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FANCY NOVELS  作者: ハゲゼビア
107/302

MR.GRAY:THE KNIGHT OF MODERN ERA#6

 オラニアン、ヨルバ神話に登場するナイジェリアの伝説的な王はすらりとした長身の美少年の姿で現れた――他のアーサー陣営の連中とは違って。圧倒的な近接戦闘能力を持つこの王だけでも厄介なものを、あろう事か更なる敵将が出現した。モードレッドとインドラジットのコンビは覚悟を決めたが…。

登場人物

モードレッド陣営

―Mr.グレイ/モードレッド…アーサー王に叛逆した息子、〈諸王の中の王〉キング・オブ・キングス

―インドラジット…かつて偉大な英雄達と戦って討たれたランカ島の王子。

―援軍の青年…かつて栄えた謎の王国に君臨した美しき謎の王。


アーサー陣営

―チャンガマイア・ドンボ…ジンバブエの覇王として名を馳せたショナ人。

―オラニアン…若く美しいヨルバの偉大なる王。

―神の災い…かつてヨーロッパを席捲した勇猛果敢にして優秀な破壊的征服者。

―偉大なる建国の父…強大な帝国を打ち立てた古きカリフ。



ホームベース襲撃から三三分後:異位相


 ドンボは重苦しい沈黙を破った――再び「廻れ!」と叫び、するとどこからか乾いた銃声のような音が響き、猛禽のごとき目を持つ妖魔の王子は敵の背後を天へと登る小さな金属塊を五発発見した。

「この音…迫撃砲だ! って、迫撃砲はわかるかな?」

 前方でドンボよりも濃密な死と破壊の雰囲気を放っているオラニアンを警戒しながらも、陣営のリーダーでありながら前衛を務めるモードレッドは大声で叫んだが、最後の方は不安で小さくなった。

「余とてそれぐらいは知っている、あれの速度は?」

「そんなもの私は知らないな」

「さもありなん。では余がドンボの遠距離攻撃に対処する、貴公はオラニアンに応じよ」

「どっちがリーダーかわからないな!」とモードレッドは眼前の敵への恐れを消すように笑った。どっと地を蹴り、一気に巨木のごときナイジェリア王へ接近した。相手は軽装どころか防具すらない、ならば当てさえすれば。

 だがオラニアンは一瞬で距離を詰めて来たモードレッドに全く慌てた様子も無く、そして彼が殴りかかろうとした瞬間に爆発的な暴風が吹き荒れた。

「冗談だろ? まるであのイサカみたいな剣戟だ!」

 先程超人的な身体能力を持つ焔のごときオドエイサーを接近戦で完全に圧倒したモードレッドは、優美な黄金剣と曲刀とを絶え間なく振り回すオラニアンの鬼神じみた剣技を捌くだけでやっとであった。

 横振りを卿が間合いの外へと後退して躱すと、濃い茶色の美術品じみた肌を持つ神の息子は踏み込みながら大胆に振り抜いた勢いのまま一回転し、振り向きながら斜め下から斬り上げてきた。

 美しいナイジェリアの貴公子はブリテンの王子よりも背が更に高く、振り下ろされるような威圧的な剣技と対峙すればどうにも腰が引けた。素手でこれらを捌くのは並大抵ではなく、戦いとは思えないあの軽装に一撃を入れるのは難しいと思われた。

 するといつの間にか右手の黄金剣のみで相手をされている事に気が付き、言いようのない苛立ちが芽生えた。だが上方で金属と金属がぶつかり合う音が聴こえ、恐らくインドラジットの放った神域の矢が投げられた曲刀で次々と落とされているのだと思われた。

 卿はあの少年らしいところの残るラークシャサの王子を案じる余裕さえ無かった。耳に入ってくる発射音と矢の射られる音、そして目の前で鬼神のごとく剣を振るう長身の美しい少年が剣を振り下ろした際に鳴らす激突音。

