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果てなき世界  作者: 葉月みつは
1/3

終わりの果てに

月1での更新になります…


活動報告には記載していたのですが、こちらの修正されていなくってごめんなさい、



「大好き」

少女は、無邪気に笑い私の頬に優しい温もりを与えた。

「僕も」

少女の青空のように透き通る髪にてを伸ばす。

何時までも、この時間が続きますように。

目をゆっくりと閉じる。

手には微かな温もりが感じられる。

「好き」

少女がもう一度小さな声でそう告げた。

グサッ

目を開けて少女を見つめる。

胸が生暖かくなる。

ポタッポタッ

少女は、さっきまでの無邪気な笑顔は消えていた。

「ごめんなさい」

少女が両手で首を絞める。

ツー

少々の頬にてを伸ばす。

そこも、生暖かな感触がしたような気がした。

「わたしは、なんど、くりかえすの?」

視界がぼやけて見えない。

胸が痛い、痛い、痛い……

苦しいのに声がでない

息ができない

でも、なぜ苦しいのかわからない。

どうしてなのだろう?

「これが本当に正しいことなのだろうか?本当にこれでいいのかわからない…」

少女がなにかをいっているがもう聞こえない。

ゆっくりとめをつぶり、時がひとつ終わった。




チック


タック


チック


タック


-物語がまた動き出す-


ピッ


-終わりのない絶望を救える希望を探して-


ピッ


-私は誰か?-


ピッ


-私にもまだ、思い出せずにいる-





「あなたは、これからこの子と任務を受けてもらう」

頭のなかにコンピューターから指示かとんだ。

ここは、戦場のど真ん中。

今は、見方のテントのなかだ。

「1、聞いてる?」

「聞いてる。新しい任務が入ったみたいだね」

「そうだね、まぁ、一緒ならどこでもいいなー。一人は嫌だからね」

もともと、ペアを組む必要がない任務が多くほとんど今までが単独が多かった。

今回のペアは、私の任務とも関係しているため拒否はできない。

「理解できない。いつ壊れるかわからない現状でなぜそれを求める?」

「いつか、なにもできなくなるかもしれないから気持ちを共有したいと思うんだよ」

微笑みこちらを見つめる。

その視線を受け止められず視線をそらす。

「つぎの任務は、裏切り者の処理と仲間の救出か、資料を集めることだね。最近こんなの多いですねー」

「任務のないようをこなすだけ。なにかをかんがえるのもむだなことだ」

マップを開き目的地を入力する。

敵の情報も最新をアップロードし、現在の状態も確認する。

「翼タイプでいく方が早そうだ」

「じゃあ、サポートに回ります」

「お願いしたい」

光が辺りを包み込み気がつくとそばに大きな竜が羽を広げていた。

「準備できましたー。守備はよろしくお願いしますね」

「わかった」

竜の背中に飛びのる。

「ちょっとまって!」

声のする方へめを向けると、丸い球体があった。

「このテントは、特別な防衛システムが稼働しています。稼働システムを作動させないよう私も任務に動向させてください」

「防衛システム?そんなもの解除すれば問題なかろう?」

「ただいま、メンテナンスで少しの以上でも起こすと大惨事になってしまう可能性があります。本部にまだ報告してなくって…」

球体は、本部に連絡を急いでとると本部とのデータをみせた。

「こちらの手違いのせいで申し訳ありません」

「仕方がない、型はなんだ?」

「旧型の4です…最低限かもしれませんがサポートをします、」

4は膝の上にのった。

「任務終了までサポート開始します」

「準備はできた、目的地に向かう」

「了解です」

早速テントから出て数分後敵の攻撃に遭遇した。


がるがるるるるる


狼に羽が映えた姿の敵が三十体程度回りを囲む。

「吹き飛ばしますよー」

竜が、突風を巻き起こし数匹は地面にたたき落とされもやとなってきえた。

「サポート致します」

球体が変形し私の回りを包み込む。

「空での戦闘モードに特化します」

背中に翼がはえ身体が浮く。

「戦闘モードは長くは持ちませんので、できるだけ早く対処ねがいます。」

「わかった」

