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第7話 ダインスレイヴとは

ローダム国立魔術学校レギオンに入学して早三日。

本日から授業が始まる。今は4時間目、『一般魔術入門』の時間。

担当先生は我らがジェシカ先生。


「では皆さん、早速授業を始めていきましょう。一般魔術入門ですし、皆さんが知っている魔術や無意識の内に使っている魔術が多くある為、改めるつもりでやっていきましょう。では教科書の7ページから」


ジェシカ先生に言われた遠い、一般魔術入門の教科書を開いて軽く中身を見る。

…まぁ知ってる。何せクソったれな親の英才教育の賜物もあるしな。


「まず初歩の話ですが、全ての魔術は大まかに3つに分類されます。そうですね…マガツ君、その三つを答えてください」

「はい。一つ目は『攻撃魔術』、前の対抗戦で使った『フレイ』のような対象にダメージを与える魔術。二つ目は『補助魔術』、自身の肉体の強化やワープ、対象の感覚を鈍らせるといったダメージを与えられず、強化や弱体化などをする魔術。三つ目は、『専用魔術』、俺で言う『魔剣』のような自身の魔力回路に宿っている人それぞれの魔術。この三つが大まかに分類されています」

「パーフェクトな回答です!マガツ君の言った通り『攻撃』『補助』そして『専用』。この三つが全ての魔術から分類されるものとされます。では引き続きマガツ君、専用魔術の話をしたいのでこちらに来て専用魔術をしてもらってもいいですか」

「え、はい」


呼ばれたので教卓に立つジェシカ先生の隣に立ち、専用魔術である魔剣を取り出そうとしたが…。


「…マガツ君?」

「その、先生?」

「はい」

「どの魔剣を取り出せば…?」

「そんなにいっぱいあるんですか!?」

「今は6本あります」

「なら一番使う物で」

「わかりました」


一番使う魔剣…裁定剣かもな。

右手から裁定剣を取り出して、構える。

…何で魔剣とかは右側からも出せるんだろうな。魔術回路は左側にあるのに。


「はい、これがマガツ君だけの専用魔術です。他の人はこういう剣を取り出すことが出来ない為、誰しもがマガツ君のようになれるわけではありませんので気を付けてください」


クラス中からはーいと聞こえてきた。

まぁ誰しもが魔剣を握れたらそれはそれでビビるけど。


「それで専用魔術は鍛え、練度を高めると変化したり強くなったりしますので攻撃魔術よりも鍛えたほうがいいとも言われます。マガツ君の場合…どうなるんでしょうか?」

「さぁ…?」

「マルバス理事長のもとで鍛えたそうですけど、鍛錬の期間で変化したことこととかは…」

「これと言って何もないです。強いて言うなら魔剣の生成条件くらいで」

「なるほど、一応皆さんに説明してもらっても?」

「あー…いいですけど」

「では例としてマガツ君の魔剣について説明してもらいます。皆さん、ちゃんと聞くように」


そうジェシカ先生が言うとクラスメイトの目が一気に俺に向けられる。

…何でラム・アロケルさんだけ目が合ったと思うとすぐ目を背けるんだ…。


「えっと、俺の専用魔術『魔剣』は俺がさっき持った裁定剣のような魔剣を専用魔術の中に仕舞ったり取り出したりする魔術のはずです。詳しくは…ちょっとわかりません。それで魔剣についてですが、基本的に魔剣自体に能力が宿り、その能力を任意で使うことができ、魔力は消費しませんが…魔術師向けの専用魔術じゃないのでおすすめはしません。最後に魔剣の作成条件なのですが、生物のコアもしくは魔力の塊が宿った何かしらを砕き、そのカケラで魔剣を生成できます。そして生成された魔剣は回路に入る…これが俺の専用魔術『魔剣』についてです」

