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第三話『え?私の魔法攻撃力ヤバすぎ?』




「ん……」

「フェリア、大丈夫か?」


目の前には確かフォッティスとか言う少年がいる。

そういえば、意識を失ったんだっけ。


「でも驚いたよ。魔物の襲撃の際にあんな魔法を使うなんて」


取り敢えず私の状況を少年(フォッツ)から聞くことにした。


「ねえ、私とどこで知り合ったの?」

「え? えっと、確か父さんが滅龍の渓谷から戻ってきた時かな。覚えてないの?」


滅龍の渓谷!?

私が最後にアラカルトと戦ったあそこから連れてこられたのか。

ぼんやりとなら思い出すことができる。恐らく、アラカルトによって大幅に能力値が下がって衰弱している私をフォッティスのお父さんが連れてきたのだろう。

試しにステータス画面:レイナード・ヴァルロッサ

Sex:♀

Class:人間(ヒューマン)

Main Job:村娘

Sub Job:ジョブマスター

States:四霊封印

――解放済み――

『魔法』(地、闇)

Level:397

HP:86480/86480

MP:237592/237592

ATK:890 ー 697

DEF:923 ー 787

INT:2899

WIS:2137

AGI:568 ー 411

LUK:2324 ー 2254


パッと見て、能力が大幅にマイナスされているのが分かる。メインジョブの村娘って一体なんなんだよ。

……枷の解放状況もここに載っているようだな。

ジョブマスター? これは一体なんだ?

まあいい、取り敢えず名前の項目をレイナードからフェリアに変えておくか。


「ねえ、私が見つかって何年経った?」


名前を変えて、最も気になっている疑問をぶつける。


「えーっと、5年くらいかなぁ」


5年、だと……!?

驚きを隠せていない俺を余所に、ドアが勢いよく開いた。


「フォッツなにやってるの? 今日レベル上げをするんでしょう?」

「おー、ミーナか!」

「……フォッツ、その子誰?」

「えーっと、結構前から俺んちに泊まってる奴で、父さんが連れてきたんだ。言って無かったけ?」

「初耳よ!」

「ま、妹みたいなもんだが」


二人の漫才中に驚きから立ち直った私はその様子を見て思った。

この二人は結構良いコンビだな。と。


「あのーミーナさん。レベルはどのくらいでしょうか」


おお! 重度のコミュニティ障害を持っていた私が女性に話せた!


「私のレベルは17ね。貴女は?」


ぬお、逆にレベルを聞かれるとは思わなかったな。ならば今のレベルを100分の1に

して小数第一位を四捨五入して……。


「4くらい……?」

「ふーん、一緒にレベル上げ行く?」

「良いんですか?」


……私のINT(魔法攻撃力)WIS(魔法防御力)がヤバイんだが……。恐らく初級魔法を放っても雑魚いボスが即死するレベルだろう。MPも異常なくらいあるから初級魔法ならば無尽蔵に連発できる。


「ああ、ミーナが後衛で俺が前衛だしな。 後衛が増えてくれればこっちも楽できるしな」

「ありがとう」

「じゃあ、行こうか。とっくに許可も頂いてるから」


ミーナはそう言って、私にB5サイズの紙を見せてくる。

小財包としての記憶が戻る前のフェリアとしての記憶があるのでこの世界の文字はなんなく読めるみたいだ。

ダンジョンの通行手形みたいなものだろう。多分。


「皆、早く行こうぜ!」

「はいはい、分かってるって」


これからは楽しい異世界ライフになりそうだ。

そう考えると自然と笑みが溢れてきたが、それに気づいてグッとこらえた(こらえなくても良いのだろうが、何となく)。



Name:フォッティス・ヴァレン

Sex:♂

Class:人間(ヒューマン)

Main Job:戦士

Sub Job:無し

States:正常

Level:16

HP:3442/3442

MP:121/121

ATK:215

DEF:221

INT:120

WIS:96

AGI:135

LUK:121

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