異空間から剣を取り出す。

剣に範囲攻撃を付与する。


ぐるるるる


剣を敵に振りかざす

すると、剣が敵のぶんだけ分裂し敵を刺していく。

「…」


バシュ バシュ バキッ ボキッ


剣に触れたとたん敵の身体がおれていく。

辺りが敵の残骸のもやで暗い。

「いつ見てもきれいですねー」

「…」

剣を異空間にしまい、竜の背中に戻ると4は、また膝の上にのった。

目的地につくまでに数十回敵に遭遇しその度に撃破し気がつけば夜になっていた。

「ここで休もう」

洞窟を指差し生体反応を調べる

「反応無し」

簡易の決壊を張り休む準備をする。

「やっと休めますね」

「明日はいよいよ目的地だ。燃料の確認と壊れたところ不具合がないか確認しておいて」

「はーい」

自分自身に不具合がないか、システムに異常がないか確認する。

-1.本部からメッセージあり-

メッセージが頭に響く。

「異常はないか?」

-異常なし-

「了解した。そのまま任務に続行してくれ」

報告が終わり、そのまま明日に備え休んだ。

朝日が登り、辺りがオレンジいろに染まる頃、出発した。

ここからは、敵も多くなると考え、地上から任務を続行することにした。

「1、もう少ししたら村につくはずです。まあ、廃村ですが…」

「そこで、少し情報を集めよう」

「はい」

目的地とは別だが、戦場の情報は多い方がいい。

どんな情報でもほしい。

4時間ほど歩いたところに確かに村があった。

-敵反応あり、攻撃体制に移行-

4が敵を感知した。


すぐに攻撃に移れるよう剣を準備する


敵に気づかれないよう距離を積める。


すると話声が聞こえてきた。


「___'''''::::」


(音声通訳を接続)


「ココデマモル。ダイジナモノ。」

敵の姿は見えない

「ニゲヨウ。モウツカレタ。イッショガイイ」

感情が読み取れない音声。

だが、なぜか感情がゆさぶれる。


「ヤクソクシタ。ココカラサキ、イケナイ」

「ワカッタ。イッショニイル」


(聞こえますか?1?)


(テレパシーか、なにか異常が?)


(いいえ、本部から今連絡が入りここに大型の敵が潜んでいるそうで…本部がいま増援の手続きをしてくれてます。時間がかかるそうで、どうします?)


(なら、一旦ここは退くのがいいか)


(わかりました)


見つからないようにきたみちをたどろうとしたとき…


ジリジリ


メキメキ


「大型のテキ反応あり!戦闘準備。退却不可。なぞの妨害あり」


「1!どうしますか?」


「逃げ道はないようだ。いけるか?」


「はい!」


地響きが辺りを包み込む。


そして巨大なゴーレムが現れた。


「テキハカイ」


こちらに向かって手がのびた。


「気づかれたか!」


「1、乗って!」


竜の姿になってもゴーレムの姿には届かない…


「わかった。」


竜に飛び乗り、相手を観察する。


「4、空の戦闘は、どれくらいもつ?」


「空を飛ぶだけなら、30分が限界です。ただ、この前の体型で攻撃体制を加えれば15分が限界でしょう…」


「わかった。」

(たぶん、今回は無事ではすまない…)


「自爆を許可してもらう」


「1!」


「最悪、それが最善になる。君までは巻き込む必要はない。私のコアは、後で回収しまた何度でも作り直せる」


「最後まで一緒に戦わせてください」


「君のコアは、最新の技術で作られている。もともと、私は君の護衛でつけられている」


「嫌です」


「コアを拾って持ち帰ってくれないか?コアは必ず守ると誓う。コアがあれば、何度でも作り直せる。君も知っているだろう?」


「…」


彼が下を向いたと同時に、機能を一時的に止める。


「4、彼を頼んだよ」


「わかりました。一人ぶんなら護りきれます」


「短い間ありがとう。この選択の方が犠牲は少ない。理解してくれて感謝する」


一人敵の懐に入り眠りにつく。


赤い炎と怒号が辺りに響き、静かになるとそこには青い欠片が落ちていた。




目を開くと本部の割り当てられた部屋に横になっていた。

どうやら同じ部品が予備であったらしい。頭の記録を確認し何があったか確認する。

どうやら、敵と自爆したようだ。

(前回は、最悪はまぬがれたようでよかった)

