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第三十五話 モンク僧聖女と天翔族

聖魔力を貰いにギズモニアの教会に向かいます。

 ガーランドの侵攻は六肢族の謀略だった。それを打ち破ったジュンヤは皇太子と皇女を人質に貰った。

 俺は皇太子オスカー、皇女エルザ、メイドシルビィ、騎士ハンナ・オリビアと隷属契約をした。

 オスカー、エルザ、シルビィはヤマトに居たいというので俺の家に住まわす。

 ハンナとオリビアはガーランドに帰ることになったので通信員として働いてもらうことにした。


 次の日、ギズモニアの通信員はガスパールの政変で、王から遠ざけられていたので連絡を取ってみた。

 通信員は王の近くに戻され、此方の要請した人事が行われて、親ヤマト政権になったようだ。

 教会の事を聞くと正教会系の教会があって聖女がいるらしい。行って見なければ、アーリア様みたいに俺を待っていてくれる人がいるかもしれない。王の紹介状を用意しておくようにお願いする。


 その日はハンナとオリビアをガーランドに送って行くが次の日は行ってみよう。

 ガーランドに行くと二人が通信員となったことを皇帝に報告する。


「では二人に言えば君と会話が出来るということだな」(皇帝)

「そうです。こちらから連絡することもあるので二人を謁見できるようにしておいてください」(ジュンヤ)

「他の国にも通信員を置いているのか?」(皇帝)


「はい、獣人国、アルミア、ギズモニアに置いています。あくまで相手国の人達なので情報を収集したりは出来ません。言えない事は言わないでも良い契約です・・・・」(ジュンヤ)


 ******


 チャールズさんに移民の様子を聞くとまだ二日ぐらい掛かると言うので教会によりがてら様子を見ることにする。


 その教会は王都ターレスから南西に200km位離れた町にある。

 ソルトレイクからだと千km以上あるな。一日仕事になる。

 3人娘、聖獣達に予定を聞くと、抜けても大丈夫な仕事ばかりだったので行くことにする。全員揃ってないと意味無いしね。


 その次の日、出発しようとしたらエルザとオスカー、シルビィさんが居る。

「どうしたの?」(ジュンヤ)

「私達も連れて行って下さい」(エルザ)

「行っても退屈なだけと思うけど」(ジュンヤ)

「なぜか行かないといけない気がして、仕方が無いのです」(エルザ)

「何かあるのかな?まあいいか」(ジュンヤ)


 マリーにオスカー、ハルにエルザ、マイアにシルビィさん、アステルにノーラ、ボルクにレイコで各々おんぶして出発だ。俺は一人で王城に行って紹介状を貰う。

 一人で飛ぶと倍の速度を出せるのですぐに追いつける。


 3時間後、教会に到着した。

 教会の門では1.8mの棒を持った修道僧が門番をしていた。

 王の紹介状を見せるとすぐに聖女の所に案内された。


 教会は広い敷地を持っており、その半分は僧が棒術や素手での格闘の練習をしている練習場だ。

 門番の僧がニコニコと笑いながら教えてくれた。

「我宗派では教義を守る為に戦うことが推奨されております。内緒の話なんですが、現在ここで一番強いのは聖女様なんです」(門番僧)

 俺達に試合しろとか言われないよな。


 教会の奥まった一室に聖女は居た。隣に着飾った服を着た人が居た。司教くらいか?

「お初にお目にかかる。ヤマト国の主席ジュンヤと申します」(ジュンヤ)

 聖女は年の頃は十五、六、茶色の髪で、可愛い顔をして、修道服を着ていた。


「はい、私がこの教会の聖女をさせて頂いているセシルと申します。どのような御用でしょうか」(セシル)

「この教会には聖魔力を集めてらっしゃる方は居られますか?」(ジュンヤ)

 セシルは警戒している。これは当たりかな。

「会うには厳しい条件があるので、お諦めを」(セシル)