「中々面白い専用魔術ですね」

「あ、ありがとうございます?」


そんなわけで専用魔術についての話も終わり、そのまま攻撃魔術、補助魔術についての説明が始まった。

とはいっても、基本的な攻撃と補助魔術は知っているし普通に詠唱無しで唱えられるのでほぼここは復習だ。

攻撃は炎、氷、水、風、岩…等々の多種多様の属性で放たれる呪文で最下位、下位、上位、最上位といった4段階に分かれ、俺が放ったフレイは最下位。

…それより上は使うなってマルバス様に言われたしな。

いつか連発していい許可が下りればいいが。

補助も…まぁ大体は出来るけど、バフが過剰になりすぎるととんでもないことになるって言われたし、これも使わない。

その縛りの分の身体能力だ。これで何とかしていくし、何とかしてきた。

…やっていくさ、縛りなんて気にせず。


――キンコンカンコーン。


「…これにて今日の一般魔術入門は終わりとします。皆さん、予習復習を忘れずに」


俺が予習復習したら一体何本の木と大地が抉られることになるのか。

…脳内で予習復習するようにしよう、そうしよう。


「マガツ君」

「?」


頭の中でそう言い聞かせているとシェリド・バラム君が話しかけてきた。


「シェリド・バラム君?」

「シェリドでいいよ。さっきの専用魔術ってさ、もしかして森をぶった切った赤い肉片?も入っているの?」

「あぁ、ダインスレイヴか」

「ダインスレイヴっていうの?」

「魔剣の名前は作成した時に頭に浮かんだ奴を名前にしてるから、そこまでこだわってないぞ」

「十分カッコいいと思うけどね。それでそのダインスレイヴを見てみたいんだけど」

「?まぁいいが…ダインスレイヴ」


シェリドは俺のダインスレイヴが見たいようなのでダインスレイヴを出して、右手で握る。

勿論、ジェリドに刃は向けず天井に向けている。


「これがダインスレイヴ…!まるで生きてる剣みたいだ」

「あぁ、生きてるよ。コイツは」

「生きてる?」

「生きてる、ずっとな…」

「…そういえば魔剣の作成条件に生物のコアもしくは魔力の塊が宿った物を砕いたらって言ってたけどこれも?」

「あぁ、一番最初に握った裁定剣以外は全部生物のコアで作られてる。俺と同じ、捨てられた魔獣たちでな」

「捨てられ…?」

「まぁこいつらは生きてんだよ、俺と一緒にな」


ダインスレイヴ…魔剣でも俺の中で生きている。元になった生物の命も俺は背負ってるんだ。共に過ごした日々を俺は忘れちゃならない。

俺の2番目の魔剣『ダインスレイヴ』。

それは俺がまだローダムに向けて歩いているときに遭遇した魔獣で出来ている。

あの家から捨てられ、セバスチャンに背中を押された後、森の中を進んでいた時に遭遇したんだ。


『う、うぅ…』

『ギョロロロロロ…?』

『ひっ!?』


両足を真っ赤に染めて歩いているときに、赤い血肉が重なった何かに遭遇した。

俺は恐怖のあまりしりもちをついてしまい、怖気づいてしまう。そしてその血肉の山は俺に手を伸ばしてきたが…。


『…え?』

『ギョロロロロロ』


まるで俺を温めるかのように包み込んでくれた。

捕食でもなく、攻撃でもなく、ただ血肉は俺を温めてくれた。


『あ!』


それと同時に内側に、大量の傷があったことに気が付いたため、当時の俺は左腕の袖が余っていたので木で引き裂き、傷の手当てをするかのように傷を布で抑える。

すると


『ギョロロ!』

『わわっ!?』


血肉の山に頭を撫でられた。久々に頭を撫でられた。

それに嬉しいと感じると同時に、血肉の山は俺を持ちながら何処かへと向かっていく。

向かっていた方向はセバスチャンが刺した方向だったので何も思わなかったが…問題は血肉の山の後ろから来ていた人たちだった。


『あのクソスライムが…どこ行きやがった!』

『まだ遠くに行ってねぇ…探せ!!』


明らかにガラの悪そうな格好で幼かった俺でも流石にアイツは山賊とかの類のものだと理解していて、同時にこの血肉を傷つけた原因なんじゃないかと思った。

そしてその血肉に連れられ、連れていかれた場所は山のふもとにあった洞窟。


『わ…なにこれ…』


洞窟の前に居ただけでも鼻をつまみ、それを貫通するほどの異臭が漂い近づくだけでも不快感があったがそんなことも気にせず先へと進む血肉。


(どこにつれていくきなんだろう…)


