第二十九話 国の名前と家族の絆
国や街の名前を決めます。
3人娘や聖獣達との絆を深めます。
ドワーフの3人を蒸気機関車の製作の為に連れて来たジュンヤ、さて蒸気機関車の試作は成功するのか?。
カンナ達を独身宿舎に案内して、荷物を収納から出して部屋に入れた。
食堂で昼食を食べながら話をした。
「さてと実はここに居る人間はすべて隷属契約して貰ってる。これは秘密を守る為で決して強制労働とかはさせていない。君達も契約して欲しいが強制はしない。
秘密を守る契約だけでも良いんだが、隷属契約をするともれなく精霊魔法を使えるようになるので、推奨している」(ジュンヤ)
「魔法が使えるようになるんですか?どんな魔法が使えるんですか?」(カンナ)
3人共食いついて来た。普通の人間は魔法を使えないから憧れるんだよな。
「土、風、水、火の属性の初級魔法が二つと念話が普通かな。大体職業に合わせた魔法が多いから火か土になるんじゃないかな」(ジュンヤ)
3人で話が盛り上がってる。通りかかった食堂のおばさんに聞いてみた。
「おばさんはどんな魔法が使えるようになった?」(ジュンヤ)
「私はスピットファイアとウォータージェットです。その魔法は使ったことないけど火を熾したり、水が必要な時は便利よ」(おばさん)
おばさんがVサインをすると人差し指からは火が、中指からは水が出た。
「取敢えず秘密保守の契約だけしてくれるかい」(ジュンヤ)
「いえ、私達は隷属契約が良いです」(カンナ)
「そうなの、じゃあちょっと待ってね。・・はい、出来た。嫌だったら言ってね。書き換えるから」(ジュンヤ)
3人共、魔法で頭が一杯らしいので、今日は職場での紹介は止めておこう。
「魔法は、門を出た所に訓練場があるからそこで練習してくれ。あまり使うと魔力が無くなってしんどいからそこそこにした方が良い。それから絶対に人に向けないでよ。明日は8時半にこの食堂に集合して、職場に案内するから」(ジュンヤ)
3人は訓練場に向かって走っていった。
入れ替わりにマリーが来た。
「ジュンヤさん、決算の資料が出来ましたので確認願います」
「分かった執務室に行くよ」
俺がこの世界に来ておよそ一年、取り敢えず一年の収支を出して置きたい。そう思って決算報告をして貰ってる。
取敢えず各拠点の担当者が来ているので去年の事は解っているだろうし、今年の行動指針を発表しておく。
「現在、北から大河の港町、新開拓の小麦・ジャガイモ中心の新村、ジニア、鉄鉱石採掘及び製鉄の町、ソルトレイク、塩湖、新開拓の水田村、石炭採掘村、南方作物研究所がある。
それに蒸気機関車で北から南までを繋げば一つの経済地域として活動できる。
更に一年間手を入れて拠点として安定した資産を生み出してくれるようにしたい。
今年の目標は蒸気機関車で南北を貫くこと。
鋼鉄の生産を安定させること。
新開拓の農業施設をフルに活用すること。
南方作物の生産方法を確立し、生産を開始する。
南の海に港を造り、製鉄所、造船所を造り特産品を中央大陸や、東大陸、更には他の大陸に輸出する。
まあ最後は今年中には無理かもしれんが形に出来るように持って行きたい」
「ジュンヤ様、我々は去年まで着の身着のまま、食べ物は一日に芋一個かトウモロコシ一本、住居は掘っ立て小屋に住んでました。ところが今はどうでしょう。休日にはおしゃれをして店を回り、食べ物は3食それも肉や卵が当たり前のように付く、住居は石造りの立派な家。しかも読み書き、計算は子供でもできる。皆、貴方が与えてくれました。我々は貴方の教えの通りに行動します。何でも遠慮なく仰ってください」(村長改めソルトレイク市長)
まあそれは狙っていたところなので気にしないで良いよ。現在ジニアと大河の港以外は概ね共産制を取っている。これは隷属契約があるから可能な体制だ。
