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第三十七話 移民団到着とセシル初出撃

ようやくギズモニアの移民団が着きました。

新入りのセシルとエルザの初仕事です。

 ギズモニアの教会で聖魔力を貰った俺達はソルトレイクに帰った。エルザとセシルの二人を仲間にしたし、チャールズさんも移民を連れてやってくる。俺は何処に向かっていくべきなのか?


 大河に面した港町オタル チャールズ

 チャールズはギズモニアの宰相だったのだが政変に敗れ、国外追放になった。それだけなら良かったのだが、戦争で国が疲弊していたので政敵が我領の現金・食料の殆どを奪って行った。

 私はジュンヤ殿にお願いして領民の移民受け入れとその支援をお願いした。


 そして今、領民2万8千人を引き連れて、オタルの町に着き、取り敢えずジュンヤ殿が全員と隷属契約をする。一度隷属の生活をしてその後継続するかを考えることにした。


 一泊して次の朝、港湾労働者や港で商売をしたいものなど約200世帯が残り、後はソルトレイクに向けて出発した。

 もちろん徒歩だ。老人や子供などの足弱者は馬車に乗れるように、荷馬車だが二百台ほど用意されている。


 20km位で最初の農村サッポロに約300世帯が移住するため分かれて行った。

 もうすぐ、麦や野菜を育て始めるので人手はいくらあっても良いと言うことだった。


 もう10km位歩くと今日の宿泊地に着く。ジニアまではもう近い。道が石畳で舗装されているので、ギズモニアで移動した時より圧倒的に楽だ。


 食料は3万人1か月分を次元収納に入れてあり、かなり余裕だ。家も大体持ってきたので宿泊も簡単だ。

 3万人近い人間が移動するというのにまるで労力を感じない。ジュンヤ殿はやはり大きい。私の中で彼は神に近い存在に思える。


 次の日ジニアで外務の仕事をする人間をタマ市長に預けた。

 ジュンヤ殿はジニアを対外的な首都、ソルトレイクを対内的な首都と位置付けている。


 ここからは森の中を通るのでタマサブロウさん達が護衛してくれる。まれに獣人国側から魔獣が流れてくることがあるそうだ。


 ソルトレイクの手前で夜営して翌日出発した。


 昼前くらいにソルトレイクに到着した。

 元領民たちは外壁の威容に驚き、歓声を上げる。ジニアが立派だったので、それ以上の威容を誇るソルトレイクに希望を見出したのだろう。


 外壁の中は広い農地といくつかの工場や倉庫、そして店舗の並ぶメイン通りを行くと私も何度か利用した迎賓館。その奥には内壁が有り、正面には門も見える。

 その近くにあるだだっ広い軍の訓練場で昼食を取った。


 昼食後、製鉄の町ヤハタ、水田の町ウオヌマ、炭鉱の町ミイケに行くものは東の門を出る。

 そこには汽車の駅があり、進行方向をヤハタに向けた汽車が待機していた。


 線路は突貫工事でヤハタからミイケまでは開通した。これからはソルトレイクからオタルへ線路を敷く予定だ。距離も無いのですぐに敷けるだろう。


 まずヤハタに向け汽車は走った。

 汽車が走り始めると汽車の音に負けない歓声が上がり、汽車を見送った。


 30分後にはここに戻って来て今度はウオヌマ、ミイケに向けて走る予定だ。

 私はそれを待っている訳には行かないので、訓練場で待つ元領民の元に戻った。


 今度は内壁の中に入る元領民に対して、生活の仕方や家の番号などを知らせた。

 ここからはこの町の職員たちも手伝ってくれるので比較的楽になった。

