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第五十話 夜襲とジュンヤの暴走

エルフ軍に夜襲を掛けます。

戦後処理でもめます。


 エルフ国の鬼人国への侵攻に対して鬼人国を助けることにしたジュンヤ、鬼人国内のエルフ軍に対して夜襲をかける。


 鬼人国 王城付近 俺

 連絡員の二人を城に置いた俺達は自分の戦場に散った。

 東の空が明るくなり始めた頃、俺達はエルフ軍に突入した。

 俺が王城を囲むエルフ軍のうち正門に繋がる街道に布陣した軍を叩く。街道沿いに何百メートルかテントが並んでいていくつかの火が焚かれている。あのテント一つ一つに何人かの兵がいる。

 王城外の兵をすでに殲滅しているエルフ軍は夜襲の警戒をしていない。


 ここには人質兵がいる。人質兵はテントの切れ目に柵で囲われている。

 そうだな40人くらいは居る。見張りが3人いるのでまず見張りを倒し、人質兵の周りに石の塀を作って守る。


「後で助けに来るからここ中で大人しくしていろ」(ジュンヤ)


 そしてまだ寝ているエルフ軍に百丁のサブマシンガンの魔法を唱える。

 俺の両側に弾丸がずらっと並び発射される。弾速を亜音速に留めているので風切り音しかしない。

 一万のエルフ軍は何も出来ずに死んでいく。俺が前進するたびに数十人、数百人が撃ち抜かれて死んでいく。

 可哀そうだが人質を取られてる以上、生かしておくわけにはいかない。


 もう一カ所のエルフの兵が眠る野営地、ここにはノーラがいる。

 大量殺戮を眷属たちにやらせたくないがノーラは志願した。

 夜営地には司令官用の大きめのテントと兵用の小さなテントがたくさん並んでいて、あちこちに火がたかれていた。


 ノーラは無造作に夜営地の入り口に歩いて行く。ここにも数千人のエルフ兵がいる。

「待て、止まれ。何の用だ」(エルフ兵)


 丸腰の少女の出現にエルフ兵は油断していたようだ。槍も立てたままノーラに質問した。

石飛礫嵐バレットストーム!!」(ノーラ)

 ノーラは叫んだが、当然エルフ兵には何も聞こえない。


 空を覆う超音速の石の弾丸がエルフ兵を引き肉に変える。

 後にあるテントも引き裂かれた布が飛び散る中でエルフ兵が死んでいく。

 静かになった時に動く物は何も無かった。


 王城の周りに居たほとんどのエルフ兵は、何が起きたか分からぬうちに死んでいった。

 ノーラは穴を掘り、死体やその他のごみを穴へ放り込み、ボルグが火を噴き、アステルが風を送り込み、全てを灰にして埋めてしまった。

 もちろん、ジュンヤの方も同じように処理した。


 それから石の塀を崩し、人質兵になっていた人を解放する。

 怪我や病気を治し、食料を与えた。食料は貰えてなかったようだ。


 その後、城の石の門を取り除き、人質兵を引き取ってもらった。


 補給路は2本、片方が機能しなくなっても片方で補給が出来るように考えている。

 それぞれ集積地が一か所ずつ設けてある。



 同じころマイアは東の集積地を攻撃する。

 ここには三百人ほどの兵がおり、大量の武器や食料などが積み上げられている。

 殆どの兵が兵舎に入っており、眠りこけていた。


雷槍サンダースピア!!」(マイア)

 千本もの雷の槍が現れ、エルフ兵に降り注ぐ。兵舎がたまらず燃え始める。

 生きているものは一人も居なくなった。


 もう一カ所の西の集積地にはハルが向かっていた。

 此方も同じように殆どの兵が眠りこけていた。


「ストーンランサー!!」(ハル)

 地中から垂直に石の槍が伸び、寝ている兵を串刺しにしていく。


「ファイアーレイン!!」(ハル)

 火の雨が兵舎を焼き尽くしていく。

 ここにも生きている者がいなくなった。


 鬼人国 国境近くの村 マリー

 私とエルザ、セシル、レイコは人質の救出に国境近くの村に来ていた。

 村に入ると何か腐ったような臭いがする。

 昨日の偵察では数人のエルフ兵が確認できたが屋外には誰もいない。

 私は嫌な予感がした。

「一軒ずつ確認しましょう」(マリー)