疑問はすぐに結論へと至った。

そこには


『!!』


ボロボロのピッケルやトロッコを引きずる血まみれの子供たちと、それを虐げる大人たちがいた。


『ギョロロ…!!』

(このまもののかんがえていることがわかる…おこってる)


それを即座に理解した俺はこの大人たちに対抗できる方法はないかと考えた。

だが俺がその結論を出すより先に血肉は動いた。


『な、何!?がはっ!?』


大人たちを触手で貫き、食べる。

その繰り返し、大人のみを殺しては食べ殺しては食べ。

まるで子供たちを守るかのように。

そして洞窟内の大人たちを食い尽くした後、血肉は子供たちを集めた。

というより子供たちが自主的に集まった。


『まっかだ!』

『みんな!まっかがきた!』


この血肉は『まっか』と呼ばれていた。

そうして血肉ことまっかは俺たちを連れて洞窟から逃げる…はずだった。


『見つけたぞ…!!』

『ギョロロ!!?』


運の悪いことに先程追いかけてきていた大人二人と鉢合わせてしてしまった。


『ただで済むと思うな―――フレイア!!』

『ギョロロッ!』


大人は詠唱し、周りにいた子供たちを巻き込む形で炎魔法の下位『フレイア』を放ち、まっかは俺を含めた子供たちを守るかのように広がり焼く。


『ギョロロロロロ!!』

『まっか!』

『…!』


…俺も何かできないかと考えていたが、俺には左腕が無かったから魔術を使うことが出来ない。でも、何もしないわけにはいかなかったため周囲を見回すと…ダイナマイトが落ちていたことを確認した。俺はそれを拾って、焼いている大人を目掛けて投げつけた。


――ボォンッ!!


見事にフレイアにダイナマイトが誘爆し、炸裂。

大人たちは洞窟から吹っ飛んでいったが…問題はまっかの方だった。


『まっか!』

『しなないで!まっか!』

『ギョ…ロロロ』


俺たちを守り切り、焼き焦げ…今、命の灯が消えようとしていた。

すると


『ギョ…!』

『?』


まっかは俺を見て…自身の身体に触手を突き刺し、体の中から『真っ赤のコア』を抉りだし、俺に渡した。その真っ赤のコアは物凄く赤く、光に反射し朱く輝いていた。


『ギョロロロ…!!』


まっかは触手で行くべき方向を指さしたと同時に…まっかは…ドロドロになって動かなくなった。皆がまっかの死を嘆く中、大人たちは空気を読まなかった。


『ガキ共が…!!今すぐ採掘場に戻れ!死にてぇのか!!』

『やだ!』

『テメェら…クソ、セラフィム家に何言われるか…』

『―――』


その名前を聞いた瞬間、俺は本能的に真っ赤のコアを右手で握り砕いた。


『ダインスレイヴ…』


名を呟き、やがて砕かれたコアは俺の右手の中に集まっていく。

グリップ、ガード…そして生きているかのように『真っ赤』で血肉で出来た刃が出来上がり…『まっか』は『ダインスレイヴ』として俺に『命』と『願い』を預けた。

子供たちを守ってほしいと。

そう判断した瞬間、俺は大人たち目掛けて剣を振り下ろした。

たかが子供の一振り。大人たちは高を括っていたかもしれないが、ダインスレイヴは生きている。


――ギャリギャリッ!!


『ぎゃぁぁぁ!?!』


ダインスレイヴは血肉を求める。特に悪人のな。

ただの一振りでダインスレイヴは二人の大人の肉体を切り裂き、血を啜る。

血を啜ったダインスレイヴは刀身はより赤く、より鋭くなっていく。


『わぁ…まっかみたいな』

『みんな、まっかがあっちに逃げてって言ってた』

『う、うん!』


俺はまっかが触手で刺した方向に他の子どもたちを逃がした。

これでいいと思って。


『い、いてぇ…!?』

『何だその剣…!?』


それから俺は大人を切り刻んだ。

死なないように、苦しむように。

刻み、裂き、斬り、貫き。

そうして…周囲の地面が赤黒く塗られ、大人たちの息が途切れ途切れになった時、俺は…いやダインスレイヴは啜るのをやめた。


『…みんな、にげれたんだね』


そう、ダインスレイヴが言っているように聞こえた俺は斬るのをやめたと同時にセバスチャンが指をさしていた方向を目掛けてまた歩き出す。

…思えばこの時、裁定剣もそうだけどダインスレイヴも仕舞う事が出来たから魔力回路は生きていたんだろうな。まぁあの時は歩くことに集中してたししょうがないよな…。


(まっか…)