鏡の前にたち自分の姿を見る。

感情などあってはならない。

作られたときそう教わった。

だがいつからか、それに疑問をもってしまった。

そして、最重要任務にも疑問をもっている。

何度も、何度も繰り返し、その度に自分の中の何かが苦しくなる。

だが、これは許されないものかもしれない。

トントン

「失礼します。調子はどうですか?」

彼が入ってきた。

「コアが無事で復元もほぼうまく行ったようだ。司令部に連絡し、すぐ任務にあたれる」

「わかりました。こちらもサポート準備しておきます。司令部に連絡が終わったら通信お願いします」

「わかった。それでは後で」

司令部に報告をすませ、メンテナンスも受け出発する準備が整った。

(準備は整った。出発しよう)

(こちらも終わりました。前回のところまでワープします)

身体が光に包まれ視界が開くと前回の自爆したところについていた。

前の戦いでほぼ焼き野原と化していてココデの情報収集は困難そうだ。

「近くに廃村があり、そこを調査してほしいと近くの基地から依頼が入っています。受けますか?」

「そうだな。」

「そこまでは、竜の姿だと目立つので徒歩での移動になるのですが…」

「わかった」

目的地を設定し、装備を歩きやすいものへと変えて、要らないものはい空間へとしまう。

だいたい三時間くらい歩いたところに廃村があり、道中敵にも遭遇せずスムーズに到着した。

村の中は、錆びたり壊れたりした生活道具や時がたち劣化した建物だけで生き物の気配はしない。

「昔の住民が生活していたんですかね?なんか寂しいですね」

「…調査は、具体的に何をすればいい?」

「えっと…昔の記録が残っていたら情報を共有してほしいそうです。といっても、そのまま映像を送った方が良さそうですね…」

「そのように処理してくれ」

その後報酬と燃料の補給のため基地へと向かった。

向かう途中敵に遭遇したがそこまでは手がかからず対処することができた。

基地の前で、パスワードを入力し中へと入った。

「ようこそ。情報提供ありがとうございます」

4より少し大きな形の基地の管理者が出てきた。

「燃料もついでに補給をお願いしたい」

「わかりました」

メンテナンスもしてもらい基地の中を少し歩くと、掲示板を見つけた。


-敵との接触で機能低下-


所属するものがある特殊な敵と戦闘を行った後、コントロール機能が制御できず仲間を攻撃、破壊を行ったため処分が決定した。

なお、この特殊な敵に関して現在調査中で詳しいことはわかっていない。処分が決まったものも逃亡を続けており捜索中である。

新たな情報があり次第更新予定-


-協力者-


所属するものが、見つけた廃都市で生活している異民族を見つけた。そのものたちは、戦う意思はなく、安全の保証の代わりにこちらへの協力をすることで協力関係となった。知能や技術が高く古代文明のことも詳しく興味深い存在である。


(協力者…武器の強化で有名だが…一度いってみるか)


「みつけました!連絡がなぜかシステムエラーになり連絡を取る手段がなく、合えてよかったです」

(システムエラー?確認…通信だけできない)

「本部でなにか問題が?」

「詳しいことはわかりません。現在調査中としか報告がなくって…」

「そうか」

数時間本部からの連絡を待ったが連絡はこず、つぎの目的地に向かった。

暗くなってきたこともあり、敵も少しずつ倒すまでに時間がかかってしまった。それに敵の数が明らかに増え、身体の動きが鈍くなりつつあった

「さすがにここまでくるとこたえますね」

「敵が多すぎる…ここに、何かあるのか?」

敵を撃退しつつ辺りの状態をセンサーで確認する。

ザシュッ

「くっ、油断した」

地面に液体が垂れ込む。

「すいません1.足を引っ張ってしまい…」

敵を倒しながら、彼のもとへと向かう。

彼は背中を一直線に刀から切られ、いまもなお液体が流れている。

「傷がひどい…止血はしておくが、近くの拠点まで移動をしよう」

彼を背負いワープをした。

ギギッ

ベシュー

「ここは?ワープが失敗したのか?」

そこは、まだ森のなかで傷の治療はできない。

(…)

