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会話はキャッチボールだよ。

「ふふふっ…生きるというのは痛みを伴うことなんですね…今わたし哲学してます!!…イチチチッッ」


足がつっただけで哲学できるっていいですねぇ~。

もう投げやりです。

奇怪な姿勢をやや崩し、ようやく痛みが治まってきた様子の自称妖怪。


「ああ、痛みとは甘美なる果実!!」


…いい加減黙ってほしい。


「ととと、それにしてもあるじさん突然コタツひっくり返すなんてあんまりなんじゃないですか?仮に私が普段通りリラックスしてたら下半身全裸でしたよ…まったく人が自分の城でくつろいでるっていうのに…」


ああ、もういいわ。聞き流そう。特に下半身全裸とかおかしな単語は…もういいよ。


「…あれ?突っ込んでくれない?おかしいな…呆れられました?さすがに…」


黙っているボクを前に焦った様子のこたつさん。

もうその手にはのせられないってばよ…。


「ねぇ、あの、ゴメンナサイ。もう一回しっかり謝りますし、しばらく黙りますから、ナチュラルに無視はやめてください…。空気みたいな扱いはやめて…」


「なんでさ、あなたはそんなに無視されることを嫌がるのかなぁ…?」


ボクがぼそりと放った言葉に、彼女は目ざとく反応する。


「だって、わたしは『妖怪』ですから。人間に『うわっ!!妖怪だっ!!』って言ってもらって初めて存在できるものですから、人間のあなたに無視されてしまったら、わたしはわたしでいられなくなっちゃうんですよ。それって怖くないですか?」


「…だからやたらと自己主張してみたり、わけのわからんこと言ってかまってちゃんアピールしてみたり、こたつの中に足がないなんて古典的妖怪チックな状態を演出してみたり、はてはエロワード乱発して20代前半男性の興味を引こうとしてみたりしてたわけ?」


「…はい」


か細い声。そして肯定。

わかったこと。この妖怪はかまってちゃん。

そしてもう一つわかったこと。


「こたつさん…だっけ?君さ」


「はい?」


「君は会話ができるようになったほうがいいよ?」


「…えっ」


「君が話す分には楽しいかもしれない。自分の持っている雑学を話すにしても、自分の好きなスイーツについて話すにしても、話してる君は楽しいと思う」


「はい」


「でもさ、会話っていうのは聞き手がいてくれて初めて広がっていって楽しくなるものなんだよね。君が一方的に話してたんじゃ、ボクも聞く気にならないし、話も広がらない」


「…はい」


「君は自分のことばかり話しすぎ。もっと人の話を聞くべきで、自分の話したいと思うことを自重できるようになるべきだと思う。以上がボクの君に対する感想」


ようやく言いたいことが言えた。


「と、いうことは」


「?」


「あるじ殿はわたしに、ゆっくり一緒におしゃべりでもしよう、と言ってくれているのですか!?」




…うわぁ、あんまりきちんと伝わってない。

どういえばわかってもらえるんでしょうね?

これも知恵袋に質問すれば誰か答えてくれますかね?


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