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エージェント  作者: Shion akiyama.
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015 王都での攻防

結局、王都到着を明日に控えた此処までの道程で、大きな襲撃は無かった。

暗殺者が紛れ込む事は合ったが、シャルナクは自分で対処が出来るほどになっていた。


「魔物の森で修行した事が生きているな。」

「暗殺者が怖いと思えなくなったので・・・。」『アレは、修行だったのですか?』

「100匹の魔物を対処できるくらいの胆力は付きましたね?」

「・・・ハイ・・・」『聖域と応報、飛燕のおかげな気もしますが・・・。』

「百人組み手をしても生き残る事くらいは出来るようになっている。」

「数値で言えば、初日を1として、速度は2.2。攻撃力は1.7。耐久力は2.5。くらいになっていますよ。」

「犬っころとの追いかけっこの成果か?」

「もう、一生分は走った気がします。」『サバンナウルフ・・・犬じゃないです・・・』


この二人は、真面目にそう考えているのだ・・・ 生きてきた環境の違いなのだろうか・・・。



「此処までくれば、と、言ってやりたいが、直に歓迎会が始まるぞ?」

近「やはり、簡単には通してくれませんか・・・。」

親「数はどれ位でしょうか?」

「大したことは無い。たったの300程だ。」

シャ・親・近「「「・・・・・」」」

「都合の良い事に少し先にある広めの草原に全員が集まっていますねww」

「という訳で、結界に閉じ込めてやる事にした。」

近「結界に閉じ込めても直ぐに破られるのでは?」

「結界の中には、通常の方法では壊せない、魔力を喰う・・・・・結界も有るのだよww」

近「魔力を喰う?」

「近場で魔法を使うと、術式が魔力を吸収して結界の強度が増すんだよ。」

親「共振結界の事ですね?」

「半分正解。結界に同調するように魔力供給して結界を維持させるのが、共振結界と言われるものだが、

同調どころか、結界に触れる全ての魔法を喰う悪食な結界も有る。ww」

「しかも、一定以下の魔力しか摂れない場合は、強制的に生命力で代用とします。」

「300人は居るから、15日位は持つんじゃないか?」

シャ「・・・暴食・・・。」

「残念。それは、通称です。」

シャ・近・親「えっ?」『『『ちょ・・っと・・・』』』


「じゃぁ、術式展開!」


シャ「既に失われた筈の禁忌指定術式結界・・・」

「これで、2週間は身動きできなくなったぞww」

「様を御覧あそべですわww」

「それと・・・ 勝手に失わされた事にするんじゃない!」

「第七位階術式、自立型魔力変換維持結界壱参式”暴君”が、正当な術名です。」

シャ・親・近「「第七位階・・・」」『『『そんな莫迦な・・・』』』

「「・・・」」『この国・・・どれだけ遅れている(のですか?)んだ?』

シャ「・・・」『第七位階魔法なんて御伽噺の中だけです!!』

「「・・・」」『『そんな莫迦な・・・。』』




結界に閉じ込めた奴等を見ながら、ビーナと二人で考えていた。


この世界は、今まで行ったどの世界より、圧倒的に遅れている。

なまじ王制制度を採っている国に来たので過剰な期待を抱いていたようだ。

この世界の評価を最低レベルに修正した。

592年の推古天皇の時代とタメ線レベルか・・・ 

もしかしたら、飛鳥時代の方が進んでいるかも知れないと本気で疑った。


そして理解する。、

そこまで未熟な時代から、修正を入れなければ、この世界は輪廻の輪から外れる、

危機的状況なのだということだ。

ハードモード確定。

魔物を減らせば、人類は生き延びる事が出来るが、それ以外は二の次にされている。


戦国時代を迎えようが、終末を迎えようが、輪廻の輪から、はみ出なければ、

輪廻神は許容するという事に他ならない。

そんな世界に、何人かの使徒どうぎょうしゃを、派遣したのか・・・。

勿論、中には、現代へ復帰出来る・・・ 

「無いな。」

「有り得ませんね。」

「そんな事ができるなら、俺を現世で”死んだ”扱いにしたりはしなかっただろう。」


「神職権乱用で組合ユニオンに訴えて吊し上げてやる。」