「足手まといになるよりここで、止めを刺してください」

「…」

彼の言葉を無視し、足を進める。

もう、ワープは使えない…

その間も敵のかずは増える一方で、攻撃はやまない。

「あなたは、1人ならまだ戦えるはずです」

彼が歩みを止めた。

「また、後で…」

ザシュッ

彼の傷口から液体が溢れだす。

そして、彼が地面に倒れた。

(私が、任務を果たさなくともどうしていつも…)

目から液体が溢れる。

手と肩が震えている。

「…」

歯を食い縛り、武器を持ち直して敵を倒す。

私と違って彼は、コアなどない。

だから今回の彼とは、二度と会えないだろう。

次会うのはおんなじ姿をした違う彼だ。

いつの間にか、辺りが暗闇に包まれていた。

空気が冷たい。

ガシャン

敵の気配がしなくなり武器が手から滑り落ちる。

身体がゆっくり地面へと近くなり意識も遠くなっていた。



「君の任務は✕✕だ。もし裏切るようであれば迷わず任務をこなすように」

「はい」

「全ては我らの創造主のために」

「創造主のために」

これは、いつかの記憶だ。

このときは、思いもしなかった。

でも今は…

(私はもう任務をこなしたくない)

誰にも知られてはいけない気持ちが広がっていく。

もう私は、処分される側なのだろうか?

少しずつ辺りがぼやけ始め、また意識が遠くなった。



「うっ、」

全身が動きにくい。

倒れたまま起き上がれない。

(敵の反応なし。機能に異常あり。メンテナンスをおすすめします)

脳内に響くアナンスが機能に異常がある成果全身に響き渡る。

ワープできる箇所を確認したが、前の戦いで消耗したせいで使うことは難しい。

ザッザッ

(特定できない生命体反応あり。近づいています)

