた。

 顔は年齢の割には若々しく、まるで二〇代のように見えた。

 若い男の目は淡い緑色に輝き、対するフランクの老王の蒼き目が西方世界一の威圧感を湛えているにも関わらず、真っ直ぐと見返していた。

「さて」とフランクの老王は言った。「コルドバのアミーアよ、海渡り、ただの一人にて帝国を再建せし者よ。この儂、フランク王は貴公と再び(えにし)を持つに至りたり。故我ら、かくして面を向き合わせ、サラゴーサの処遇を話すべきなれば」

「いかにも。全能なりし天上の神はあの時我らの味方をせず、であるがため婚姻による和平もまた成り立たなかった。あれは私も未だに心残りに思う。しかしアッラーは誠慈悲深き御方。今回こうして話す機会が設けられ、我らのごとき巨人どもが激突せねばならぬ事態を避け得るや知れぬ」

 彼らは互いの軍勢の親衛隊を周囲に侍らせてはいたが、しかし数メートル離れた位置に置いていた。

 両者はどちらともなく歩き始め、実際には初めて対面しているにも関わらず、古い付き合いの友人であるかのように身振り手振りを交えて会話を続けた。

「マリアの慈愛にかけて、平和に済めばこそ僥倖なり」

「同じくマーヤムの誠実にかけて、可能であれば無駄な血を流さぬように済ませたいものだ」


「イスラームの片隅にすら置き場所の無き不信心者が、そちらに随分迷惑を掛けたらしい」

 コルドバのアミーアは市街の外を歩きながらやれやれと呆れた。

 八月の晴れ空が清々しく、低地よりは涼しいため、武装していてもそれ程不愉快には思わなかった。フランクの老王はしかし寛大なところを見せようと振る舞った。

「否、これもまた我が人生の一行なり。時に東方の帝位にはアル=マーディー、その派遣軍今や上陸に至り、支度の終わり次第進軍せん」

 不意にフランクの老王は背後へと振り返り、配下の兵士と何やら頷き合った。コルドバのアミーアはそれを見送ってから答えた。

「着いたか…それは初耳だな。ではいかがしたものかな」

「神に誓って真実申せば、我が方にてアッバースの旧知事二人を拘束中なり」と言いながらフランクの老王はにやりとした。

「誠か、ワリーどもをか」と若きコルドバのアミーアは驚きを見せた。ワリーには複数の用法があるが、ここでは単に知事や総督というようなニュアンスであった。

 今回のサラゴーサ攻めは西洋世界の広範に渡る大帝国となったフランク王国と、たった一人の生存者がかつての栄光をイベリア半島にて再建した後ウマイヤ朝という二大国の駆け引きを発端としていた。

 ウマイヤの後継者であるコルドバのアミーアが気に入らないアッバース朝のワリー達は、異教徒であるフランク王国と連絡を取って臣従を誓い、ウマイヤ家の残り滓を今度こそ根絶やしにしてやると息巻いていた。

 以前後ウマイヤ朝との平和条約を結べぬものかと考えていたフランクの老王は無益な血が流れる事を恐れていた――彼もその配下も死は恐れないが、しかしフランクの老王自身は為政者として軍勢や民に余計な犠牲が出る事はよしとしなかった。

 征服が可能であれば攻めるが、しかし己と対等にやり合えるような相手と事を構えれば、平時の小さな敵との戦いと比較して一体どれだけの犠牲が出るかわからなかった。

 もちろん名君同士は同じ事を考えるもの。

 コルドバのアミーアもまた、小ジハード(武力による外面へのジハード)は己に可能な範囲で実行しなければ、ただでさえ不安定なアンダルス情勢を更に不安定にしてしまう事はわかり切っていた。

