表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/81

第六十九話 ゲイルと目覚める怪獣達

ゲイルがアジダバーガの断片と会い、大陸の各所で怪獣が目を覚まします。


 訓練している最中に現れた四大精霊を捕まえた。


 聖魔力のロープで縛られた四大精霊を見てると、ジュンヤがここに来た時にはこの大陸で一番強かったのだが、今となってはこの中で一番弱いパティに勝てまい。時の流れとは恐ろしいものだ


「さてあなた達はどうしたいですか。俺としては大人しくしていてほしいんだけどな」(ジュンヤ)

 ジュンヤはそう言うと四大精霊の前に立った。

「お前は何だ?精霊獣がなぜ進化しているのだ」(土の精霊)

「俺か、世界の王と呼ばれている。それと彼らが進化したのは聖魔力を吸収したからだ」(ジュンヤ)


 四人の精霊は内緒話をし始めた。漏れ聞こえてくる声で、世界の王は知っているらしい。

「お前が世界の王なら我々にも聖魔力をくれるのか?」(風の精霊)

「いや、すでに聖魔力は皆に分けた。最終決戦が近い今、君達に分ける魔力は無い」(ジュンヤ)


「我々も戦力になるだろう?」(水の精霊)

「聖獣を見てわかるだろう。君達の能力ではすでに戦力にならない」(ジュンヤ)


「では我々にどうしろと言うのだ?」

「まず、俺と隷属契約をしろ。そのうえで敵に利用されないように、決戦が終わるまでどこかで静かに暮らして貰う。キーンや他の精霊には手を出すな」(ジュンヤ)


「決戦が終わったら自由になるのか?」(火の精霊)

「ああ、俺が負ければ契約が切れるし、勝てば他の精霊と一緒に自由にする。ただ悪さをするようなら消滅させる」(ジュンヤ)


「わかった、お前の言う通りにしよう。隷属契約を結ぶが良い」(土の精霊)

 聖獣に負けて素直になったようだ。隷属契約をして水の精霊の居た湖に置いて来た。


「ダークネス、これで精霊鎧も四大精霊も解決したぞ。どうする?」(ジュンヤ)

 ハルの髪の毛がサッと黒くなる。ダークネスが表面に出てきた証だ。

「ここまで来たらハルと付き合うしかあるまい。負ければ我々にも難儀が及びそうじゃ」(ダークネス)

「本当はハルが心配なんやでえ」(キュービ)

「そ、そんなことあるか」(ダークネス)

 ハルの髪の毛が白に戻る。

「あ、恥ずかしがって隠れよった」(キュービ)

「キュービさん、あまり茶化さないでやってください」(ジュンヤ)


 ******


 数週間後、ここは海のど真ん中、四艘の帆船が南の島を目指している。

「来たぞ!!」(ゲイル)

「何が来たと言うのですか?」(老人)

 ゲイルは老人が率いる一族を引き連れ、南の島を目指している。

「世界の王になる為の糧だ」(ゲイル)


 その時、船の進行方向の海に渦が出来た。魔翅族が騒ぎ始めた。

 ゲイルは魔翅族を押しのけ舳先に歩いた。

 ゲイルの目の前に海から飛び上がって来た物が居た。

 身長は四m程で首から手が生えて手の平には醜い目鼻があった。


「おい、手を出すなよ。ふん、アジダバーガも落ちぶれたものだな」(ゲイル)

 ゲイルは周りの魔翅族を制して化け物に話しかける。

「オオ、オオ」(アジダバーガ)

「言葉も失ったか。これも神託通りだ」(ゲイル)

「この化け物は一体何なのです!!」(老人)

「これはアジダバーガの腕だ。ジュンヤに敗れてここまで逃げてきた」(ゲイル)

 アジダバーガは南の島でソウルイーターとなって、エネルギーの補給をするとここに向かっていたのだ。


「来い、アジダバーガ!俺の糧となれ」(ゲイル)

 アジダバーガは黒い煙煙のようになってゲイルに吸収されていく。

「これはどういう・・・」(老人)

「こういうことだ」(ゲイル)

 アジダバーガを吸収しつくしたゲイルは、今度は自身から黒い煙を出して老人を覆った。


「やめて!やめて・く・・・・」(老人)

 老人の体は徐々に黒い煙になってゲイルに吸収される。


 周囲に居た魔翅族はそれを見て飛んで逃げようとするが、瞬時に黒い煙に覆われ吸収されていく。

 乗っていた船の魔翅族をすべて吸収すると次の船に飛んで行って吸収した。

 そうやって数百人の魔翅族を吸収すると、最初にいた船に降り立った。


 指から黒い煙を出すと最初に吸収された魔翅族の老人が現れた。

「こ、これはどういうことですか?」(老人)

「フム、ネクロマンサーの力も問題なく使えるようだな。もういいぞ」(ゲイル)

「あ、ああ」(老人)

