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答えが気になったときは真っ先に解答を見てしまう派です。

さて、さて、さて…どうしたもんかこれは。

こたつの対岸に人がいるのにその足がないとはこれいかに。

向こう側にいる自称妖怪が何かタネを隠していることは、態度を見るだに明白。


わからないことがあったとき、いろんな行動パターンに出る人がいる。

パターンその一はまず何らかの媒体で情報を索引し、自分なりの解答を得る人。

ボクもこのタイプの人間だが、索引しようにも索引する手だてがないのでは仕方ない。


パターンその二は、とりあえず思考、考察、推理を繰り返すパターン。

しかし、目の前の人間の持っているタネとは、これまでの会話からまともなものとは思われず、思考するだけ無駄と考えられた。


それではパターンその三。

さっさと解答を見る。




「だりゃぁっ!!!」


奇声をあげてこたつをひっくり返したボク。


「…はにゅちゅん!?」


意味不明な言葉を発して唖然とした表情の向かい側の人物。




ほとんどものが上がっていないコタツだったが、ひっくり返せば当然部屋は荒れるが、この際それはどうでもよかった。さっさと目の前の人の謎かけを済ませて休みたかった。


意表を突かねば奇襲にならぬ。

故に何も考えず、コタツをひっくり返した。

そして、まさかの解答にがくぜんとする。


目の前では先ほどのきれいな直角の敬礼をまるでトレースしたかのように、膝で直角に足が曲がっており、真上から見るとすらりとした足がコの字を描くように座っていたのだ!!


いや、ちょっと待て、ずっとこの状態で座ってたのか?

確かにこの状態で座ってれば対岸に座っている限り足は当たらないだろうけども、いろいろとこれはどうなんだ?ミステリーの解答にしては脆弱、コメディーの笑いにしてはシュールすぎる!!


お互いしばし呆然。いろんな意味で。


「ひゃわわっ!!私のコタツが!!」


彼女は我に返ると、コタツに向かって動こうとするべく立ち上がろうとする。


「…ひっ!!」


瞬間彼女の動きが左足は膝立ち、右足は地面に向かってコの字のままという、非常に中途半端な姿勢で固まる。

ボクには、いや、ボクじゃなくても、今彼女がどのような状態にあるのかわかるだろう。


「…あ、足がつりましたっ!!」


予想通りの解答とともに、彼女は奇怪な姿勢のまま痛みに悶えた。
















彼女が痛みに悶えている間に、ボクは死んだような目でパソコンを起動し、ヤホー知恵袋に質問を投稿する。


Q.家に帰ったらこたつの中に見知らぬ女性がおり、その女性が妖怪こたつさんであると名乗り、この家に居座ると言って聞かないのですが、どうすれば穏便に出ていってもらえるでしょうか?


誰でもいいから教えてほしかった。




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