お前は多分子供たちを助ける魔物だったんだろう。どういう経緯で生まれ、どういう動機で子供たちを助けたのかは分からないが、まっかのお陰で偶然通りかかった俺も生きてるし子供たちもきっと幸せに暮らしている。

ありがとな、まっか。


「…マガツ君?」

「あぁ、すまん。ぼーっとしてた」

「そういえばダインスレイヴの宿る能力って?」

「ダインスレイヴは『血肉』を求める。刃で切りつけ対象の血を啜り、刀身は強くなりダインスレイヴも伸び、鋭さを増す。剣は血で錆びるというがコイツは逆だ。血を浴びれば浴びるほど刀身は鋭さを増し、何でもかんでも切り裂く。それが『赤い肉刃:ダインスレイヴ』」

「へ、へぇ…凄いね」

「まぁあの二人に関してはフィールドで倒れた皆の血を使った。正直、気が引けたがそれくらいしないといけないよなって思ってたし…」


改めて思うけど対抗戦で戦ってた俺の倫理観はどうなってんだ。

仲間の血を使うのは気が引けるどころか我ながらドン引きなんだが。


(…怒りのあまり、だったのか?)


自分の事だけど全く分からない。


「でも感謝してるよ?」

「礼には及ばないって…」

「俺たちからしたら礼に及ぶよ。そうだ、マガツ君はお昼食べた?」

「いや、食べてないな。何かあるのか?」

「食堂だよ、行ってみない?」


そうか、気が付けばお昼か。

レギオンには食堂もそうだけど、購買部の品ぞろえも豊富…とマルバス様から聞いた。

確か食堂の料理は基本的に無料で、購買部は有料。食堂の料理が無料とは流石国立、太っ腹だな。

特に俺個人としては料理が特に気になる。

俺のメニューのレパートリーの追加の刺激になるかもしれないし、味も知っておきたい。


「わかった、行こう」

「あ、あの私もいい…?」

「ラム・アロケルさん?」

「ら、ラムで大丈夫…私も食堂気になるから」

「なら私も~」

「キャシーさんも?」

「えぇ。気になるわ」

「なら4人で行こうか」


そんなわけで、俺、シェリド君、キャシーさん、ラム・アロケルさん改めラムさんの4人で食堂へ向けて歩き出した。


「どんなのがあるかしら~」

「うーん…ありきたりな物って言ったら肉とか魚?あー…ラーメンもあったな」

「うどん…食べてみたいな」

「マガツ君は食べたことあるのかい?」

「作ったことがあるだけかな。本場の味は知らないし一度でいいから食べてみたいなとは思ってる」

「マガツ君…料理できるの?」

「あぁ、基本マルバス様の飯を作ってるのは俺だしな」

「そうか、マルバス様と一緒に暮らしているんだっけ?」

「あぁ」

「やっぱりマルバス様は家でも厳格なの?」

「…そこは言えないな、いわゆるトップシークレット的な物だし」

「むー…」

「そんな顔しても無理だ」


俺が変に語ればマルバス様の風評被害につながる。

ここはひとつ、ノーコメントを貫かせてもらおう。


「そういえばそろそろ部活動勧誘の時期か」

「ぶかつどう…?」

「え、ほら運動部とか文芸部とかの…」

「あー…すまん、ちょっと俺はわからないんだ」

「わからない?」

「…色々あったんだよ、昔にな」


俺は…まぁ初めての学校がこのレギオンなんだよな。

保育園や幼稚園はあったが通う必要が無いってあのクソ親共は判断して、基本家で勉強してたし、拾われてからはマルバス様が付きっきりで教えてくれたし。

てか、マルバス様居なかったら俺はここに居ないしな。


「あー、ごめん。過去を掘り返すような真似をして」

「大丈夫だ。それでその部活動?の勧誘の時期なんだろ?どんなのがあるんだ?」

「うーん…いい例がないんだけど、どう説明すれば」

「こういうのよ」


そういってキャシーさんはペラッと一枚の紙を取り出した。

…どっから出した?