 その日の夕方には皆それぞれの家に入って、配給した食糧で夕食の準備を始めている。


 この期に独立を目指す若者は独身寮が有り、そこに入る

 独身寮は朝食・夕食が付いて、希望者には弁当も作る。

 ちなみにこの独身寮には男女の区別が無い。犯罪を起こせないので女性も安心なのだが、まだまだ女性が家から出るには勇気が要ってほとんど男性が住んでいる。


 風呂は湯沸かしの魔道具が高いので、各戸には付いてないが共同浴場が各所にある。


 明日は全員が休みでこの町に慣れて貰う、明後日からそれぞれが働きに出る。


 私の家はというとジュンヤ殿の家の近くに建てられていた。

 妻と子供はもう家に入っている。さて私も家の片づけを始めるか。


 ******


 ソルトレイク ジュンヤの家 執務室 ジュンヤ

 もう春の便りが聞えてくるころ。

 俺は、一挙に増えた人口を使ってやることを考えていた。

 服や寝具が足りなくなるだろうから綿花の畑を作らなくてはいけない。

 それに合わせて糸、布、服を作る工場を作らなきゃ。

 紙も欲しいな。製紙工場も欲しい。


 俺の考えをマリーが優先順位を付けて各所に振り分ける。

 マリーはヤマト国の代表をチャールズさんに譲って、ギルドも他の者に任せて、忙しくなった俺の秘書になった。


 ソファーではドワーフの3人が頭を抱えている。

 俺の頭からアイさんが拾った機械の図面をマリーが書いて、ドワーフが作るのだが材質が分からないので頭を抱えざるを得ないのである。

 試作を繰り返して直していくしかないのだ。


「お爺さんに頼んで応援貰わないとパンクするしちゃうわ」(カンナ)

 機関車の製造がやっと軌道に乗ったところだし、蒸気機関の需要はうなぎのぼりだ。ドワーフたちも

 メンテナンスに駆り出されることも多い。


「マリーさん ピョートルに飛んでもらう人いるかしら?」(カンナ)

 ピョートルはドワーフの国ブロガリアの鍛冶屋組合BSコープの本部がある街だ。カンナの祖父デジレが組合長をしている。


「そうねエルザさんは空いていると思うわ。聞いてみるね」(マリー)

「エルザさんって皇女様よねえ。良いの?」(カンナ)

 エルザはガーランドの皇女で狐獣人、ガーランドが西大陸に手を出さない約束の質として弟と共にソルトレイクに居るが彼女自体は世界の王の眷属らしい。


「大丈夫だって。すぐこっちに来るから場所を教えてあげてね」(マリー)


 ******


 獣人国 ヤマト国との国境に近い村 セシル

 セシルとマイアさんは獣王の要請で、以前従属に逆らったためジュンヤ様が獣王に返した村にきていた。


 この村で魔獣の大量発生があったと言うのだ。緊急性が高い為、速く駆け付けられるヤマト国に要請があったのだ。ちなみに獣人国軍は駆け付けるまで一週間ぐらいかかる。


「ご苦労様です。この村の村長です」(村長)

 年配の男が頭が地面に着きそうな勢いでお辞儀してきた。

「ヤマト国近衛隊隊長のマイアだ」(マイア)

「同じく副隊長のセシルです。状況をお聞かせ願えますか?」(セシル)

 一応外に出るについて何らかの肩書がいるだろうと言うことで、こうなった。


「はは、お手数をお掛けして申し訳ございません。実はオークの群れが村に現れ、エサが無いのか?村人が襲われまして、今は門を閉めて村の中に籠ってる状態です。村の塀は御覧の通り丸太を打ち込んだだけのものでそんなに長くは持たないでしょう」(村長)


 凄く腰の低い村長だ。本当にジュンヤ様を馬鹿にして従属を拒んだのだろうか?