周りを確認しようとするが視界も異常をきたし、もやがかかり見ることができない。

「!!!!」

もやのようなものが私を見てなにかいっているが、聴覚にも異常があるようで聞き取れない。

相手もこちらの異常に気づいたようで私の身体をどこかに運んでいた。

そして、何時間か時間がたち視界がはっきりと見えるようになった。

視界がはっきり見えたとき、私を修復した者の姿を見て絶句した。

「なんで、私を助けたんだ?」

「できるだけ正常に近いよう努力したんだけど…機能はどう?」

少女は、無表情できく。

「…ほぼ機能していると思う」

少女は、私を見た後ふと、ため息を吐いた。

「君と一緒にいた彼はここでは治療できないから他に運ばせてもらったよ」

「!!」

「損傷がひどかった。幸い記憶には支障はなさそうだったから治り次第会うことができるよ」

「……ありがとう」

「それで?どうするの?私をほかくするの?」

少女は変わらない表情で淡々と訪ねる。

「…裏切り者なのか?」

「私の資料と写真は、見てたでしょ?治療してるとき見つけた。私がお尋ね者本人。でも、そう簡単につかまるきはない」

少女は変わらない。

何一つ変えずに続ける。

「あなたは、疑問に思ったことはないの?仲間を敵を手にかけること。それを何度も繰り返すこと。忠誠を誓う意味も…」

トクン トクン トクン

心臓が徐々に高鳴る。

それは口にしては本来決してしてはいけないもの。

「私は、それらに疑問を持ち上層部に訴えたら裏切り者扱いされた。後悔はないよ。私が重ねた本当の罪を償うためには必用なことだから」

表情は相変わらず変わらない。

だけど、その言葉に感情が揺れる。

何度も、何度も繰り返されるなかで、少しずつ、少しずつ生まれた感情。

それを否定しなければ、いけない忠誠…

疑問に思わずにはいられない。

彼を繰り返し、繰り返し、失い、その度の暗い感情。

「…」

「機能は、本部への連絡だけはそのまま機能できないようにしてある。他に本部に干渉される機能も停止してる。今あなたが感じているものは全てあなたのものよ」

淡々と語る少女の声からも感情は読み取れない。

この感情が私自信のものなら、彼女を捕まえることはできないだろう。

それに、彼のこともある…

「あなたを助けたのは、私の昔の面影を感じたから。ただの気まぐれよ。あなたが本部に戻るのも止めない。ただ捕まえるなら、それなりの抵抗はさせてもらう」

少女が私を見つめた。

「捕まえる気はない…」

「そう。なら問題はないね」

「?」

「彼のところにつれてってあげる」

頭を両手で挟み、目が煌めく。



次に目を開くと、そこは、設備の整った施設だった。

「彼に会う前に、あなたが決めなくてはならないことがあるの」

「…」

「あなたの決断するための材料のひとつに私の過去を見せたあげる」

その声を最後に意識が途切れた。



視界がぼやける。

少しすると視界がはっきりしてきたが、どうやら誰かの目から見える景色を見ているようだ。

ベットがひとつと鏡があり、どうやらここは本部のメンテナンスをする部屋とおんなじらしい。

鏡の前に映像の主がたつ。

その姿は、あの少女だった。

「彼はじゅんびできてる?」

-準備完了し、任務に備えています-

「そう、それじゃあ向かいましょうか」

部屋をでて少しするとひとつの部屋の前に止まった。

「いきましょう」

扉が開き、少年がでてきた。

「はい」

-今回の任務は、現地の報告書に基づきまだ未調査の探索と古代遺跡の調査です。入手したものは本部にすぐ転送してください-

最後の確認を終え、現地へとワープした。

古代遺跡にいくまで、敵の攻撃に遭うもののどうにか二人で協力し切り抜けていく。

そして古代遺跡についた。

探索中、魔物にも襲われるが、なんとか切り抜けついに貴重な資料が見つかった。

「本部で分析してもらいましょう」

「はい!」

転送作業をする。

シュン グサッ

「えっ?」

少女が身体を見つめる。

そこには何本もの刃が刺さっていた。

刃からはウィルスも流れていたらしく、刃の周りが禍々しいいろに変わる。

「!!」

少年が、なんとか敵を退け安全な場所までワープをした。

少女の意識が朦朧としているらしく、あたりがはっきりと見えない。

少年が、少女のシステム復旧のためシステムにアクセスし復旧作業を始めた。

記憶がここから少女の記憶と混合し出した。


-任務は、ここには真実を隠すこと-

「はい」

-君の任務は真実を知ったものを始末すること、君のそばにつけるものはその可能性が高い-

「はい」

-この真実を この これを

もし何かのきっかけでしられたら始末するように-

会話が急に聞こえなくなった。どうやらここは規制がかかっているらしい。

場面が変わり、少年が少女を責めている。

「あなたの治療中にあるデータを見ました…なんで、僕たちはそれが真実なら無駄死にじゃないですか!」

「…」

少女が今どんな気持ちかはここからはみえない。

ジリジリと少年に近づく。

「私の任務もしってしまったのね」

声には微かだが悲痛のようなものが含まれている。

「…なんで、」

「…それが私の任務だから、これが正しいことだから。大丈夫。痛いのは、始めだけ。またすぐ再開できる」

ザシュッ

少年が逃げられないよう壁が出現する。

少年が追い詰められた。

そして少女が少年の首に手を掛ける。

少しすると、少年は動かなくなる。

機能が停止したことを確認すると、少年の身体を本部に転送する。

そして映像は、何度も切り替わりどれも結末は少女は任務を遂行していた。何度も繰り返すうちに、少女に異変が現れ始めた。少しずつだが任務を遂行するのに戸惑いが感じられた。そして、少年を想う姿も増え始めた。何度目かわからないくらい回数を重ねた頃、少年にも異変が生じ始めた。記憶を消されているにも関わらず、少女に寄り添おうというしぐさ、様子が増えた。そして、少女が戸惑いが強くなるほど少年が少女を想う行動も増えた……