例えば農業も何十人かでやっているが個人の田畑では無く共有の物だ。作った作物も共有の物となる。関わった人間には公平な賃金が支払われる。もちろん別に家族手当とかはあるが。
ここで問題になるのがさぼった人間も頑張った人間も賃金が同じという点だ。労働意欲が無くなっていく。
そこで隷属契約が有効になる。さぼる人間が居なくなる。上部に不満を抱かない。労働意欲も自分たちが裏切られることが無いので高いままである。
もちろんこれには俺が絶対に彼らを裏切らないという事実が必要だ。それが彼らの厚遇だ。他の国の住人の事はある程度は知っているので満足しているのである。
「ジュンヤ様、お願いがあるのですが。そろそろ国の名前を付けて欲しいのと各拠点にも名前が欲しいです」(タマ ジニア市長)
「それなら考えて来たぞ。国名はヤマト、代表は取敢えずマリー、大河の港はオタル、北の開拓地はサッポロ、鉄鉱石採掘地はヤハタ、水田開拓地はウオヌマ、石炭の採掘地はミイケ、南方作物研究所はカゴシマだ。それからオタルの重要性が増してきたことからタマジロウをオタル市長にする」
俺は日本の地名を思いついたまま名付けた。え、鹿児島に農業のイメージが無いって、目の前に火山島があるからほら桜島みたいじゃない。
今、ヤマトの弱点は施政者の経験が浅い事だ。しかもソルトレイク市長の家族に頼っている。
南の方は移民の元首長達を使っているが、国をまとめる者がいない。
俺か、俺はぶらぶらしたいから嫌だし、面倒臭い。今はマリーに預けているが、将来的に嫁にする約束をしているので永続的には無理だ。どうしよう、まあ先送りだな。おっとマリーに睨まれた。顔に出てたかな。
各拠点の代表報告が終わり、会議は解散した。
俺は夕食を食べた後、3人娘を執務室に呼んだ。
「この村の依頼を始めて一年近く経った。俺は君達との関係をはっきりすべきだと思ってる。何時までも俺の都合で引っ張り回すのは俺としても心苦しい。俺は君達が好きだ。俺としてはすぐに結婚と言う訳には行かないので、君達さえよければ婚約と言う形を取りたい。どうだろうか?」(ジュンヤ)
俺はなるべく彼女たちの気持ちに寄り添った形にしてあげたい。
彼女たちは驚いた表情をしているが返答はない。俺は続ける。
「本来なら一人一人に言うべきだが、君達に順番は着けたくない。解って欲しい」(ジュンヤ)
「私はご主人様の奴隷です。ご主人様と一緒に居られるならどんなことでもします」(ハル)
「お前は俺の秘書兼メイドだと言ったろ。そんな言い方はしないでくれ。それで良いのか?」(ジュンヤ)
「はい、よろしくお願いします」(ハル)
「私は元々、ジュンヤさんに結婚して欲しいと言って押し掛けた女です。ありがとうございます」(マリー)
「こちらこそありがとう。君には随分助けて貰っている」(ジュンヤ)
「私も良いのですか?私なんて何の役にも立ってないのに」(マイア)
「君は俺の近衛隊長だろう。君がそばに居るだけで安心できるよ」(ジュンヤ)
「ありがとうございます。師匠!!」(マイア)
マイアは泣き出してしまった。つられてハルも泣き出し、マリーも涙ぐんでる。こんなに想っていてくれたのか。俺は嬉しくて涙腺が緩んでしまった。
前の世界では犯罪行為だが、この世界では認められているので、美少女3人と結婚しても問題ない。
それにこの世界では女性が20歳を過ぎると行き遅れと言われるらしいからな。
「来年の今頃、君達がまだ俺を好いていてくれるなら結婚しよう。まだ子供が育てられる環境を造れないからエッチなことはもその後だ」(ジュンヤ)
「「はい!!」」
うん、一人ポカーンとしている奴がいる。マイアだ。