「『魔獣部』…?」

「魔獣の使役に関する部活、実は朝にチラシを貰ってね」

「ふむふむ…?」

「魔獣に興味があるの?」

「魔獣というより『召喚師』に興味があるの。可愛い魔獣とかカッコいい魔獣とか」


キャシーさんは『召喚師』を目指しているのか?魔獣とか生き物を使役するタイプの奴。

レギオンの卒業後の話だけど、卒業後の就職の事。

俺も大雑把にしか知らないけど、結構色々な職があるんだよな。町の平和を守る『自警団』、『騎士団』。魔獣退治や危険地帯の物品、更には護衛といった『冒険者』。他にも様々ある…というか職業がとてつもない種類あるのは…今の子供でも分かることか。将来はまさに無限大。んでキャシーさんの場合だと何の召喚師になりたいのかだな。

自警団、騎士団の『召喚師』、レギオンのような学び舎での『召喚師』、冒険者としても『召喚師』等々色々あるのは百も承知だが…なんだろう。物凄く失礼かもしれないが、キャシーさんって結構女王とかそういう雰囲気があるから男性を配下にしそう感がすさまじい。

いっそ、女王でもいいんじゃないか?


「マガツ君?」

「あぁ、何?」

「いま、失礼なこと考えてた?」

「い、いやぁ!?こういうのが部活なんだなーって思って…!」


今、口に出てたか!?

慌てて自分の口を手でふさぐ。


「マガツ君はこういう部活あったらいいな、みたいなのってないの?」

「うーん…興味がわいたら入ろうくらいの心構えだな。三人は?」

「俺は出来れば魔術関係の物がいいな。対抗戦でもっと磨きをかけないとって思ったし」

「私は特に…」

「私はさっきの通りよ」

「なるほど~…」

「…でも一番あこがれる部活もあるのよね」

「あこがれる?」

「あぁ、『生徒会』?」

「…それって部活なの?」


俺が言おうとした指摘をラムさんが言ってくれた。

生徒会ってアレだろ?学園の生徒の長みたいな奴。

どんなことをするのかは知らないけど。


「生徒会は学園の生徒たちの長。確か学園内の警備や生徒たちからの声を聴いて、先生方に話したりイベントの進行をしたりする。これが一応の生徒会の大まかな活動って聞いたことある」

「部活…部活なのかそれ」

「部活動の判定は貰ってたはず。でも…入るのはほぼ不可能なんだよね」

「不可能?」

「確か生徒会の象徴『五本柱(フィフス・トップ)』からの推薦が必要だったはず。何でも生半可な気持ちじゃ生徒会の業務に付いていけないとか、生徒会としての貫禄とかも必要だからみたいな感じで推薦じゃないと入部できないらしい」

「らしい、なの?」

「この辺もあくまで噂なんだよ。何せ勧誘される一年生って中々いないらしいから」

「確かに…何というか難しそう」

「俺も同意見だ」


生徒会に貫禄とか業務とかそういうのが降りかかるのであれば俺たちのような一年生には荷が重いかもしれない。いや、向上心マシマシの人とかなら別かもしれないがそもそもの話、俺は部活動を知らん。

まぁ生徒会は一年生が勧誘されることが無いらしいしな、勧誘とかキャシーさんのようなチラシを受け取ってから考えても遅くはないかもな。

…その時の俺はそう思っていた。


「マガツッ!俺と戦えッ!!」


食堂についたと同時に俺より縦も横も大きい赤色の髪と、真っ赤なオーラを放つどう見たって肉体はな男が俺に宣戦布告をしてきた。

…後ろを見ると多くのギャラリーとそのギャラリーに混じるキャシーさん、ラムさん、シェリド君が俺を見て居た。


(助けて。)


これが俺の切実な声だった。

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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