 そこに老獪なキリスト教国の王からそちらに一人嫁がせると言われた時は渡りに船の思いであった。

 フランクの老王は驚きを見せる金髪の青年に優しく語り掛けた。

「儂はこのような席においては真実しか話さぬ、それが貴公のごとき風雲児との相席なればなおの事なるぞ」

 金髪のイスラーム君主はふむ、と考え込んだ。今彼らが滞在するサラゴーサは歴史があり、立派な城壁を備えていた。

 しかしフランクの老王の勢い余る軍勢を前にしてはそれとて何の役に立とうか――とは言え交渉の時間稼ぎにはなっていた。

 なるほどワリーどもとて一端の権力者であるからには、〈歓喜せし刃〉(ジョワウーズ)であろうとも簡単には断てぬ程に城壁を堅牢化させられても不思議ではない。

 恐らくは反撃を一切捨ててまで完全に防御へと徹しているのであろうが。

 ましてや権力とはアッラーのみぞ知る不可思議な性質にして、個人差甚だしいなれば、才能次第ではフランク王の剣にすら堪え忍ぶ事ができるかも知れなかった。

 となれば確かに、痺れを切らせたフランク軍がサラゴーサのワリーに対して人質を取るのはわからない話でもない。

 問題があるとすればそれら諸知事の主人であるバグダードのカリフが、己の手勢をフランク側の援軍として派遣し、それがヨーロッパへ上陸したという点であろう。

 元々はアッバース朝に属する現地のワリー達がフランク王国に支援を求めたのが此度(こたび)の戦いの発端である。

 そして途中約束を守らずにサラゴーサの支配者がフランク王国相手にふざけた交渉を始めたりはした。

 しかし現カリフであるアル=マーディーからすれば、理由はどうあれ己の配下が同盟国の人質に取られているというのはいい気分がするとも思えない。

 中には事情を鑑みて寛大な判断を下す王もいるにしても、そのような駆け引きは危険であった。

 フランク王国としてはいかに異教徒であろうと、東ローマ帝国よりも遥かに強大なアッバース朝を相手にしたいとは到底思えなかった。

 相手は東ローマ帝国との係争で慣らしたウマイヤ朝の大軍を、宗教的熱狂と巧みな用兵とによってザーブ河畔の戦いで撃破・滅亡させたアッバースの黒旗に集う者達である。

 未知数の強大な戦力を保有すると思われるホラーサーン軍が派遣されたわけではないにしても、先の戦いではアンダルスの中興ウマイヤ朝を潰すために一万を超える軍勢が海の向こうから派遣されている。

 更には建国の翌年には遥か彼方にて栄える(タン)帝国と事を構えながらも、タラス河畔の戦いでこれを撃破したと聞き及んでおり、益々怪物じみた超大国に思えてならなかった。

 いかに強大なフランク王国を束ねる帝王であろうと、バグダードの円城にて玉座に座するカリフと悪戯に事を構えたいとは思わなかった――その実アル=マーディーはその父と比べ穏やかなカリフなのだが。

 そのためこうしてフランクの老王は現在協定違反を理由に包囲中のサラゴーサ郊外にて、コルドバのアミーアその人と協議しているのであった。

 彼らは元は同じルーツなれど別々となった信仰を持ち、目指すべきゴールも異なり、しかしそれでも己らが信ずる唯一の神の前ではちっぽけな蚤に過ぎないと考えていた。

 遂に緑の瞳を持つムスリムは沈黙を破った――とは言え彼は断りを入れてから白髪の王者へと更に歩み寄って声を潜めたのであった。

「私としては、これ以上こちらの領域を侵すのでなければよしとしようと考えております。アッバースの輩三人については私の国に危害が加えられぬ限り、あなたの都合でいかようにもなさるとよろしい」

 コルドバのアミーアは髪を軽く掻き上げながら耳打ちした。あまり馴染みの無い異国の香の匂いが老いた支配者の鼻孔を刺激した。

「ではそのように。ところでクライシュの鷹よ、アンダルシアの鷹よ。貴公もまた、我らの衝突が何者かによって仕組まれているかのような予感がするのではありませぬかな? 儂が思うにそれはほぼ確実、今志方我が方の危険分子を捕えたからには」

 フランク王国の大帝がそのように言うと、クライシュの鷹と呼ばれたウマイヤ家最後の生き残りは頷いた。

 なるほど確かに、彼はこの『本題』を話し合うためにキリスト教世界に君臨するフランクの老王に接近したのかも知れず、実際には白髪の王もまたそれを承知して自分から話を切り出したのであった。

