第一話 召喚
「ん、、う、、、?」
頭がぼんやりする、なんでうつ伏せなんだ僕は?あ、たしか教室に押し込まれて、こけて、やばってなって、床が光って、うーん?
床が光って??
てかこれ教室の床じゃなくね?!
顔を慌てて上げると、みんな一様に床に伏せて呻いていた。
「あー、、?どこだよここ、?」
透が顔をあげてキョロついている。
やっぱりここ教室じゃない、なんか荘厳、っていうか、なんていうか、床も大理石だし、場違いな気がする僕。
みんなも異常を察知してざわめきだす。
肩をだれかに叩かれる。
「ゴロウくん、あれチロルちゃんじゃない?」
「え??チロル??」
なんでチロルが?あ、ほんとだ床の端のほうでのびてる。
ちょっ!大丈夫かねわいのチロルちゃんは!
「チロル!大丈夫か!」
「アウ」
「よかった大丈夫かよちよち」
あーチロルたんよかった僕のチロルたん、なんでこの場にいるかはさて置きチロルたんなでなでふがふが。
「ム○ゴロウおじいちゃんがでた、、」
「よくこの状況で愛でれるなゴロウおじいちゃん、、」
「流石おじいちゃん順応はやい、、」
「チロルちゃんかわえぇ」
おじいちゃんおじいちゃんうるさいな、あとチロルは僕だけのだ誰にも渡さん。
「おい、みんなこの状況どう思う」
クラスのリーダー的存在 星野 空が起き上がって発言する。ちなみにこのイケメンは頭脳明晰文武両道の歩くジェラシー製造機だ、しかも鈍感。
「どうもなにも意味がわからないわ、、」
彼女はこれまた頭脳明晰文武両道の大和撫子の 黒川 麗華だ、キラキラネーム多いな。
僕?ギャグだろ。
「異世界召喚にちがいないよデュフフフ」
このオタクはオタクだ、名前忘れた、みんなオタクとしか呼ばないし。
「そうですなぁロマンですなぁブフフ」
このキモオタはキモオタだ、名前忘れた、みんなキモオタとしかry
あとは全員がまたがやがやと意見を囃し立てる。
「うん、つまりなにもわからないと」
空くんが纏める。うん、なにも進展ないね?
「おーい!こっちに扉があるよぉ!!」
青木さんが言う。 あれ?青木さんどこ?
「ちょっと向日葵っ?!いつの間に下に!」
黒川さんが言う。ってかこの大理石は台座みたいになってんだね、2mくらい下に床があった。あ、階段がある。
「んー?向こうから人がくるみたいだよぉ?」
「ちょっ!危ないから扉から離れなさいよ!」
青木さん抜けてるし素で扉が顔にバーン!とかしそうだしねぇ。
「向日葵っ!こっちへ!」
空くんが向日葵さんの手を引いて離れる。あ、ちなみに黒川さんと青木さんは空くんと幼馴染らしい。リア充爆発しろ。チロルがいるからうらやましくないけど。
そんなこんなで扉の向こうに人が来たらしい気配がして扉が開いた。
慌ただしく入ってきたのは厳めしいおにいさんがた、、ではなくローブ姿に豪奢な杖を携えた魔法使いちっくな方々だった。
「よくぞ応じてくださいました勇者様!、、、方?」
一人のローブが高らかに発言した後に首をかしげた。
「あれっ、おかしいな、勇者様がいっぱい?」
顎あたりに手をあててブツクサ言ってるローブの人、手違いかなんかかな?
「いま勇者とか言わなかったか?」
透が僕に問いかける。今チロルの手触りが気持ちよくて忙しいんだからちょっと待ってよ、、よし、
「言ったねぇ」
「反応うっすいなお前、異常より癒しかよ、、、」
失礼な!動物愛護はなににも勝るんだぞ!
「てかさ、これあれじゃね?異世界召喚ってやつ、今流行りの」
「いや、流行ってるのは小説とかでしょ、新しいアトラクションみたいに言わないでよ」
オタク達もそう判断したらしく「ktkr」とか「ケモミミhshs」とか言ってる。
獣人なんかけしからんね、全身モフモフじゃなきゃだめだよ。チロルたんかわえぇよチロルたん。
そんな感じでざわついた後に再起したローブさんがまた高らかに発言した。
「勇者様方!われらディオン王国の為に魔王討伐をお願いしたい!」
どうやらやはり異世界のようです。