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第五話『旧友』

お久し振りです。

受験です。

近いです。

ヤバイデス。

「ははっ。こんな子まで知っていらっしゃるか。私も有名になったものだ」

「……」



……ねーよ。

だって、目の前にいる奴リア友なんだけど。

うん、中学の頃からずっとネットでの大親友だしー、オフ会とかよくやる仲だったし。



「む、私の顔になにか付いてるか?」

「いや、絶対もう分かってるよね」


キャラ作ってるな、こいつは。


「あぁ、だって俺のほうに新しいアバターの画像送ってきたもんな。だが、こんな事態に巻き込まれたのは御愁傷様だったねぇ」


あ、いつもの調子に戻った。


「……お前もな」

「それにしてもお前、そんな弱そうな装備に身を包んでどうしたんだ?」

「あぁ、お前には話しておくべきかな……」


私はグランダーに事の顛末を話すことにした。


「ふむ、アラカルトを単独で狩っている真っ最中に発生しんだー」

「うん、そのせいで常時能力を大きく削ってくる四霊封印っていう状態異常にかかったみたいだし」

「四霊封印ねー。聞いたことないな」

「記憶も数年間失っていたらしいし」

「道理で事件発生直後に王都デアマルドに戻らないわけだ」


色々と二人で話していると、人がここにやって来た。


「団長、どこに行ってるんですか!」

「ねえグランダー、こいつらは?」

「あぁ、こいつらは――」

「なぁ!?」


後からやって来た女にグランダーは言葉を遮られた。


「アールマン様は我々『暗殺者(アサシン)』ギルドの団長なのだぞ!?その御方を呼び捨てにするとは何事だ!さらに我々をこいつら扱いか!?」


……たまにいるよね、こういう奴。

それは置いといてだ。グランダーは女を宥める。


「レフィンちゃん、落ち着いて、ね?」

「ですが団長、この小娘が呼び捨てにしたのですよ!?」


……宥めるの無理じゃね?


「我慢なりません、私と決闘です!」


はぁ?

こいつなに言ってんの?


「いや無理です。秒速で負けます」


暗殺者(アサシン)は基本的に速いから絶対負けるんだっての。やってられないって。


「えっと、この娘は俺の親友だから問題ないって。呪いに掛かって色々とあったんだ」


おいおい、そんな説明で良いのか?

呪いって、おい……。


「呪い……。ですが……」

「別に問題ないと私は言っている。聞こえないのか?」

「……」

「グランダー、私は知り合いのところまで行かなきゃいけないから。じゃあ」

「あぁ、分かった。気を付けろよ?」

「うん、分かってる。グランダーも気を付けてね」

「うむ、了解だ」


いやー、リアルの友人に会えてよかったーっと。推測だけど、私と同じようなことが(プレイヤー)にあっていたみたいだ。

さて、あの二人はどこにいるかな。

結構流されたからな。

と、そんな感じで探し回ると、


「だれかー!」

「た、助けてぇ~!」


危機的状況の様です。カマキリがうじゃうじゃといる。気持ち悪い……。

私は即座に詠唱を済ませて魔法を具現化させる。


「バーンフレア」


範囲攻撃だけど多分フォッツ達には当たらないだろう。自分を信じよう。


「「「キシャァァァァァァ!?」」」


うん、我ながらカンペキ。カマキリが一瞬で炭素になるのは爽快だね。


「助かった……?」

「威力高……」

「ゴメンね、流石にあのキメラとまともに戦えば確実に死んじゃうから、流させてもらったよ」

「お、俺は別にいいけどよぉ……」

「ねえフェリア、あなたって何者なの?」

「んーとね、そこら辺にいる魔法使いみたいな感じかな。実は記憶が戻ったんだー。これは皆に秘密だよ?」

「フェリア、本当か!良かったなぁ!」


フォッツが感激している。

するとミーナが口を開いた。


「と言うことは、魔法に関しても?」

「へ?ま、まあ覚えてる範囲でなら」

「じゃ、じゃあさ、知ってる魔法教えてくれない?」


ふーん、そう言うことか。


「私でよければ良いよ?」

「いいの!?」

「フェリア、ありがとう!」


……ミーナと仲良くなれたな。

まあ、これでわだかまりも解消できてればいいんだけどね。


「さぁて、色々あって疲れたし帰ろうぜ?」

「賛成ー」

「うん、分かった」


ということで仲良く帰ることになった。ついでに、森で起こったことを口外しないという約束を帰り道でしてもらった


村につくと皆即行で解散し、家に帰っていった。

フォッツとは家が同じなので一緒に帰ることとなる。

が、家に着けば疲れがドット押し寄せてきて、ベッドに倒れるや否や眠りについてしまった。







夢を見た。


幼い俺が死んだはずの両親と砂浜に来ているのだ。

……こういうのっていいな、こんな時間が永久に続けばいいのに。


だが、しばらくたって異変が始まった。


海から急に龍が出てきて両親を掴みとり、口に持っていく。

急な展開に呆然としていた俺だが、ようやく状況を飲み込み叫ぶ。


「や、やめろっ!」


気付けば私の姿はゲームでのアバター、フェリアに変化していた。


「間に合えっ!」


急いで龍の手元まで向かうが、時既に遅し、両親は龍の口に吸い込まれて――、


――バクンッ。


後少しで、後五メートルくらいのところで私の頭のなかは絶望で埋め尽くされた。


「う、うあぁぁぁあぁぁあぁああぁぁあぁぁぁああぁぁぁぁぁ!?」


自分のとも思えないような声で私は叫んだ。そんな状況で何も考えることができなくなる。


気が付けば龍の巨大な牙が見える。私は抵抗もせず、ただ呆然としている。

そのまま、龍の口の中に押し込まれて――、


――バクンッ。


痛みは無かった。

ただ、脆くも私の身体は引き裂かれ、中身のものがぶち撒かれる感覚が残っていた。







「――リア、――――ろ!」


私の耳に大きく響く声。

うるさいなぁ、もう少しぐらい寝かせてよ……。

だが、私の願いも空しく、


「フェリア、朝だってば!」

「後三分寝かせて……」

「親父が呼んでるんだ、早く起きろ!」


えぇ~。

面倒だなぁ。でも行かなきゃダメかぁ。

渋々私はベッドから這いずり出て、部屋からフォッツを追い出して着替えを済ませる。

しかし何の用だろうか。

部屋を出ると、案の定フォッツが足踏みしており、


「何してるの?」

「うるさいなぁ、無意識にやっちゃうんだよ。仕方ないだろ?」

「そっかー」

「でも、親父が呼び出し入れるなんてなぁ……。珍しい事この上ないっての」

「へー、そうなんだ」


フォッツは父親の部屋のドアをノックをして言った。


「親父、フェリアを連れてきたぜ」


そう言われてフォッツによって部屋に押し込まれる。

部屋のドアが閉められるとフォッツの父親、フォルテリスが口を開いた。


「フェリアちゃんか。君に折り入って用事があるんだ。」

「は、はあ……」

「森で起こったことを具体的に話してくれないか?」


え?

いや、ダメでしょ。

え?

ダメだよね?

え!?

どう切り抜けるべきなの!?だい

今後も遅れるかもです。ハイ。

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