「結婚しないと子供は出来ないのでは?」(マイア)
これはいかん。こいつエッチを知らない?どうする、年頃の女の子にあの事教えるなんて恥ずかしくて出来ない。
「君は赤ちゃんがどうしたらできるのか知らないのか?」(ジュンヤ)
一応聞いてみる。
「知ってますよ。それ位。男女が結婚すると女の人のおなかに赤ちゃんの元が出来て、それが十月十日経つと赤ちゃんになって出てくるのです。エヘン」(マイア)
それをドヤ顔で言われてもねえ。
「ちょっと失礼します」(マリー)
ハルとマリーがマイアを隣の部屋に連れてった。
暫くすると兎の耳まで真っ赤にして戻ってきた。
「マイア、君もいいかな?」(ジュンヤ)
「は、はい・よろしく・お願いします」(マイア)
消え入りそうな声だ。この年であれを初めて知ったらショックだろうな。
「でも、ハグくらいは良いんでしょう」(マリー)
そう言って抱き着いて来た。
「あ、マリーずるい」(ハル)
ハルも抱き着いて来た。マイアは恥ずかしがってる。
「マイア、お出で」(ジュンヤ)
マリーとハルが開けた場所にマイアは飛び込んできた。
俺が風呂から上がると先に風呂から上がっていた聖獣達が話があると言って来た。
娘達を風呂に行かせ、執務室で聖獣達と話をすることになった。
「僕達が聖獣になって変わった事が大体分かったので報告します」(アステル)
「まずね、私達は以前より強い感情を持つようになったわ。人間みたいにね」(ノーラ)
「僕達が精霊によって作られる前に元々の体があったんじゃないかと、それの影響じゃないかと思われます」(アステル)
「本聖書に出てくる四聖獣か?」(ジュンヤ)
「多分そうだと思います」(アステル)
「魔法も随分変わったわ。リセットした、と言った方が良いくらい。これを見て!」(ノーラ)
ノーラの手から石の爪が伸びる。
「これはストーンニードルを指から生やしたんだけど、もちろん違う形でも出せるし、これはどういうことかというと」(ノーラ)
爪の形を長方形や円筒などに変えながら説明する。
要するに体の表面なら聖魔力でどんなものでも作れる。そしてこれが凄いのだが、地球から直接聖魔力の供給を受けるので、前みたいな魔力切れになることが無い。
そして有り余る魔力で精霊魔法はもちろん、属性には縛られるがかなり自由に魔法を創造できる。
「それじゃあ、もう精霊契約は要らないのかい」(ジュンヤ)
俺が寂しそうに言う。
「そうね、魔力の供給が不要になったから要らないわ」(ノーラ)
「じゃあ、さよならなのか」(ジュンヤ)
「馬鹿ねえ、そんな事、言う訳ないじゃない。ハルの料理が食べられないじゃない」(ノーラ)
「何だよそれ!」(ジュンヤ)
「済みません。ノーラ!ちゃんと言わなきゃ駄目だろ」(アステル)
「ごめんなさい。私達と従属契約してちょうだい」(ノーラ)
「私達を従者にして!あなた達と暮らしていたいの」(レイコ)
「オイラも従者にしてくれ」(ボルク)
「お前達も俺の家族だ。末永くよろしくな」(ジュンヤ)
「「「「はい!!」」」」
4人と精霊契約を解除して従属の契約をした。
体内から湧き上がる力を感じる。これはなんだ、力が注ぎ込まれて、あふれ出している感じだ。
恐らく、4人を通じて聖魔力が俺に注ぎ込まれているのだろう。
俺の中に未だかつてない力が蓄えられたのが解る。
俺はもう人間とは言えないのじゃないか?今ならあの時のギズモニア軍に一人で勝てる気がする。
「ところで、3人娘が面白い事言ってたけど。あれってどうなの?」(ノーラ)
ノーラが上目遣いで聞いてくる。そんなこと言えるか!!
次回は
連れて来たドワーフたちが活躍します。
チャールズさんが来たんですけど様子が変です。