 老人はまた黒い煙になって消えてしまった。


「さて、各地に封印された怪物達が目を覚ますはずだ。奴らを吸収しないとジュンヤに勝ち目はない」

 ゲイルは大きく息を吸い込んで深呼吸をする。


 その頃世界の各地で怪物が目を覚まそうとしていた。


 ******


 ここはソルトレイクのジュンヤ達の家。

 夕方、マリーも南の島から帰還していた。

 そしてその夜、学校に通っている子供たちは各自の部屋に戻っている。


 ジュンヤは訓練に明け暮れているせいで、夜執務室で各所から上がってくる報告書に目を通していた。

 作物の生育は順調だ。約束通り東大陸や魔人国・ワ国などへの食料援助も出来そうだ。

 ジュンヤは数十年の間に人口が三倍になると予測している。そのため耕作地はいくらあっても構わない。

 余れば収納に入れて置けばいいのだ。


 産業を興し、医療やインフラ整備など、やることはいっぱいある。

 一応、大陸の戦乱は抑えることが出来た。

 迫りくる天下布武の戦いさえ被害を少なくして勝つことが出来れば、ジュンヤの望んだ未来が見えてくる。

 それこそが神がジュンヤをこの世界に呼んだ理由なのかも知れない。


 恐らくゲイルが敵の世界の王だ。

 アジダバーガを何かに使おうとしていたらしいが、あんな怪獣をコントロールできるとは思えない。

 一体どうやって世界を征服するつもりなのか、征服した後どうするつもりなのか、さっぱり判らない。


 今、ゲイルは南の海をこちらに向かって航行しているはずだ。その戦力は魔翅族数百人、とてもじゃないが聖魔力を強化した俺達に勝てるとは思えない。どうするつもりなのか?


 ジュンヤがそんなことを考えていると執務室の食堂側のドアをノックする音が聞こえた。

「はい、どうぞ」

 ドアが開くとハル、マリー、マイアの三人が入って来た。

「失礼します」(ハル)

「なに、どうしたの?」(ジュンヤ)


 三人共、赤い顔で切羽詰まった顔をして、執務机の脇を回って俺の横に来る。

「あの、最後の決戦が迫っているじゃないですか」(ハル)

 ハルが小声で言って来る。

「そうだね。君達には申し訳ないけど俺と戦ってほしい」(ジュンヤ)

「それは眷属になった時点で覚悟してるので構わないんですけど・・・」(ハル)

 どうにも歯切れが悪い。


「ごめん、マリーさん交代して」(ハル)

「仕方が無いわね。ジュンヤさん、私達はその決戦に思い残す事無く戦いたいのです」(マリー)

「マリー、声が大きい」(マイア)

 後からマイアがつつく。食堂にはまだパティとセシル、エルザが居た。

「ごめんなさい。私もテンパっちゃって。それでわ、私達をだ、抱いて欲しいのです」(マリー)


 今度はジュンヤがテンパる番だ。向こうの世界で三十三年生きてきたとはいえ、女性経験はそう多くはない。と言うか皆無に近い。こうストレートに言われると赤面してしまう。

「ち、ちょっと待ってくれ」(ジュンヤ)


 美少女に囲まれ、向こうが望んでいるし、こちらもしたい状態で手を出さないのには訳がある。

「済まない、正直に言えば君達を抱きたい。しかし君達には精霊が憑依している。さすがにその状態で出来るほど俺は強くない」(ジュンヤ)

 流石に精霊と一緒に彼女たちを抱けない。人に見られているのと変わらないから。


 それが解ったのか彼女たちは顔を見合わせている。

「ではどうするんですか?ずっと抱いて貰えないのですか?」(ハル)

 ハルが少し焦って聞いて来た。

「精霊が憑依しなくても大丈夫なようにする。精霊鎧もこちらで預かっているし、敵対していた四大精霊も隷属化したから、精霊が実体化しても大丈夫だ」(ジュンヤ)


「それならすぐに実体化して貰ったら良いじゃないですか?」(ハル)

「実体化するには大きな魔力が要る。決戦前に魔力を失う訳には行かない。決戦が終わるまで待って欲しい」(ジュンヤ)

 決戦前に魔力を失うことは生存率を下げることに他ならない。

 何とか理解して貰った。


 ******


 次の日の朝、ワ国のアソの火山がいきなり噴火した。

 キュウシュウ地方はスケルトン騒ぎで人がほとんど住んでいない。

 偵察を任されていた天狗族のベンケイが火山を確認に行くと噴煙の中にうごめく影を見つけた。

 彼はすぐに念話でジュンヤに連絡した。


『アソの山が噴火して噴煙の中に怪獣の姿が見える。どうすれば良い?』(ベンケイ)

『危険のない所で観察できますか?危ないようなら避難してください』(ジュンヤ)

 朝食を摂ったばかりのジュンヤは急遽全員を食堂に招集した。


 対応を検討している時に今度は鬼人国のソウキから念話が入る。

『湖に巨大な怪物が現れて沿岸の村が襲われている。助けて欲しい』(ソウキ)

 ガーランドと鬼人国の間には巨大な湖があるそこに怪物が現れたらしい。

『付近の住民を避難させてくれ。準備が整ったら対応する』(ジュンヤ)


 その後も次々と連絡が入る。

 ガーランドのオリビア。

『アルミアとの国境の山からサイのような巨大な怪獣が出ました。救援をお願いします』(オリビア)


 ギルもニアの通信員。

『海岸に巨大なタコのような怪物が現れました。救援を!!』(通信員)


 獣人国王。

『南部の森林にオオカミのような巨大な化け物が現れた。王都に向かっている。助けてくれ』(リチャード)


 いきなり五カ所から怪獣、怪物が現れたと連絡が有った。

 取敢えず今はジュンヤ達の武力で、大陸の平和を維持している状態だ。放って置くわけにはいかない。


 ワ国は火山なのでボルクとセシルが担当する。


 鬼人国はジュンヤとマリーが


 ガーランドはノーラとマイアが


 ギズモニアにはレイコとエルザが


 獣人国にはアステルとハルが行くことになった。

次回から怪獣とジュンヤ達の戦いが始まります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