表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/32

第八話 all Fとは

「理解いただけましたかな?それでは魔法の講座に移ろうと思いますが…ゴロウ様以外は城前の広場へと行きましょう。使用人に案内させます。ゴロウ様はこちらへ。」


「へっ?…あ、はい」


なんで残されたんだろう…魔力が少なくてもできるコツとか?


「えー、あなた様はここで読書に励んで貰いたいのですが」


は…?


「え、あの、僕の訓練は…」


「おそらくあなた様には無理かと、では」


スタスタとイェーガーさんは広場へと歩いていった。




は…ははは。

遠回しに役立たず宣言された…。

読書してどうしろと…、なにもすんなですか、はい。


「仕方ないかぁ…危険がなくなったと思えば得か」


ちょっと愚痴りながら図書館を練り歩く。


お、魔法書かなこれ。

翻訳魔法効いてるみたいで読める。


"攻撃魔法の初歩


まず精神力がD必要です。"


僕は魔法書を閉じた。


なにも見えないなにも見えない。


お、神聖魔法か、これなら信仰心でいけないかな?


"神聖魔法の初歩


まず神への祈祷を20年します"


僕は魔法書を閉じた。


20年ってどんだけだよ!リアルに重いよ!


あー、もう生活魔法でいいか。


"5歳児にもできる生活魔法の初歩


まず精神力がE 僕は魔法書を閉じた。


どゆこと?!僕は5歳児に精神面で劣るの?!

おかしいよこんなのっ!

僕に使える魔法はないのか!


ん?なんだろこの魔法書、やけに薄いな、題名は…?

"禁呪 時空魔法 ディメンションヒール"?一種類しか書いてないのかな?


"禁呪 時空魔法 ディメンションヒールについて

ディメンションヒールは自分が生きるはずの時、つまり寿命を利用して対象の傷の時間を完治後に早送りする魔法である。


魔力や精神力がなくとも使える。"


お、おおっ!?


"しかしこれまでの事例では長命種である亜人のエルフが500年強の寿命をささげて使用した例しかない、ちなみに満身創痍の状態で魔法を掛けられたエルフが発動後は顔についた掠り傷が消えたという例しかない。

燃費の恐ろしく悪い魔法である"


期待した僕が馬鹿だった…とんだ不良魔法だよ…使えたとしても掠り傷のために寿命は使いたくない。


『パンパカパー!』


うわっ?!ファンファーレ?!なにいきなり!


『素質ありの魔法を学習したためスキル 魔法 "ディメンションヒール"を獲得しました』


脳内アナウンスが響いた。

スキル覚えたらこうなんの?

てか使いたくないって言ったでしょう今!

僕がエルフより長生きだとしても掠り傷+打撲くらいで死ねる気がするよ…


この後は勇者の冒険譚とか読んで時間を潰しといた。




しばらくすると使用人が来て広場にくるよう言われたので案内を頼んだ。


おー、みんなー、ってなんかみんな火だしたり水やら出してるよぉ…魔法ばっちしになってるよぉ。


「おっ、ゴロウおじいちゃん来た!みてみてこれ!魔法使えんだぜ魔法!」


「あーあーよかったねぇ」


なんで透は的確に人の神経を逆なでするんだろうか。

ぶん殴りたい。


「えー、では魔法の訓練は終了します。みな様反復練習をしますよう。魔法は使うほど精度があがりますから。では、私はこれで、次はアラン様がみな様に剣術を指導いたします」


イェーガーさんが城内に入っていった。

するとすぐにアランさんが入れ違いに広場に出て来た。


「今朝もいったと思うが騎士のアランである、勇者殿達には剣術について指導するのである」


アランさんイケメンなのにしゃべり方残念だよなぁ。


「まず剣術を覚えるには力がD以上必要なのである。力がEの勇者殿は挙手するのである」


魔法特化の黒川さんともう1名くらいが手を上げる。


あれ?Fは?この後かな。


「ふむ、その二名は魔法特化であるか?」


二人が首肯する。


「ふむ、ならば二人には杖術である。杖術ならば力はさほどいらない上魔法師に必須な守が上がるのである」


へぇ、武器によっては色んな効果があるんだ。


「では剣術はこちらへ、杖術は杖術使いの私の部下があっちにいるのでそちらへいくのである。解散である!」


えっ、ちょっ、まっ


「あ、あのっ、僕は?!」


「あぁ、そこらで走っているであるよ」


ぞんざいだな?!


「え、あの、僕にもできるようなものはないのですか?!」


「二歳児に武器は持たせないである、では」


アランさんが颯爽と去って行った。


てかFって二歳児レベルなの…?

僕そんな力ないっけ…?


泣きそうになりながら城の周りを走った。

最近毎回泣きそうになってる気がする…。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