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第四十八話 現況と女心

現在の状況と少女たちの思いです。

 なぜか教皇に毛嫌いされ正教会を追い出された俺、勇者の修行は認められず正教会に残ることとなり、俺達だけソルトレイクに帰ってきた。


 田植えも済み、麦の刈入れの時期になった。

 紡績工場が立ち上がり、織機も動き始めた。


 カゴシマの人口は漁を始めたのと、南の作物が軌道に乗ってきたため一万人を超えた。

 汽車もミイケ-カゴシマ間で一日二往復している。

 ミイケ-ヤハタ間の複線化が完成し、石炭が凄い速度で運ばれている。


 獣人国の鉄道も半分は引けた。

 獣人国と言えば、ヤマト国への編入を打診していた村が認められて、ヤマト国になった。おかげで借金を減らされたがな。村に居ても仕事が無いのでヤマト国内の街に移住させた。

 獣人国の鉄道沿線領主の所は森を開拓して綿花畑を作ってやっているので収穫時が楽しみだ。

 冬になれば紡績から縫製までの繊維産業を持って行く準備を始める予定だ。


 アルミア国は二院制の議会政治を目指し、改革中だ。宗教者が腐敗していたので政教分離を考えたが内乱が起こりそうなので二院制の一つは宗教枠だ。権力は持たせないが名誉は持たせることにしたようだ。

 軍は十二天使を解散して宗教色を排除、普通の軍政となった。将官であった元天使は佐官・尉官に成り年相応の位となった。ちなみに元天使の最高位はマルキエルの大佐だ。

 産業は前にドワーフの脱出時にハルが調査した場所に銅と硝石が産出した。硝石は戦争が無いので需要は少ないが銅は結構需要が伸びてきているので経済的に楽になっている。

 そこで聖都まで線路を引けと言って来ている。まあ良いけど。獣人国が終わったらな。


 ギズモニアは小麦の収穫が終わればほぼ国力は回復する。

 若い王は今までチャールズさんやガスパールに抑えられ多少やけ気味だったが、二人が居なくなり、俺やアルミアがギズモニアに野心の無いことが解って来たみたいで、若い才能で周りを固めて良い政治を行うようになってきた。

 典型的な農業国なので農業の指導が欲しいと言って来た。

 今は人員を外に出せる状態じゃないので農業研修生を受け入れて比較的気候の似ているサッポロで研修させている。

 研修生がサッポロの食事のおいしさを伝えたので調理研修生も受け入れた。

 若い王が知識を外に求めるくらいに政治に積極的になってくれたことが単純に嬉しい。


 中央大陸は魔人国は第六天魔王キーンが統一を成し遂げた。

 ここの情報はギルドを通してしか入ってこない。戦後復興が盛んに行われているので結構な物資が輸入されている。鉱物資源が豊富で金には困っていない様だ。


 ガーランドは派遣を諦め、経済活動に精を出している。主に西大陸が俺の影響で食料や工業製品を輸出し始めたので、東大陸との間にある大きな湖を使った水運、ブロガリア、クレアンス、魔人国への陸運を一手に握っている。


 ブロガリアは金属加工技術の担い手の殆どを失ったのと俺の国の大量生産に追われてかなり傾いている。

 政治も経済に疎く、何も出来ないだろうから放って置いても良いだろう。


 クレアンスはギルドの本店や正教会があるので、それに経済的に頼っていたがガーランドの侵攻で脆弱性を露呈し、政体の評価は駄々下がりだ。ギルドもガーランドの経済改革に乗って本店をガーランドに移した。

 求心力を失いつつある正教会と将来は心中かな。


 東大陸は情報が殆ど無い。ギルドも支店を置いて貰えないし、わずかにガーランドと貿易をしているぐらいだが、最近国を出て仕事を探すものがちらほら出だしたようだ。これをとっかかりに東大陸の情報を集めようと画策している。


 そう言えばアーモデウス商会が潰れたようだ。今の主流であるヤマト国に悪意をむき出しにしてたら取り残されて当然だ。ただ、教皇にあることない事を吹き込んだらしい。どうしたもんか?


 これがこの大陸の近況だ。今は六肢族の噂も聞かないし、平和だ。

 ここで一気に産業革命を広げるぞ。



 ソルトレイク 俺の家 裏庭 セシル

 朝からミカヅキさんと試合形式の稽古をしている。

 ミカヅキさんはここに来た時に比べれば格段の上達をしている。

 私も追いつかれるわけにはいかないので稽古を欠かさない。


「そろそろ休憩してね」(ハル)

 ハルさんが冷たい飲み物を休憩用に置いてあるテーブルに用意してくれた。

「「ありがとうございます」」

 私とミカヅキさんはテーブルの席に着いた。ハルさんも向かいの席に着いた。


「どうですか私は上達していますか?」(ミカヅキ)

「そうですね、あなたがここに来た時と比べればかなり上達しましたよ。特に思考が柔軟になりました」(ハル)

 ミカヅキは褒められて顔を赤くして喜んでいる。


「私はどうですか?」(セシル)

「あなたはまだ薙刀への熟練度が足りないよです。時々刃筋がずれますし、斬撃にブレがあります」(ハル)

「そうですかあ」(セシル)

 評価はまだまだという感じかな。頑張らないと。


「でもね、そこが安定したらマイアさんや私と練習が出来ます」(ハル)

 これはハルさん達が一方的に教えるのではなく彼女達の練習になると言ってくれているのだ。

 励みになる。努力すれば彼女らの段階に進める。


「ハルさんはどういう訓練をしてきたのですか?ジュンヤ様とはどういう出会いがあったのですか?」(ミカヅキ)