 俺は待ってましたとばかりに聖獣達を見た。ノーラが頷く。

 前にノーラ、後にアステル、左にボルク、右にレイコ、後にハル、マリー、マイア、エルザ。

 え、なんでエルザが?。まあいいか。聖獣が聖獣形態になる。

「これを見てください。これで条件は適うでしょうか?」

「あなた様は世界の王なのですか?」

 セシルと司教ははひれ伏した。


 俺達は元に戻って聞いた。

「これで会わせていただけますか?」(ジュンヤ)

 聖女は間を置いて顔を上げた。

「・・・・・・あ、すいません。聞いてませんでした」(セシル)


「これで会わせていただけますか?」(ジュンヤ)

「はい、、、はい、もちろんです。はい」(セシル)

 聖女は慌てて立ち上がった。


「司祭様よろしいですよね」(セシル)

「はい、ジリオラ様の所へ案内をお願いします」(司祭)

「申し訳ありませんが先ほどの事は内密にお願いします」(ジュンヤ)

 二人の了解を得ると聖女の案内で聖魔力を貯めているであろうジリオラ様の所に向かう。


 ジリオラ様の部屋は反対側だというので歩いていると急に外が騒がしくなる。

「済みません。外で何かあったようです。見てきますのでここいらでお待ちください」(セシル)

 聖女は外に走り出て行った。外の喧騒はますます激しいものになっていった。


 俺達も外を覗くと練習場で何十人の僧が固まっている。

 問題は僧が次々とはね飛ばされていることだ。

 そこに向かって聖女が駆けていく。途中で修道服を脱ぎ捨てるとTシャツとショートパンツ姿になった。


 倒れている仲間の棒を拾うと騒ぎの中心に向かう。

「俺達も行った方がよさそうだな」(ジュンヤ)


 なぜなら僧が少なくなって騒ぎを起こしてる奴が見えるようになった。

 中心に居る二人の背中には白い鳥の羽があった。六肢族だ。

 ガーランドで俺達が倒した奴らとは別の種族だ。


 セシルは駆けていく目の前で修行僧たちが翼の生えた人間にやられていく。

「どういうことですか?説明しなさい!!」(セシル)

「はいこいつらがやってきていきなり教会に入ろうとしたので、制止しようとしたら攻撃してきたのです」(修行僧)


「皆!!一旦下がりなさい。そこの方!!教会に何の用でしょうか」(セシル)

 修行僧は六肢族の周りを離れる。


「君はそこそこ出来そうだねえ。私はカール、ここに強い奴がいると聞いて来たのさ」(カール)

「俺はクルツ、カールの仲間だ」(クルツ)

「では試合を所望ですか?」(セシル)


「君が魔翅族ましぞくをやっつけたのかい?そうは見えないねえ」(カール)

「魔翅族って何ですか?言っていることが分かりません」(セシル)

「まあ、やってみればわかるだろ」(クルツ)


 クルツは修行僧から取った棒でセシルに殴りかかる。電光石火の一撃だ

 セシルは棒の中ほどを握り、片側でクルツの棒を受流した勢いで、もう片側を使ってクルツの手を撃つ。


 クルツは片手を離し、棒を持つ手を避ける。

「ほう、まともな反撃は初めてだ」(クルツ)

「話し合いは出来ないようですね」(セシル)


 セシルは棒を体の正面で、扇風機の様に回転させるとクルツに突進していった。

 クルツは棒を剣の様に構えていたが、セシルの嵐のような連続攻撃に次第に受け切れなくなってくる。

 セシルの棒は右から左へ、上から下へ自由自在に伸びてくる。


「ええい、うっとおしい」(クルツ)

 クルツは棒を放り投げると前面に魔力障壁を張る。

 セシルの攻撃はすべて弾かれる。


 クルツは魔力障壁の中で炎の塊を作り出す。

「よく頑張った。褒美だ」(クルツ)

 バリアを破裂させセシルを弾き飛ばし、炎の塊をセシルに向けて打ち出す。

「馬鹿!!殺すなよ!!」(カール)


「キャー!!」(セシル)

 バリアに弾き飛ばされ、炎の塊が迫ってくる。セシルは命が断たれる覚悟をした。


 聖女に選ばれてから自分は特別な存在で、人々の為に何か大きなことが出来ると信じていた。

 それなのにこんなことであっさり死ぬなんて、私ってそれだけの存在だったの?