「適当にも程というモノが有ります。」

「危険手当を5割り増しで100年分貰わなければ割が合わない!!」

「・・・ そっちでしたか・・・。」


そして、この世界に派遣されている同胞の不幸に胸を痛めた。

実年齢はともかく、90年近くは生きた記憶がある。俺個人は、そこまで生に執着心は無い。が・・・

せめて、此処に来た使徒どうぎょうしゃ達が、せめて”神様の隠れ家”を選んでいる事を祈るのみだ。


「この怒りと悲しみを、どうすれば良いと思う?」

「目の前の愚か者たちにも分け与えるのはどうでしょうか?」

「いいなそれ・・・。」

「先日創られた分配を使うのが効果的ではないでしょうか?」

クスクスクス・・・

「良い。ビーナ、それ凄く良いよ。」


創造→技術→干渉系技術→スキルレベル分配。

スキル強奪や、スキル剥奪といったスキルは創れなかったが、

最大9割のスキルレベルを移動させられるレベル分配は創れたのだった。


「まずは、全員の幸運値を9割貰って・・・」

『幸運レベル938を獲得しました。分配する器の指定をしてください。』

「流石に300人分の幸運率の9割だな。予想よりも多めだ。」

「野球のバットにでも付けたら、全部ホームランになりそうですねww」

「有り得る。そうだね、何も人に付ける理由は無いよね・・・」


「とはいえ・・・」

「そうですね・・・ 持ち物の殆ど全てがアーティファクト。それに幸運値を追加しても・・・」


「これ・・・ 靴に付けたらどうなると思う?」

「そうですね・・・ 踏みたくない物を自動で避けるとかでしょうか?」

「町中で、糞を踏まないように動けるとか・・・」

「罠を自動回避できるようになるかも知れませんよ。」


「良いなそれww」

「面白いと思います。」

それじゃあ・・・ 「幸運値レベル10を神器『オリハルコン合金入り安全靴』に分配。」

「オリハルコン合金入り安全靴。鑑定!」

オリハルコン合金入り安全靴。

神器『オリハルコン合金入り安全靴』不滅 不壊 成長 

攻撃力 +555 防御力 +555 速度 +100 

特殊 地上設置型罠回比率 75%UP クリティカル成功率 75%UP

「予想通り地上設置型罠の回比率UPが付きましたね。」

「じゃあ、ビーナの靴にも幸運値レベル10を神器『天駆ける靴”天馬”』に分配。」

「私の装備は、地上設置型罠無効なのですが・・・」

「クリティカル率も75%上昇しているんだ。何かの足しになるかもしれないから良いんだよ。」

そのあと、メインで使っている靴に幸運値レベル10を分配しまくった。

これで、何処でも、気兼ねなく歩ける。 この世界の道には、結構ボロが落ちているんだよ。

ミディアムやレアなんて踏んづけたりはしたくないのが人情だ。


「とはいえ、まだ、めちゃくちゃ残っているんだが・・・」

『取得レベル分配を保留しますか Y/N』

「イエス。・・・そんな機能もあるなら最初に知りたかった。」


引き続きで、300人から、スキルのレベルを分配していった。

これ、分配というより・・・ いや、分配で間違いない。

なにせ、スキルそのものを取り上げているのではないのだ。きっとそうなんだ。

ということにして、攻撃系、防御系、特殊系など全てのスキルレベルの9割を頂戴した。


荒事の専門職だけはあり、攻撃系、防御系どちらも、レベル2000に届く勢いだ。

「これ、一通りシャルナクに分配したら・・・」

「何でも出来る無双王子の完成ですねww」

「だよなぁ・・・ まぁ、並より2割程度強い位にしておくか。」

「そうですね。 フルコンプリートしていると、やる気が出ないですからね。」

「違いない。」



二人は二つの考え違いをしていた。

一つは、磨いたスキルレベルの9割を徴収するということは、

残りは最高でもレベル1。それは、スキルを発生させた直後であり、

例えるなら、武道家が、黒帯を取った直後の状態になるという事である。

そして、もう一つは、並より2割強いということは、

黒帯を取って、修行を重ね、三段に成ったということに等しい。

充分にスペシャリストに分類されるという事を・・・。








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