 次々と炸裂する死の剣技のパターンをある程度は掴んだMr.グレイは、偉大なる建国神話の王オラニアンがどのような表情であるのかとその顔を窺った。

 整った目鼻立ちのヨルバ人は微かに怒りを浮かべた表情で見下ろしながら次々と黄金剣を振るっていた。その一瞬の油断によって卿は手が鈍り、その隙を突いたナイジェリアの戦士王が放った黄金剣の刺突が卿の鎧に突き刺さった。

 鎧を貫かれ、凄まじい強靭性を誇る肉体さえも出血させ、卿は空気が破裂する音と共に後方へと吹き飛んだ――そうか、では引き続き相手をしてやる、かかって来たまえ。既にオドエイサーとの戦いで負った傷は既に治癒しており、気分は悪くなかった。

 卿が弾丸のように後方へと吹っ飛び、そのまま上向けて突き出た岩へと激突する前に美しいナイジェリアの少年王はその長身に見合わぬスピードで卿を追い越して回り込んだ。

 彼らは人外めいた速度で戦闘し、時折空気が破裂して恐るべき悲鳴を上げた。激突する前に回り込んだナイジェリアの若き王は両腕を振り上げると全てを粉砕せんとして、黄金剣と手元に戻った曲刀とを凄まじい速度で振り下ろした。

「甘いな!」

 だが卿はそれを読んでいた。


 吹き飛ばされている最中のグレイの両腕に出現した赤い半透明の〈鋼断剣〉(エクスカリバー)は、彼が態勢を直すと腕を体の外側向けて交差された状態から振るわれ、交差するように横一閃の壮絶な斬撃が放たれるとさしもの怪力と剛剣を誇るオラニアンとて不揃いな双剣を弾かれてしまった。

 茶色い世界の中で鮮やかな〈鋼断剣〉(エクスカリバー)の魔力刃が煌めき、その後の連撃は怯んだオラニアンの胴に何発か直撃した。魔力が枯渇してきたため〈鋼断剣〉(エクスカリバー)を消した卿は再び無手で構えて距離を一〇ヤード程度離し、隙があればいつでも打撃で攻めようと考えていた。

「それが噂に名高い〈鋼断剣〉(エクスカリバー)か、ブリトン人?」

 オラニアンは初めて卿に言葉を投げ掛け、少し頭を前に傾けた体勢で直立しながらブリテンの王子を睨め付けた。

「そうだ、これこそが――待てよ、馬鹿な…」

 グレイはふと気が付いた――オラニアンはそのゆったりとしたベージュの衣服が少し切り裂かれた程度で、出血も大したものではない。未来のロボットや異星人の戦闘艦さえも切り裂いた聖剣の一撃ですらこの程度であろうとは、俄に信じられなかった。

 それ故モードレッドは驚きを隠せず、目の前のヨルバ人が攻防共に己以上の化け物であると考える他無かった。イレ=イフェの王オラニアンは原初の戦士にして、恐るべき強敵であろう。

 しかもナイジェリアの伝説的な王は何やら念じるような動作を見せ、すると彼の傷んだ衣服が時間を巻き戻すかのような調子で修復されていった。

 イサカのように階梯が上の実体を除けば、この少年はあの厄介なランスロットやガウェイン以来の強敵であると思われた。では仕方ない、少し手荒くやるだけの事。

「ならこれはどうだ!」

 モードレッドは右足で地面を思い切り踏んだ。凄まじい震撼は離れて戦うインドラジットやドンボにも届き、まるで大軍のごとく大量の矢を放つラークシャサの王子にも懸命に食い下がるジンバブエの覇王は一瞬足が止まった――とは言えインドラジットも同様であり、戦闘中とは思えない調子でモードレッドに抗議した。

 モードレッドの計算通り地面が彼を中心に直径三〇ヤード程度の円を(えが)いて剥離し、オラニアンはこれから不安定になると思われる足場から後転で後退った。長身の美少年が着地した時、同じく後退していた美しいブリテンの王子もまた剥がれた地面の端におり、彼はそれをぐっと持ち上げた。