 あれ、死んでないの。熱くも無いし。

 ゆっくり目を開けると、私の前に魔力障壁があって炎の塊は四散していた。


「弱い者いじめに興じるとは、余程低俗なのだな六肢族!!」(ジュンヤ)

 突然現れ、聖女を助けたジュンヤに身構えるクルツ。


「もしかして君が魔翅族を倒したのかな」(カール)

「魔翅族って背中に蝙蝠みたいな羽のあるやつか?それなら倒したぞ」(ジュンヤ)

「そう、ありがとう。私達は魔翅族が掟を破って四肢族に手を出したと聞いて退治しに来たのさ」(カール)


「じゃあなぜ修行僧を襲った」(ジュンヤ)

「このクルツが魔翅族に勝った四肢族を確認したいって言うもんだからねえ。私も興味あったし」(カール)


「俺がここにいるとなぜ分かった?」(ジュンヤ)

「私達の仲間に探索の得意な奴が居るんだ。ついて来てくれなかったけどね」(カール)


「こいつと後ろの女は強そうだ。戦って見ないか」(クルツ)

 俺とハルとマイアを指差し、クルツが言った。


「駄目だよ、クルツ、あなたさっきこの女の子を殺し掛けたじゃない」(カール)

「いや、それは、・・この女がちょっと強かったから・・」(クルツ)

 カールに責められたクルツはしどろもどろになってる。

 そう言えば倒された修行僧たち打撲位で骨折もしていなかった。ちゃんと手加減してくれてたんだな。


「この人たちはその女の子より強いんだよ。あんた絶対に本気になっちゃうでしょ」(カール)

「あの、その、・・・・・帰っても言わないでくれるか?」(クルツ)

「駄目よ!!あんたは反省しないとまたやっちゃうでしょ」(カール)


 二人の六肢族のやり取りを呆れながら聞いているとカールと呼ばれた六肢族が俺達の方に来た。

「私は天翔族のカールと言います。この度はご迷惑をお掛けしました。申し訳ありませんでした」

 後でクルツも頭を下げている。


「私達、六肢族には四肢族に干渉するなと言う掟が有ります。今回魔翅族がこれを破って多大な迷惑を掛けた訳なのだけど、私達天翔族も魔翅族を見張っている訳でもないので、この度のようなことがあるかも知れません。そこでこの魔道具を渡しておきます。これを使えば私達と連絡することが出来ます。これがあっても私達が来るのに一月は掛かるでしょうが抑止力にはなります。あなたに持っていて欲しい」(カール)


 俺はギズモニア、アルミア、獣人国、ガーランドに通信員を持っている。魔道具を持つのに適任だろう。


「魔翅族を見張るわけにはいかないのでしょうか」(ジュンヤ)

「あなたはそうですね、東大陸の国が六肢族の国に攻め込んだとして責任を取れますか」(カール)

「無理ですね。分かりました」(ジュンヤ)


「もう会うことも無いかと思いますが、さようなら」(カール)

 二人は東の方に飛んで行った。流石に暗黒大陸までは飛んで行けないだろうからどこかに船を泊めているのだろう。


 聖女はもう修道服を着ていた。

 セシルは内心、自分の弱さを悔やんでいた。ハルさん、マイアさんには武道で勝てない気がする。

 聖獣の4人にも勝てそうもない。私は今まで何をしていたのだろう。そんな考えに囚われていた。


「セシルさん、ジリオラ様の所へ連れて行ってもらえますか」(ジュンヤ)

「あ、はい。お待たせしました」

 セシルは聖女としての自分を取り戻した。

次回、聖魔力を貰うと驚くべきことが・・。

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