 手分けして家の中を確認する。

 それはすぐに見つかった。


 エルザが家の戸を開けるとムッとする腐敗集がした。

「きゃー!!」(エルザ)

 家に入ったすぐの部屋に折り重なるようになった何体かの腐敗した死体が確認できた。


 老夫婦と主婦と子供が二人、死体は縛られており、槍のような物で突き殺されていた。

 他の家からも同じような死体が見つかった。

「人質兵の家族はすぐに殺されていたって事ね」(マリー)

「人質兵の人達を騙してたのね。ひどい!!あんまりだわ」(エルザ)


 夜が明けた。

 私は逡巡していた。この結果を報告すればジュンヤさんはどうするのだろうか?


 昨日、作戦会議ではなんとかエルフ兵を追い返す作戦を考えていたが、眷属と人質の安全を考えるとエルフ兵を殆ど殲滅しないと作戦に無理が出る。


 それに空を飛ぶ敵の事もあり、今回は敵兵力の全滅を行った。それなのに人質の命は失われた。

 ジュンヤさんは今回、かなり精神的に無理をしている。


「マリーさん、どうされたのですか?」(エルザ)

「大丈夫よ。ジュンヤさんに連絡しないと」(マリー)


『ジュンヤさん・・マリーです』(マリー)

『どうだった?』

『人質はすべて殺されていました。人質兵が去ってすぐに殺されたものと思われます』(マリー)

『な・んだと・・・分かった』

 ジュンヤさんの声は暗く沈んでいた。


 鬼人国 王城 応接室 ハル

 ご主人様の顔色が悪い。疲れたのだろうか。

 マリーさんとの念話でさらに沈痛な表情をしている。


「大丈夫ですか?ご主人様」(ハル)

「ああ、大丈夫だ。王を呼んできてくれるか」

「分かりました」(ハル)


 王の執務室に行くと王は起き出したところだった。

「申し訳ありません。ジュンヤが連絡が有るので、応接室までご足労願えませんか?」(ハル)

「無礼者、話があるならここに来るのが筋だろう」(大臣)

「同盟は対等です。無礼者呼ばわりされる覚えはありません」(ハル)

 殺気がちょっと漏れちゃったわ。ごめんあそばせ。

 腰を抜かした大臣を無視して、王様を見た。

「いかがでしょうか?」(ハル)

「今行こうと思った所だ」(王)


 私が王を連れて応接室に行くとご主人様はさらに落ち込んで見えた。

 王様がご主人様の向かいに座った。


「御用は何かな。申し訳ないが出せる兵は少ないのだ」(王)

「すでにエルフ軍は鬼人国には居ない。全滅させた」(ジュンヤ)

「何を言っておられる。まだ戦闘が始まったとは聞いていないが?」(王)


 そこに伝令の兵が走って来た。

「エルフ軍が・・王城を包囲していたエルフ軍が一人もいません。テント一つありません」(伝令)

「本当にエルフ軍を・・・」(王)


「それで正門前に人質に使われていた兵を助けて集めている。それにその家族だが殺されていた」

「おのれ、あいつらのお陰で外の軍隊は全滅したのだ。おい、正門前に居る兵を殺せ!!」(王)

「やめろ!!折角助けたのになぜ殺す!」(ジュンヤ)

「奴らはエルフ軍に加担したからに決まっておろうが!」(王)

「言ったろう。彼らは家族を人質に取られていたのだ」(ジュンヤ)

「そんなことはどうでもいいだろう。国を裏切ったことに変わりあるまい」(王)


 ご主人様は今までに見たことのない憤怒の表情で王を睨む。

「ご主人様、落ち着いて下さい。あなたも助けて貰った礼もせずに何を突っかかっているのです」(ハル)


 王はハッとした。ご主人様が自分たちが手も足も出なかったエルフ軍を壊滅させたことを思い出したらしい。

「済まぬ、礼を失して居った。王として国民を代表して礼を言う。ありがとう」(王)

 王は起立してご主人様に礼を言った。

 これでご主人様も少しは落ち着いてくれる。


 その時である。先ほどの大臣がやって来て王に報告する。

「正門前に裏切者どもが居りましたので殺すように指示しましたぞ」(大臣)

「何と言うことするのです」(ユキ)

 いつの間にかユキ姫が来ていた。


 ご主人様は怒りで震えている。そこへマイア、マリー、エルザ、セシルが入って来た。

「どうしたの、何があったの」(マリー)