 そしてそれを発泡スチロールのように持ち上げたモードレッドは、その巨大な岩と乾いた土とで形成されたぎざぎざの円盤を保持したまま空中へと飛び上がり、上空で静止した瞬間にそれをオラニアン目掛けて全力で投げた。

 命中する前に空中で徐々に回転したそれは狂ったスケール感のまま端ではなく面の部分を見せ始め、オラニアンに激突する直前には彼を面で押し潰す恰好となった。

 だが凄まじい轟音が鳴り響き、オラニアンは右手に持つ黄金剣で岩と乾いた土の円盤を粉々に粉砕し、その砕けた破片が耳を(つんざ)く騒音やぐらぐらという地震と共に飛び散った。

 砕けた円盤を見遣り、卿は着地すると地面を蹴ったり殴ったりしながら土や岩を弾丸のようにオラニアンの方へと飛ばした。オラニアンは首を傾けると防御すらせぬまま歩き始めた――彼の顔や胴にどしゃりと土がぶつかり、茶色い異位相の一〇フィートもある岩石が激突した。

 だが岩石はハンマーで叩いたように割れ、その噴煙の向こうからは無傷のナイジェリア王が己の調子を崩さぬままモードレッドに接近してきた。ゆっくりと、しかし確かな歩みは猛烈なプレッシャーを放ち、彼の長身を更に一〇フィートにまで巨大化させているかのようでさえあった。

「インドラジット、そろそろ掩護を頼みたい!」

「もう少し待て、余の矢が何かに妨害を受け続けている!」

 一体何が起こっているのだろうか? モードレッドはニューヨークの戦い以上に周りが見えなくなっていた。

 目の前で巌のごとく立ち塞がっている――そして徐々に接近して来ている――オラニアンのせいで状況判断ができず、リーダーらしい行動が取れていなかった。いや、そもそも先日の戦いでも途中から指揮が半ば放棄されていなかっただろうか?

 彼は頭を振り払って集中しようとしたが、その瞬間殺気を感じて咄嗟に防御態勢を取った。腕の鎧がダメージをある程度抑えてくれたが、常人であれば数百回死んでいたような斬撃であり、ほとんど怪物じみていた。

 神の血を引くだけあって大層美しい少年ではあったものの、望まぬ戦いを強いられているという怒りが皮肉にも激烈な殺意を放っていた。

 その威圧感に押し潰されぬよう戦うのは難しかったから、空中へとわざと吹き飛ばされた卿は一回転して態勢を整え、追撃のために飛び込んできた長身の少年王が振るった剣を躱しながら彼の躰を蹴り、それから地面へと落下して行った。

 背中から着地して行ったが腕を地に付けて後転し、膝立ちの態勢でざあっ(・・・)と滑りながら次の攻撃を待ち構えた。そろそろ手を変える時が来たのだ。

 一切の恐れを抱かぬまま猛然と空中へと急加速して跳び上がり、斜め上方から突撃して来たナイジェリア王の長身が徐々に茶色い空を塗り潰すのを眺めながら、モードレッド卿は無手のまま構えた。

 〈鋼断剣〉(エクスカリバー)でさえあまり効果の無い相手ではあったものの、かつて彼はソヴリンのロボットを打撃でスクラップに変えた事もあった。シールドを削り続け、そして未知の金属――現代人は知らない事だがソヴリンはHJ5合金と呼んでいた――で覆われたその堅牢な装甲を手刀で切断した。

 ならばやって見せようではないか。黄金剣の斬撃を素手でずらして回避し、右手を胴へと滑り込ませた。だが敵もそれを読んでおり、曲刀は卿の拳を逸らすようにして動いた。

 互いに攻撃を躱したが、卿はその一瞬で相手の持つ恐るべき技の一端を垣間見た。左手に握られたあの曲刀はショーテルのような意表を突く類だと思っていたものの、その実あれは受け流しや搦め捕りに使う事で真価を発揮する類のものであった。

