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エージェント  作者: Shion akiyama.
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003 スモール・グランド・アイアン・ドラゴン

「おおっ! この世界でも朝ギルドでの仕事争奪戦は凄ぇな・・・」

翌日傭兵ギルドに着くと、人だかりが出来ていた。


受付で、用件を済ませ、気になったので聞いてみた。

「この時間のギルドは何時もこんな調子なのかい?」

受付嬢は複雑そうな顔をして・・・

「ええ、何時もより少し賑やかですが・・・」

と、煮え切らない返事をしてくれた。


解体場では、既に大勢がスタンバっていた。

「やっと来たか。まず、獲物を出してくれ。」

「おはよう。って、いきなりだな? 此処で良いのかな?」

「おっと、トカゲはデカイから、奥の台付近に。」

「犬っころと黄色いのと黒い奴は、裏手の台車に。」

「オークとボアは、そっちの白服集団が引き受ける。」

「なるほど。 場所を分担したわけか。」

「道を挟んで、冒険者ギルドの解体場と肉屋連合の解体場が行き先だ。」

「じゃあ、そっちに持って・・・」

「待て待て! 国宝級の収納バッグがバレると拙い。」

理解わかった。 そんじゃ、とりあえず、トカゲは10匹位で良いか・・・」

「!!!」

「トカゲ・・・ 沢山有るのか?」

「あ~っ・・・ 有るな。」

「・・・取り敢えずは、それで良い。」

「後は、各ギルド分に出した数量は、担当に記録させ、預かり証はキッチリ貰っておけ。」




指定された場所に其れなりの数を出し、大勢で運んでいる。

「1/3位は捌けたな?」

「なっ!!!」

「あれで、1/3だと?」

「俺は何も聞いていない。」

「気のせいだ。 ・・・きっとそうだ・・・」




其々の解体場


「スモール・グランド・ドラゴンだな・・・」

「「「間違いない・・・」」」

「一刀両断・・・」

「「「ほかのも全部・・・」」」

「分厚い鱗の切り口が・・・」



「何でこんなに綺麗な死体なんだ?」

冒険者ギルドに持ち込まれて死体は、全部首を一刀で斬られていた。

「ほとんど・・・ いや、全く傷らしい傷はない。」

「一体どうやって・・・」

「いや、一刀の元に斬ったんだろう?」

「それしかないが・・・」

「それしかなかろう?・・・」

「「「・・・・・」」」



「どうやったら、この太い首がスパッと切れるんだ?」

肉屋連合解体場では、防具屋の職人たちが各素材の切り出しを始めていた。

今、絞められたばかりの様に新鮮な切り口で首を斬られた大猪は吊るされ、

血抜きと、内臓の選別が始まっていた。

「この首周り・・・ お前の身長より長いよなぁ・・・」

「お前の腹回りの3倍は有りそうだな・・・」

「なぁ・・・ こっちの固体・・・ キングじゃないか?」

「「「言うな~っ! 考えないようにしていたのに・・・」」」



「クッ!! 硬い!!! 魔鋼鉄の包丁じゃ、歯が立たない・・・」

「魔銀の包丁は、もう無いのか?」

傭兵ギルド解体場では、トカゲの鱗に苦戦を強いられていた。

「それ、何処を斬ればいいか印でもつけてくれれば、サクッと斬るぞ?」

「サクッと切れるわけ・・・ あるのか?」

「首だって斬れるんだから・・・ 切れちゃうのか?」

「「「「・・・・・」」」」


「お前さん、それで斬るのか?」

「まあ、使い慣れている相棒だからな?」

「貸して貰っても?」

「多分持ち上がらないと思うぞ?」

「そんな細身の刀くらい・・・」

ズシ!!!

「えっ?」

「えっ?」

「「「「「え~~~~~っ!!!」」」」

「並みのバスターソードの倍くらいは重いからな?」

「おまえさん、背高ドワーフ族だったのか?」

「純粋な人間ですが、何か?」

(((((絶対うそだぁぁぁぁぁ!!!!!)))))


スパパパパパ~~~ン 「こんなモンで、どかな?」


「なぁ・・・コイツだけ色が違うような気がしないか?」

「手触りも、微妙に違う気が・・・」

「切り口は他のと変わらないが・・・」

「ゲッ!!」

「「「???」」」

「グランド・アイアン・ドラゴン!!!!!」

「「「なっ!!!!!」

「一寸固めのトカゲも何匹か混じっていたか?」

(((((ちょっとじゃないだろ~~~~!!!!!)))))



「傭兵ギルドは、抜け駆けして、でかい討伐でもやっていたのか?」

「そんな話は聞いていないが・・・」

「これだけの数だ。少数のパーティーでは、話にならないだろう?」

「それはそうなんだが・・・」

「お前ら・・・ この獲物の山を見て何も気付かないのか?」

「「「「ああ、キズが少なく、革はいい値がつくだろうな・・・ハハハッ・・・」」」」

「遠い眼をしながら言うな!!」

「「「「そう言うしかないだろう?」」」」

「信じられんが、全部・・・同じ奴の切り口だ・・・」









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