「激動の時代に光明を(かざ)したムハンマドよ、彼にこそ平穏あれ。いかにも私もまたそのように考えていた。イスラームとキリストと、その間に重大な亀裂を生じさせようという意図がある事を、こちらの情報源で予測していたが、よもや暗殺者まで…」

 名門らしい美貌を持つイスラーム側の支配者の髪と髭とが風で揺れ、信じられないぐらいすぐ隣に立っているキリスト側の支配者の髪と髭もまた同様となった。

「確かに我らは不安定極まる天秤の上に立ちたり。主とする宗教が異なり、主とする民族が異なり、そして何より外国(とつくに)同士なれば。しかし我らのごときちっぽけな巨人風情が、全知全能たる神の機嫌を損ねるような小競り合いをして、果たしてそれがいかなる利益になりましょうや?」

「一から十まで同意する他無い。まさに我らは岐路に立たされ、凄惨な全面戦争か、それとも仮初めであろうと和平か、歴史を左右する所に立っている。そして確かに、慈悲深いとは言え厳粛でもあるアッラーを、我らのごときが煩わせるのは思い上がりも甚だしく思う。しかし我ら――」

「――膿のごとく溜まりに溜まった葛藤や鬱憤、今こそ吐き出し、未来への礎とするべし!」

 間髪入れずに引き継いだ金色で彩られた鎧のフランクの老王チャールズは、腰に吊るす優美な鞘から素早く〈歓喜せし刃〉(ジョワウーズ)を抜剣しつつ少し離れた。

 その剣は腫瘍じみた肉塊に覆われた金属であり、黄金に輝く刃と脈動する有機的な装飾のコントラストとがどこまでも美しかった。

 慌ててウマイヤ側の兵士が駆け寄ろうとしたが、しかし銀色の鎧を着込むコルドバのアミーアたるアブド・アッラーマーンは、全てを理解している落ち着いた様子で部下達を手で制した。

「下がれ、これもまた協定に含まれている事だ。我らは別にこれから君主同士で殺し合おうというわけではないから、ダーウード王の髭にかけて、決して手出しはせぬように」

 そして言いながら、彼もまた腰の鞘から銀装飾の剣を抜き放った。

 〈稀有なりし刃〉(アル=サーミーン)を右手で構え、それを逆側の腰の横に持ってきて、そして右半身を乗り出すようにしていつでも斜め下から抜き放てるようにした。

 この剣もまた有機的な装飾があり、それは眼前の黄金剣との対峙で共鳴するように脈動する様子が実に見事であった。

 対するチャールズは右手で上段へと振り上げ、左手も柄に添えていつでも振り下ろせるようにした。風が生暖かく感じられ、それは何者かの嘲笑か期待が入り混じっているような気がした。

 しかし両者は心乱される事無く、麦畑が太陽に照らされて爽やかな黄金に輝いた。

 やがて両者同時に剣を振るい、両者がそれぞれ「〈歓喜せし刃〉(ジョワウーズ)!」「〈稀有なりし刃〉(アル=サーミーン)!」と叫びながら打ち合わせた刃が金銀の輝きを放ち、イベリア半島を突風が駆け抜け、そして天に向けて金銀が螺旋状となった光条が発射された。

 通過中の小さな雲が霧散し、どこまでも広がる蒼穹が一時的に暗くなったかのように思えた。


 サラゴーサのワリーは今起きている事が信じられなかった。

 城塞の窓から密かに覗く彼の眼前にて驚天動地の凄まじい光の柱が立った『という有り触れた出来事』についてとやかく言っているわけではない――己が時間線上に設置した複数の剣の内二本が、あろう事か己の手から完全に離れてしまったのである。

 しかもフランクの老王の側に刺客を紛れ込ませたのに、一向に思ったような騒動が起きないという事は、今外で起きている『穏やかな騒動』は明らかに企みが失敗した事を示している。