 あの剣術は危険であり、もしもあれ以上の隙を見せていれば曲刀によってバランスを崩されたところで黄金剣の痛烈な斬撃が待ち受けていた事だろう。彼らはどちらともなく距離を取り、それから重苦しい間が流れた。

 耳を澄ませば茶色い空ではインドラジットが放つ数多の矢が何某かの妨害を受けており、ドンボにまで届く矢は彼に迎撃できる数でしかなかった。

 本来であれば既にインドラジットは激烈な毒矢やその他の凄まじい矢によってドンボを討ち果たしている頃であったから、モードレッドは一瞬だけインドラジットは本人が言う程の凄腕ではないのだろうかと疑ったが、すぐに後悔した。

 彼は本物の射手であり、インド最強の弓の腕を持つ彼が未だ討ち果たせぬなれば、妨害がかなりのものであると見るべきであろう。

「あなたが邪魔しているのか、ヨルバ人?」

「曖昧模糊、何の話か想像さえ及ばぬ」

「上でインドラジットの矢が…」

「先程は幾らか手を貸してはやったが、今は完全に貴様との戦いに専念している。嘘偽りなく言えば、あの喧しい破壊の担い手がどうなろうと大して心は痛まぬ」

 では一体誰が? 埒が明かない。場の流れから見てオラニアンが戦いを中断するのもあと数十秒程度、急がねばなるまい。

「我が父に手を貸す者よ、あの忌々しき怪物の虜囚よ、戦いの場に出てはどうだ? それともそれさえできない臆病者として風評を流してやろうか! どうした、さっさと出てこい! それとも我が父よ、貴様自らこそこそとちょっかいをかけているというのか?」

 モードレッドは朗々たる声でどこへともなくそう言い放ち、この茶色い位相のどこかに紛れるアーサー陣営の敵将を挑発した。昔ながらの戦士や騎士であれば引っ掛かるはずであった。そして実際に引っ掛かった。

「貴様の父だと? 知れた事か」

 オラニアンの背後でずるりと空間から這い出たる者達の姿をモードレッドは捉えた。黄金の焔がアラブ風の装束に身を包み、馬上で手綱を持ったまま威厳ある様を見せていた。

 モードレッドは服装から時代をある程度推測しようとして、どこかのカリフだろうかと考えた。そしてその傍らには濃密な破壊の香りを撒き散らす紫色の焔の王者がおり、そちらの男はどうしてもあのオドエイサーと関連があるとしか思えなかった。

 というのも不思議と雰囲気が似ており、しかしあのイタリア王以上に熟達し、より威厳があり、そして更なる破壊者であった。オドエイサーが本質的には間接的な破壊者だとすれば、この紫の焔は直接的な破壊に身を置く魔人だと思われた。

 堂々たる怪物じみた骨の黒馬に跨がり、手には生々しい肉腫じみた美しい剣が握られ、それは生きているかのように脈動していた。まさかあれは…。

「まあそう刺々しくなるな、アル=アッバース。今はあの忌まわしきブリテン王に従う身ではあるが、神は全て把握し、驚きもすまい。我らは変わらず我らであり、結果がどうであれ、信念を曲げねば然るべき結果が得られるであろうよ」と紫色の焔として顕現する男が言った。

