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第七話『あの娘の名前』

リアルで私の人生の重要なイベント終了です。

\(^o^)/オワタ?

「到着っと……」


村に許可書をとるために戻ってきた私だったが、案の定村は静かだった。

子供たちが外に出て遊んでいるという、少しだけ予想外な部分はあるものの、村長の家もとい、私の寝泊まりしていた家にはすんなりと侵入することができた。

村長(フォッテリア)の部屋に入ったのは良いもののどこに許可書があるのかが分からない。


「フェリア?」


声がしたので、振り向くと庭の方から窓越しにミーナが不安げな目でこちらを見つめていた。


「ミーナ、どうしたの?」


ミーナは賢い。

盗賊として駆り出されたから心配なのだろう。

だが、そんな想像はミーナの言葉によって打ち消されることになった。


「お父さんとお母さんが気を失ってて起きてくれないの。他の皆はそのままにしてるみたいなんだけど……」


なんだと?

村の大人が全員気を失っているだと!?

いったい誰がそんなことを……。あいつか。フォルテリアか。

というか、もしかして罠に嵌められたか?

あいつなら私がここに来ることを見越していたのかもしれない。だから村の大人を無力化して、力なき子供はそのままなのだろう。

試しに外をみる。

うぅ……、フォルテリアの私兵っぽいのが凄い沢山いる……。

もし罠があるとすれば、ここにはなにも無いということか。


「ミーナ、あなたは魔術か何かを駆使してここから逃げて」

「え?あぁ、うん。わ、わかった」


さて、私は出来る限り上に行こうっと。

家のあちこちに魔法で罠を仕掛けつつ最上階の奥の部屋へ向かった。

奥の部屋にたどり着いてからしばらくたって、家中に扉を勢いよく開ける音が響いた。

それから、フォルテリアの私兵っぽい奴の悲鳴や怒号と同時に魔法の罠の地獄が火蓋を切った。

そんな悲鳴や怒号をBGMにしつつこの家から安全に抜ける方法を探す。

しかも私は許可書も得なければならないのだ。


「さて、どうしたものか」


窓を開けて、取り敢えず窓から闇魔術で盗賊を狙い射って片っ端から片付けていく。

こっちに飛んでくる魔法も片っ端から闇魔術等で相殺していく。


「くそぅ!」

「射ち返せ!」

「ダメだ!相殺される!」


ふん、無能どもめ。

よしあいつらに条件付きで命を奪わないでおいてやるか。


「森にはいる許可書を置いて退いていけば命をとらないでやる!」


大きな声を出したので喉が痛くなったが、何とか聞こえてくれたようだ。


「わ、分かった!退くぞ、お前ら!」


リーダーっぽいのが声を張り上げると盗賊どもは退いていった。持っていた許可書を置いて。

どんだけ臆病なんだよ。

……いや、これもやつらの作戦の内やもしれん。

だが、


「取り敢えず、作戦成功」


盗賊は盗賊でも所詮生き物だ

命あっての物種とも言うからな。

やっぱり一番命が大事だもんな。

さてと、フォッツのもとまで向かうか。







うーむ、大変だな。

全員気を失っている。


「全部あなたがやったの?」

「はい、ご主人様に誉めてもらいたいですから!」


ふーん、ご主人様ねー。

こんなに可愛いくて物凄く強い亜人を飼いならすやつ恐るべし。いやー恐ろしい。


「えへへ」


……あ、撫でてしまってた。

私はこの娘のご主人様とやらにバレたら殺されるんじゃないかな。うん。

と、思ったので撫でるのをやめると不思議そうな顔で見上げて来た。


「どうしたんですか?」

「……それより、なんかリーダーっぽいやつは居なかった?」


さっきから気になってはいたが、フォルテリアが見当たらない。


「あの、色々と侮辱してきた阿呆のことですか?」

「え、まあ」

「残念ですがそいつには逃げられてしまいました」

「そう……」


逃げ足が速いのだろうか。うーむ、困ったものだ。

また狙われる可能性が浮上してくるな。


「じゃあ、森のなかは慎重にいきましょう」

「森なんてはやく抜ければいいじゃないか。どうして慎重に行くんだ?」

「念のためよ。森を素早く抜けるなんて私の体力が持たないしね」

「では、私が運ぶと言うのはどうでしょうか?」


なに……!?

凄く魅力的な提案だが、そんなことをすればこの娘のご主人様に殺されてしまうな。

というかこの娘のご主人様って誰だ?

今度の機会に聞くいてみるとするか。


「それは却下の方針でお願いします」

「そうですか……」


アレ?

悲しそう。

どうしたんだ?


「えーっと、普通に歩いていきましょう!」

「はい!」

「ふぁ……」


一人は可愛く微笑み、もう一人は可愛げ無く欠伸をする。

……あ、この娘の名前聞いてない。







じめじめとした森を進むと、案の定罠が至るところに張り巡らされていた。

大抵あのケモミミっ娘が取り除いたりしてくれるが、時々処理に失敗したり気付かなかったりする。

が、可愛いから許す。

ちなみに名前はまだ聞いてない。

聞き出すタイミングが掴めないのだ。

なので思いきって聞くことにしてみた。


「そう言えばさ、あなたの名前って何て言うの?」

「アレ、言ってませんでしたっけ?」

「聞いてないけど」


何時言ったというのだ。

聞いてない。


「えーと、俺はフェリアが許可書を取りに行ってるときに聞いたぞ。確か、名前は――」


フォッツが名前を言う前にケモミミっ娘が声を被せた。


「――私の名前は稲光(イナミツ)です。ご主人(レイナード)様」

「え……?」


うそ、だろ?

身元がバレている。


「本当に、稲光なの?」


初めて思った。

……知能の高いペットって怖い。


主人公は考えていることが失礼ですね。


Name:稲光(イナミツ)・ヴァルロッサ

Sex:♀

Class:魔獣(金毛善孤)

Main Job:魔獣

Sub Job:ナイト

States:正常

Level:348


HP:467078/467078

MP:3678/3678

ATK:1308

DEF:1655

INT:879

WIS:1922

AGI:1226

LUK:412


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