「分かった。主にどちらから来るのだ?」(マイア)

「あちらです」(村長)

 村長は西の方向を指差した。


 私達は西の塀の上に立って辺りを眺めた。

『アイさん、オークが居ますか?』(マイア)

『見える範囲には居ません』(アイ)

 アイさんは私達の五感を使って探索をするが、この辺には居ないみたいだ。


「マリーさんも連れてきたらよかったですね」(セシル)

「彼女は師匠の秘書で忙しいから駄目だ」(マイア)

 マリーさんなら魔力感知も出来るので探索範囲は数倍になる。


「では、どうしますか?」(セシル)

「森の中で戦うのも厄介だから待つか」(マイア)

 塀の上に腰掛けてオークの出現を待つことにした。


「マイアさんはジュンヤ様と婚約しているのですよね」(セシル)

 暇なのでマイアさんに質問をしてみる。マイアさんは私を鍛えてくれており、ソルトレイクでは一番仲が良い。

「そうだが」(マイア)


「ハルさんもマリーさんもなんですよね。やきもちとか焼かないのですか?」(セシル)

 3人と一回に婚約したジュンヤ様。ちょっとおかしいような気がします。

「ふむ、やきもちか。考えた事も無かったな。私は師匠が嫁にしてくれるだけで天にも昇る気持ちだった。他の事が気にならない位にな。それにハルもマリーもずっと一緒に居たいと思っている」(マイア)


 本当に感じてないみたいだ。羨ましい限りだ。私も世界の王の眷属みたいだし、ジュンヤ様と結婚するんだろうか?。ああ、急に暑くなってきた。あまり考えないようにしよう。


 ******


 アルミア上空 カンナ

 私はエルザさんに背負われて、ブロガリアの祖父にヤマト国への派遣人員の増員をお願いするために飛んで向かっている。

 相当なスピードが出ているのだろうけど、私達の周りには空気の壁があり、私は風も感じない。


「エルザさんはやることは決まったのですか?」(カンナ)

 オスカー君はソルトレイクの学校に通い始めた。学校と行っても学問の勉強と実務の半々で教えているらしい。実務は集団生活、リーダーシップ、DIY、家事など多岐に渡る。

 メイドのシルビィさんは秀でた家事能力を買われて、学校で家事の先生をやっている。


「それがまだ決まらないのよ。私も世界の王の眷属だから、何かジュンヤ様の役に立たないといけないのだけど」(エルザ)

「ジュンヤさんが世界の王って認めちゃったんですね。大体でも分からないのですか?」(カンナ)


「もう広まっちゃったからね。今更秘密だとは言えないわ。ジュンヤ様は認めてらっしゃらないみたいだけど。仕事は私はマイアさんやセシルの様に戦うことは出来ないから、マリーさんみたいにジュンヤ様を手助け出来ないかと思っているのよ」(エルザ)


「カンナさんは眷属じゃないのかしら?感じるものがあるのだけれど」(エルザ)

「やめてくださいよ。眷属なら応援なんか求めないでパパッと解決してますよ。ハハ」(カンナ)


「そうですか。それで応援は貰えそうなの?」(エルザ)

「どこでもそうなんでが次男坊以下は、独立も難しいから長男に安い給金でこき使われなきゃいけないんです。女性も次男以下が貧乏で結婚できないから長男と結婚できないと、妾や娼婦しか需要が無くって。その点ソルトレイクに来ればすぐに独立できますからね」(カンナ)


 ******


 獣人国 ヤマト国との国境に近い村 セシル

 塀の上で待つこと一時間、やっとオークの群れがやって来た。群れは約20頭、ハイオークもいる。


「行くぞ!!」(マイア)

 マイアさんは塀から飛び降り、オークの群れに突っ込んで行く。

「はい!」(セシル)


 私の得物、棒は人間相手なら十分な威力を持つが、魔獣相手ではいささか心細い。

 そこで魔力で槍の穂や刃を付けられるように訓練した。


 目の前のオークの心臓を貫くと後ろに回ったオークの腕を切り上げる。

「ギャアアアア」

 オークの腕が飛ぶ。次の回転でオークの首を裂く。


 私はオークを次々と倒していく。マイアさんを見るとすでに殆どのオークを斬り倒し、ハイオークも肩口から斬り裂いた。


 これで群れをすべて倒した。

次回、セシルはオーク退治にエルザはドワーフの脱出に活躍します。

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