 両者が己らの剣を打ち合わせた事にどのような意図があったかはどうでもいい。その結果として、両方の剣がコントロールを離れたのが事実であるから。

 何たる大失敗であろうかと、悔いたところでもう遅かった。時間に束縛される事無く存在している己の総体にすら今起きた出来事は変えられなかった。

 いずこかの『上方』からこの三次元宇宙へと投げ込まれた剣――人間の年代では紀元七世紀の出来事だが、己の側面をサラゴーサのワリーとして派遣している実体にとって過去であるか未来であるかは関係が無かった――を模倣して作り上げた剣ではあるが、それ故に創造主である己にすら無条件にして臨むままのフェイルセーフを設定する事ができず、妥協を強いられていた。

 また、正体不明の対戦相手との協定上、剣そのものの自由意志を極度に制限する事は許されなかった――守らなければ相手はあろう事か『こんなに楽しい』混沌のゲームを降りると言ったのであった。

 故に、あらゆる偶然の果てに、己が投げ込んだ〈混沌剣〉(ケイオシアン)同士が刃を交えるという予想外の展開となってしまった。

 一体誰の差し金なのか? 対戦相手か、それともそれ以外の何者かか?

 でなれけば、『圧倒的な強さによってヨーロッパ広範を混沌で満たすための絶対王者』の前に『アッバース家を燃え上がる復習心によって炎上させ、アッバース側にも蒔いた不穏との相乗効果でイスラーム帝国をかつてない混沌で満たすための最後の王子』がこうして現れるとは到底思えなかった。

 アブド・アッラーマーンはアッバース家によるウマイヤ家残党狩りを逃れて北アフリアへ、更にそこからイベリア半島にまで逃れ、あり得ない話だがこの異郷の地にて己の帝国を再建し、権力を確立したのであった。

 あるいはこれは、後世でアッバース朝最高の名君と呼ばれた男からすら畏怖と尊敬とを勝ち取ってクライシュの鷹と呼ばれる程の稀有の英雄という、この男に染み付いた在り方が成せる奇蹟であったとでも言うのか?

 かくして時間線上に空白地帯が生まれた。過去でもあり現在という不確かさでもあり未来でもある何者かは、己が次に取るべき手を考え始めた。ああ、なんと――なんと楽しいんだ。

 まず、時間を俯瞰する彼にとっての主観的事実としてはあの恐るべき『彼女』と、己の総体ごと幽閉されていた塔の牢獄から脱しようとしたところで蜂合わせてしまった出来事の方が、今回の出来事よりも先に起きた事であった。

 この正体不明の実体は『彼女』が去ると、歴史の裏で再び暗躍を始めたが、既に彼はゲームの裏で現在の最優先事項のために行動を開始していた。

 『彼女』によって幽閉された出来事以前、この実体はゲームのために複数の剣を人類の歴史に投げ込んでおり、それを何かに活用できないかと考え、とある案が浮かんだのであるが、しかし今回こうして二本の剣が離れた以上は、ここにぽっかりと穴が空いてしまった事は否めなかった。

 そしてそれはこの暗躍者にとっては非常に都合が悪い事であると思われた。

 そのためまずは、己が打った一手を台無しにしてくれたあのチャールズに、手痛い一撃を加えてやらねばならない。バスク人を刃として突き刺してやろう。

 ゲームは自分にすら予想不能な時こそ楽しいのである。

 チャールズはもちろんカール大帝やシャルルマーニュの名で知られる伝説的な帝王である。

 対するクライシュの鷹は後ウマイヤ朝を立てたウマイヤ家の生き残りであり、アッバース朝最高の名君(アッ=サッファーの兄ジャーファー)とチャールズという二人の帝王と同じ時代を生き、そしてその両者と交錯する事となった乱世の英雄である。

 〈稀有なりし刃〉(アル=サーミーン)とは『ローランの歌』でバリガンが使っていた剣プレシューズである。単なる私の解釈だが、バリガンのモチーフには史実のクライシュの鷹も入っている(ような気がする)。

 プレシューズは英語で言うところのプレシャスなので、それをアラビア語に翻訳した。

 ところで実際に両者が『ローランの歌』誕生の原因となる『あの敗戦』の直前に会合を持ったというような記録はもちろん無いだろうし、そこは自分の好みに脚色したわけである。

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