「アッラーの美名にかけて、それは楽観が過ぎると思うがな。神の災いと呼ばれたお前ならそうやって常に堂々といられるのであろうが」

「何を言う、お前は俺が知る偉大なる建国者としてのお前のままだ。お前の信ずる神に対して常に服従し、誠実であり、そして今なお堂々とあるではないか」

 グレイは状況が悪いなと笑う他無かった。また厄介そうな敵だ。既に全ての戦闘は中断されており、彼らは距離を空けて二対四で対峙していた。

「聞いたか? どうやら神の災いことアッティラにアッバース朝の初代カリフらしいぞ。こっちはチャーチルでも呼び出すか?」

 卿の傍らへとやって来たセイロンの王子は呆れつつも真剣に答えた。

「貴公の冗談はあまり面白くないな。どれ、鳥に演劇でもさせるべきか」

 彼はそう言いつつもその美貌をぐっと引き締めて弓と矢とを手放さずに立っていた。

「何か手は?」

「余も〈授権〉(オーソライゼイション)を…」

「そいつが何なのか知らないがその間に我々は踏み潰されそうだが」

 そして実際のところ、敵はそれを実行してきた。

「高原の覇者よ、奴らの足止めを頼むぞ。私とアル=アッバースはさっさと〈授権〉(オーソライゼイション)を発動して奴らを片付ける、アーサーもさすがにそれは拒むまい」

 黒い骨馬に乗るアッティラはそう言うと己の剣をモードレッドとインドラジットに向けた。

「ふん、俺を小間使いとはな。では彼らを討ち滅ぼした後、俺と貴公で潰し合うか」

「面白いがそれはモードレッドとあの阿呆のアーサーを終わらせてからにしろ。それが終わればどこでも好きな場所を破壊するか、あるいはこの私と破壊で破壊を洗う死の舞踏を演じる事がよい」

 一方で卿は数的不利により焦り始めた。

〈授権〉(オーソライゼイション)だかリデンプションだか知らないが、私の知らない単語で勝手に話を進めるのはそろそろやめて欲しいんだがね」と卿は構えたまま、隣にいるランカ島の妖魔の王子に呟いた。

 今にも八〇ヤード先にて待機している彼らが襲い掛かって来るかも知れなかった。戦闘により遮蔽物となりそうな岩の隆起がほとんど破壊され、突き出た岩はそれらの虐殺に晒されて粉々に砕けていた。

 更地になりつつあるこの場は徹底的な爆撃を受けたかのごとき地獄絵図であり、このゲームの参加者達がいかに尋常ならざる者どもであるかを物語っていた。

「かくなる上は…貴公には余と共に機動して時間を稼いでもらい、余はその間に詠唱を終わらせようぞ。それからであれば逃走も可能のはず」

「だからそのアナイアレイションだかインドクトリネイションだかは一体何なんだ」と愚痴りながらも卿はインドラジットと共に逃げる準備をした。

 だがその瞬間、背後から複数の黄金に輝く光条が放たれ、アーサー陣営の連中は轟々という爆炎に包まれた。少なくともこれから詠唱しようという試みは一時的には妨害できただろう。

 両者が同時に背後を振り向くと、破壊の爪跡が残る茶色い曠野に全身を様々な動物の毛皮を加工した衣服で覆った裸足の男が立っていた。

 背はモードレッドやインドラジット達程は高くないものの、一方でほっそりとした顔のオラニアンと比較すると顔の幅が広く、頭頂は逆三角形、目そのものは穏やかなナイジェリアの伝説的な王と比べれば微かに釣り上がり気味の細く力強い目。

 それを更に強調する内から外向けて釣り上がっている少し太い眉。体格はがっしりとしており、それでいて相当な美貌であった。

「国が朽ち、己の名さえも忘れたが、それでも私が私である事には変わりない」

 その美しい黒人の青年はそのように言い放ち、そして彼の周囲には多様な物体が浮遊していた。それらはアフリカだけでなく様々な国や地域に由来する物品と思われ、そして彼は己の名を忘れたと称するも堂々と宣言した。

「私は後にグレート・ジンバブエと呼ばれし偉大なる王国に君臨した者、農民が大地を転々とするがごとく次々と勃興しては消えていった石の家(ジンバブエ)の中でも最も偉大であった国家の王、それ以上でもそれ以下でもない。モードレッドよ、私は君の傘下に入る事を誓う」

 最初はよかったがすぐに失速した先月。今のところアラサーの清姫さんへの考察+ZBBのEDM風カントリーでやる気の低下を凌いでいる。

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