「人質兵を殺すように命令したって言うの」(ハル)

 私達は急いで正門前が見える所に走った。

 聖獣達が鬼人兵から人質兵を守っていた。


「すぐに命令を撤回してください」(マリー)

「奴らは裏切り者だ。殺さないと示しがつかん」(大臣)

「彼らは私達の捕虜です。それを鬼人国が奪うと言うのですか」(マリー)

「その前に鬼人国の国民だ」(大臣)


「もういい、こいつらは死なないと分からないのだ」(ジュンヤ)

「やめてくださいご主人様!!」(ハル)

 私は立ち上がったご主人様に抱き着く。お父さんに教えて貰った、お母さんがお父さんが無理しようとした時にこうしたそうだ。


「マイア、行くよ!!」(マリー)

「オウ!!」

 マリーとマイアも俺に抱き着いて、俺を止める。


「我々を殺すというのか」(王)

「父上、なぜ人を生かすことを考えないのですか」(ユキ)

「ええい!同盟は破棄だ。こんな危険な奴と同盟を組めるか」(王)

 王は証書を引き裂いた。


「あなた方がそう言うなら仕方が有りませんが、エルフ国にはまだ我々に匹敵する軍を持っています。頑張ってください」(エルザ)

「マスケットと弾薬は未処理でしたので収納に入れました」(セシル)

「マスケットは置いていけ、もう我が国の物だ」(大臣)

 マイアも大臣を無視をして報告した。

「敵の補給物も全て収納しました」(マイア)


「同盟が亡くなった以上、我々の戦費も払って頂きます」(マリー)

「人質兵の人達は捕虜として我が国に運びます」(ハル)

 マイアとマリーもジュンヤに抱き着きながら話している。


「お取込みの最中に何ですが。六肢族が偵察に現れました。どうします」(アステル)

「ああもう、同盟は破棄されたから放って置きましょう」(マリー)

「六肢族だと、なぜそんなものがいる」(王)

「だから、我々に匹敵する戦力がいるって言ったじゃないですか」(エルザ)


 ドカーンと言う音と共に城に有った尖塔が崩れ落ちた。

 六肢族は暫く反応を見ていたようだが、反応が無いので帰って行った。


 ジュンヤ様も落ち着いたようだ。

「もう、大丈夫だから離れてくれ」(ジュンヤ)

 三人共、様子を見ながらゆっくり離れた。


 鬼人国 王城 応接室 俺

 {ジュンヤの内心

 三人共ノーブラなんだよな。ハルなんか顔を胸に押し付けてたから突起が当たるし、マリーはでかいからふんわり感があるし、マイアはでかい上にパンパンだから圧力が凄いし、あの状態では怒りも持続できないよね。}


「マイア、セシル、国境の村に捕虜を連れて行って亡骸とお別れをして貰え。その後ガーランドに船を呼んでおくので連れて行ってくれ」(ジュンヤ)

 二人は返事をすると走っていった。


 六肢族の攻撃で放心していた王が俺達が帰り支度しているのに気付いた。

「待ってくれ。悪かった。助けてくれ」(王)

「我々を見放すのですか」(大臣)


「折角結んであげた同盟も破棄されましたからねえ。見放したのはあなた方でしょう」(ジュンヤ)

「そんな、六肢族に勝てるわけがない」(王)


「ユキ姫様、貴方はどうしますか?」(マリー)

「私は国民を置いて国を離れるわけにはまいりません」(ユキ)

「わしを連れて行ってくれ」(大臣)

「大臣お前、わしを見捨てるのか?」(王)


 二人はつかみ合いの喧嘩を始めた。

 喧嘩するくらいなら俺達にもう少し従って欲しかった。


 まあ、この国の支配者の底が見えたので、これ以上こいつらに国を任せておくべきではない。

 でもユキ姫じゃあ線が細すぎる気がするし、そういや、ユキ姫に弟がいるはずなんだが全然出て来ないな。

 一度ユキ姫に相談するか。


 ユキ姫を残して、鬼人国人は引っ込んでもらった。

 王様が出て行くときに言ってたよ。

「おお、ユキが気に入ったのなら嫁にやるぞ。その代わり国を助けてくれ。な、良いだろ」(王)


 そのせいだろうな、やけに俺を警戒している。

「ユキ姫、大事な話がある」(ジュンヤ)

次回、魔翅族が攻めてきます。

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