「私は、幼い頃から父の手ほどきを受けて来ました。でも父が死んでからは殆ど練習が出来ませんでした。生きるのに精一杯だったんですから」(ハル)


「ハルさんのお父さんが亡くなられたのは6年前ですよね。それからどうしたんですか」(セシル)

「それから私は村長、今のソルトレイク市長ですね、に養って貰っていました。もちろん村の仕事していました。

 御主人様との出会いは去年、突然オークが現れるようになって、今までは精霊様の加護で現れてもすぐに出て行くんですけど、何日も村に居座って、私が精霊様にお願いに行くことになったの。でも塩湖の手前でコボルトの群れに襲われたんです。もうだめと思った時にご主人様が助けてくれたのよ」


「コボルトに苦戦したんですか?」(セシル)

「無理ですよ。なにせその時の私って身長は140cmそこそこ、体重は30kg無かったと思います。父の形見の双剣も振ることが出来なかったのですから」(ハル)


 私達の顔を見て話を続けた。多分聞く気があるか確認したんだと思う。しかし去年が140cm、30kgって、今見ると160cm、50kgぐらいに見えるけど、一年でそんなに大きくなれるものなの。


「一年でそんなに成長したのですか?」(セシル)

「私も良く分からないのだけど一日でというか数秒で成長しました。ノーラ達が進化した時に私にたくさんの魔力が流れ込んで私は年相応の体に成長したのです。

 ようやく父の双剣を使うことが出来るようになりました」(ハル)


 ハルさんはニコッと笑いました。そして続けました。

「ご主人様と居ると不思議なことがいろいろあるのです」(ハル)


「ハルさんはジュンヤ様一筋なのですね」(セシル)

「はい、初めて会った時からご主人様と添い遂げると決めていました」(ハル)


「へええ、いいなあ。私は未だに男の人好きになったことがないのに。セシルはどうなの?」(ミカヅキ)

「わ、私はこの間まで聖女でしたからそのようなふるまいは出来ませんでしたが、ジュンヤ様を知ってから憧れているのは事実です」(セシル)


「そうだよねえ。良い男だし、優しいし、金は持ってるし、三拍子そろってるよ」(ミカヅキ)

「独占するつもりはありませんが、あなたはご主人様の依頼を全うしてからにして下さいね」(ハル)

「ハーイ、解ってますよ。竜人族のためにもヤマト国と国交を樹立しないとな。まさか私が国家の為に動くなんて信じられないけどね」(ミカヅキ)


 二人が練習に戻ったのでハルは家の食堂に向かった。


 ソルトレイク 俺の家 執務室 エルザ

 ガーランドとの定期連絡が終わってほっと息を抜いた。最近、陛下が母が復活したことを知って、話をさせろとうるさいのだ。

 今日も私とオリビアを使って念話で惚気まくるのだ。いい加減にして欲しい。


 ハルさんが飲み物を持って現れ、私、マリーさん、ジュンヤ様に配っている。

『おーい、ダークネス!体は出来たんかいな』(キュービ)

『それがな。魔人国のキーンとやらは精霊鎧を持っていると聞いてな。肉体を持たない方が良いのではないかと思っている』(ダークネス)

『お前でも精霊鎧に操られるのは嫌なんかい』(キュービ)

『それは嫌だ』(ダークネス)

 私達の念話で精霊同志会話している。ダークネスはハルさんにキュービは私の母親で精霊だ。


 マリーさんがジュンヤ様の横に行く。

「ジュンヤさん父が本部の引っ越しが一段落したので、ガーランドのギルド本部に来れないかと打診がありました。」(マリー)


 マリーさんはギルド会頭のお孫さんでお父さんはNO.2です。マリーさんはここへ来た当初は一族の序列20位近かったと聞きましたが。今、ギルドの利益の20%を占めるヤマト国の担当として一桁前半まで序列を上げたと言われています。


 そのマリーさんですが、この前叔父さんの葬儀の時にジュンヤ様との結婚の報告をしたらしく、ジュンヤ様に会わせろと言って来ているそうです。しかしギルド本部がクレアンスからガーランドに引っ越したことで、なかなか暇が取れず、ジュンヤ様に来てくれと言っているのです。


「そうだなあ、挨拶には行かないとな。来週位なら何とかなるかな」(ジュンヤ)

「そうですね来週後半なら行けそうですね。父のスケジュールを確認しておきます」(マリー)

 マリーさんが一瞬にやけたのを見逃さなかった。ちなみにマイアさんの所は、獣人国の鉄道完成式の時に訪れるつもりらしい。


 私もジュンヤ様と結婚するのだろうか。確かに憧れては居るけどこれが愛情なのか分からない。

 オスカーがガーランドに帰るまでに結論を出せばいいだろう。あと2年はある。

 だけど変、マリーさん、マイアさん、ハルさんとジュンヤさんは結婚するというのに彼との結婚を望むと言うのはおかしいのではないか。

 昔、母君や陛下の愛情がオスカーに注がれた時には嫉妬の感情を覚えたのに今は何も感じない。なぜなんだろう?。

 私がまだ子供だからだろうか?。


エルフ国 某所 謎の男

「アーモデウスもつぶされたか。次はどうするかな?」(男)

玉座の間には体格の良い中年男が玉座に座り、周りを魔翅族、エルフ族が囲んでいた。

「鬼人国と竜人国を滅ぼして東大陸を統一しましょう」(エルフ)

「しかしこのままヤマト国の伸長を放って置くわけにもいくまい。それに3人の仇も討たないと」(魔翅族)

「ふむ、今までの策でヤマト国の伸長を妨害してきたが、足場を固めた方がいいな。良し、まず鬼人国を取る」(男)

次回、鬼人国にエルフ国が攻め込みます。

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