もう一度恋の予感(五百文字お題小説)PART3
お借りしたお題は「自転車」「予防接種」「ストレス」です。
松子は自転車で予防接種を受けに行った総合病院でイケメンの長谷川さんに再会した。
大きな衝撃を受けた松子は帰り道、飛び出した子供を避けようとして乗用車と自転車ごと接触し、転倒して救急車で運ばれた。
「○○総合病院だけはやめて」
松子は意識がない中、救急隊員にうわ言のように言い続けた。
別の病院に搬送された松子はもっと衝撃を受ける。
看護師が恋敵と目される萌だったのだ。
「いつもお世話になります」
店長が看護師に挨拶した。すると、
「どちら様ですか?」
店長は苦笑いして、
「お惚けはなしですよ。唐揚げ屋の店長の山崎ですって」
しかし看護師は、
「私は唐揚げが好きではないので、お店に行った事はないと思います」
テキパキと検温をすませると、会釈して出て行った。
「他人の空似か」
店長はヘラヘラして呟いた。
(他人の空似にしては似過ぎよ。あの性悪女、惚けてるんだわ)
松子は灰色の脳細胞をフル回転させて萌の野望を推理した。
(何が目的かしら? まさか、私を殺すつもり?)
二時間サスペンスの見過ぎの松子である。
「多恵ちゃん、ちょっと」
その後、他の看護師が彼女を呼び止めるのを見かけた。
(やっぱり他人の空似?)
再びストレスを感じる松子だった。
まだ続きます。