とあるゲームレビューサイトの雑記3 学園生活とトーナメント
フィクション作品において、学校生活はしばしば重要な舞台になる。
そこには暗黙の了解、いわゆるお約束がいくつも存在する。
それは、異常に強大な権力をもつ生徒会であったり、国の最高研究機関に在籍する研究者以上の知識・技術をもつ変わり者であったり、町ひとつを巻き込む規模の学園祭であったり、美少女のファンクラブであったりする。
コールワールドにおいても上記お約束は存在する。
学内の人間関係や設備の詳細については、シナリオ2では語られず、後のシナリオで語られることになる。
さて、シナリオ2では武闘祭と舞踏祭というふたつのイベントが発生する。
武闘祭では、主人公はトーナメント方式で、競技場で同級生たちと戦うことになる。
競技場の試合はシナリオ1のようなS-RPGではなく、3Dモデリングを用いたターン制バトル。
いきなり戦闘システムが変わるため、面食らうプレイヤーも多い。
このような変則的な仕組みが採用されている理由は、闘技場がコールワールドにおけるネットワーク対戦要素だからだ。
プレイヤーはキャラクターの装備やスキルを設定し、作戦を選ぶだけ。戦闘は全てCPUによるオート戦闘で行われる。
一試合は比較的短時間で終わる。極めたプレイヤーたちになると、先行ワンターンキルか、返すターンでのカウンターキルか、という決着になる。
これだけであれば大したことのない対人要素だが、コールワールドの対人要素の特徴は、3Dモデリングの豊富さにある。
各武器、装備品によってグラフィックが変わるのは当たり前。各種アクセサリの微妙な違いもきっちり3Dモデルに反映される。
さらに、特定条件をクリアすれば衣装破壊も可能。
課金をすれば水着やR15衣装なんかも手に入るので、対人戦で勝つためではなく、3Dモデルを愛でるために課金をするユーザは多い。
戦闘度外視で自チームを仕上げるプレイヤーばかりと言ってもいい。
そんなコレクター要素をプレイヤーに認識させるチュートリアルがこのシナリオ2なのだ。
もう一つのイベントが舞踏祭。
舞踏祭ではシミュレーションアドベンチャー要素を楽しめる。
具体的には、武闘祭の結果によって各登場人物の好感度が変化し、好感度とフラグ立てに応じた各種イベントが発生する。
このパートのシステムとして残念なところは、イベント発生を示唆するものが何もないことだ。
キャラクターを選択すればそこに飛ぶ、なんて親切な仕組みは一切なく、プレイヤーは何処にいるかもわからないお目当てのキャラクターを探して広大なマップをうろつくことになる。
キャラクターのイベントが起きる条件も明示されない。セリフや小道具などの情報から推測するしかない。……1990年代のゲームですか?今は21世紀ですよ?
シナリオ2での注意事項が一つある。
序盤のルート分岐要素。初期メンバーである二人(アザミ、シオン)のダークサイドルート専用特殊イベントをシナリオ3以降でも起こすためには、シナリオ2で導入となる特殊イベントを見ておく必要がある。
そして、その特殊イベントを見るためには、武闘祭1日目、チーム戦の最終試合において、主人公が戦闘不能状態で、アザミとシオンの二人だけで敵チームを倒す必要がある。
すると、舞踏祭において、二人が不審な行動をするイベントが発生する。
普通にゲームをしている場合、この条件を満たすことはまずない。イベント発生フラグをこんな条件にするとは、製作スタッフの意地悪さが垣間見える。
ただ、発生する特殊イベントはかなりの胸糞イベントであるため、耐性のないプレイヤーが間違ってイベントを発生させないようにしている、という解釈もできる。
イベント内容に興味があるという諸兄は、自己責任の上で確認してほしい。




