散りゆくもの
すんません。かなり適当です。
話し等変な場所がございましたら連絡をください。
友達のリクエストに沿って書いているので途中、
おかしい場所もあるかと存じますが、
どうか暖かい目でお読みください。
この世には人の形をした人ではないものがいる。彼らは昼は普通に人間として生活をしているが、夜になると人ならざるものへと変化する。
それは、吸血鬼。人の生き血を啜る化け物。この世にはそんなものが実際に存在するのだ。
ヴァンパイアの好物は、トマトジュース。そして、もちろん、人の血だ。吸血鬼に会ったら逆らってはいけない。ヴァンパイアを倒せるのはそれ専門の人たちだけだ。
下手に逆らうと残虐的な手法で殺されてしまうから。
「ヴァンパイアってそこまでひどくないんですけど」
そう呟くのは某国某県、某都市に住む一人の社会人、岩永香奈子だ。実は、彼女は噂のヴァンパイアである。
「お腹すいたー」
彼女はそう呟いて、辺りを見回す。ターゲットを探しているのだろうか。そうすると、後ろから何か声がかけられた。
「勝手に餓死しとけ」
「え!?それひどいですよ!!」
それを言ったのは彼女の上司である。うん、哀れだネ☆ちなみに、この上司もヴァンパイアである。
彼女たちは普段会社を経営して生計を立てている。もちろん、顧客の中に彼女たちがヴァンパイアだと知っているものはいない。いたら大問題になるからだ。
世の中にヴァンパイアが生息していることがばれたら、即、ヴァンパイア殺しがやってくる。そうなったら会社の経営なんて出来るわけが無い。だから、彼女たちは必死で隠しているのだ。
とここで、会社の入り口のドアが開かれる。其処にいたのは……………。
「見つけたぞ!ヴァンパイア!大人しく俺に殺されろ」
ヴァンパイア殺し登場☆さ、存分に殺されてください♪っていうか、お前らそんな簡単には死なないだろ♪
え?何だって?鬼畜過ぎるって?知るか。鬼畜上等。悪魔上等。いいから大人しく殺されやがれ☆
そして彼女たちに銀の銃弾が打ち込まれる。銀。それはヴァンパイアの天敵。少し触れただけでも傷はひどいことになり、中々治らない。
それを簡単に治す方法は、人の生き血を啜ること。銃弾を打ち込まれた香奈子は、ヴァンパイア殺しに飛び掛った。生き血を啜ることだけを考えて。
「何しやがる!」
ヴァンパイア殺しは吼える。が、香奈子に反応する余裕は無い。ただただ、血を求めるだけ。そうして香奈子はヴァンパイア殺しの首に思い切り牙を立てた。が、それが不味かった。
―ヴァンパイア殺し。地球上で唯一ヴァンパイアを殺す力を持つもの。その力は遺伝でのみ受け継がれる。
ある日、一人のヴァンパイア殺しが殺そうとしたヴァンパイアに逆に殺された。仲間たちは思った。
「銃弾を打ち込まなかったのか」
と。だが、ちゃんと打ち込まれていた。あたりにはヴァンパイア殺し以外の血が落ちていたから。それは紛れも無い自分たちの天敵、ヴァンパイアのものだった。
ヴァンパイア殺しの首に穿たれた二つの穴。そして、打ち込まれた弾丸。これで考えられる事は一つだけだ。
―銀の銃弾を撃ち込んだ後、生き血を啜られて絶命した。―
それからヴァンパイア殺しは考えた。自分たちの血をヴァンパイアにとって毒となるものにすればいいと。
そしてその力は遺伝によって受け継がれてきた。
「がっ………」
香奈子は血を吐く。先程飲んだヴァンパイア殺しのものではない、自分の血。
「効いてきたか」
ヴァンパイア殺しは穿たれた穴に手をかざしながら言う。その表情は、悪者のそれだった。
「冥土の土産に教えてやる。ヴァンパイア殺しの血にはヴァンパイアを殺す為、銀が含まれているんだ。その血を飲んだ時点でお前は終わりなんだよ」
香奈子は遠のく意識の端でそれを聞く。それを聞いて出てくる感情は、憎悪。自分に対する憎悪。
香奈子は灰となって散って行く。灰となり、風に舞って飛んでいった。