本部のどこかの景色に切り替わる。

少女が何かの資料を見ていた。そこは、なぜかモザイクがかかり見られない。

「これで、繰り返さなくてすむ」

それを握りしめ、少年のもとに向かう。

ついたときには既に少年は、捕らえられズタボロだった。

少女は何とかして少年を助けだし、追手からもどうにか逃げた。

そして、どこかの廃墟にたどり着き、本部に痕跡を見つけられないよう身体の機能を壊していく。その後少年が少女の身体を治していた。

「僕の記憶を破壊してください。これは、定期的に本部に送信されるよう設定されていて、改造することができないんです」

「…他に方法は?」

「ないと思います。記憶改変できるということは、記憶を本部が知っているということ。大丈夫です」

少年が少女の手を握る。

「あなたのことが僕は好きです。何度殺されていたとしても、許せるくらいに。記憶はなくってもどこかで君を覚えています」

「そんなっ。せっかく自由になれたのに…」

視界がぼやけ液体が溢れる。

「大丈夫です。貴女のこと記憶がなくっても好きになったんですよ?」

少年が困ったように少女を見る。

「お願いです。悲劇を繰り返さないためにも」

少女の手を首に誘導する。

「うっ、うっ」

「ありがとう」

少女が少年の首を絞め、少年が嗚咽を発しなくなる頃少女の表情が無表情になっていた。

感情が限界に達したのだろう。

そのまま記憶を壊し、少女は少年が目覚める準備を始めた…


視界が明るくなりもとの部屋に戻った。

「これがあなたの記憶…」

「そう。貴女がこのまま本部に戻るとしても私は止めない。貴女が決めるべきだから」

「私は…少し1人になりたい」

少女はうなずくと部屋からでていった。

彼のことを考える。

彼は、裏切り者になるとどっちにつくのだろうか?

私か、それとも本部か…

彼の気持ちを聞くべきだろう。

そして、私が今までしたことも伝えた上で決めるべきだから。

彼に軽蔑されるのは正直怖い。

でも、それよりももう私は本部には戻れないだろう。

持ってはいけない感情がずっと溢れている。

これを隠しとおす自信は持っていない。

戻ればきっと処分対象だろう…

そうなるなら、いっそ彼の手にかかって罪滅ぼしをしたい。

手を握りしめる。

彼と話をしよう。

決意を固めた後少女が少しすると戻ってきた。

「決めました。彼に会わせてください」

少女はうなずきどこかへとワープした。

ワープ先はどこかの部屋の扉の前になっていた。

周りを見るとどうやらここは廃墟の寂れた病院のようだった。

「ここに彼がいるよ。私はここで待ってる」

ギィー

扉を開けなかにはいる。

「久しぶりですね1」

笑顔の彼がベッドで座っていた。

「損傷は、大丈夫ですか?」

「ほぼ完治してます。ただ本部とは連絡がとれず…」

一生懸命本部と連絡しようとするがどれも失敗に終わり苦笑する。

「大切な話がある。そして、決めてほしいことがある」

彼は目をぱちくりさせた後「わかりました」と返事をした。

そして、今までの出来事を全て話した。

彼は、少し困った顔をした。

「もし、本部に戻るなら私を手土産にするといい。裏切り者として本部に渡せば君は普通に本部に戻れるはずだ」

「…」

「気づいていましたよ。何となくですけど…そうなんだろうとは思ってました。パートナーになり初めて会うはずなのに懐かしい感じがしたんです」

彼は立ち上がり近づいてきた。

「本部には戻りません。これからもあなたのそばにいたいんです」

頬から液体が溢れ出す。

唇が震えだし嗚咽が漏れでる。

彼は、それが収まるまで私をそっと包んでくれた。



部屋からでて少女にこの事を話した。

私たちの決断を聞いて、少女はここでのメンテナンスやここでの生活の許可をくれた。

本部との連絡などは相変わらずだが、裏切ることを決めた私たちには必要ない。

「あなたたちが敵ではない限り私たちは歓迎する。ここでのルールもあるからそれらを守りながら生活していい」

「ありがとう」

「本部を裏切ることは、これから先の生活が厳しくなるということ。メンテナンスでも、ここで受けられるものには限界がある。時には、依頼というかたちで、受けてもらうこともある」

「わかった」

「改めて協力関係になったこと嬉しく想う」

少女は相変わらずだが無表情で気持ちを読み取ることはできない。

「あと、伝えることがある」

少女は、私の原動力と似たものを私に見せた。

「私のとおんなじですか?」

「違う。これは、あなたのを見せて作ってみた」

私の胸元を指差し、私の目を見つめる。

「たぶん、これは、あなたが知るべき情報だから教える。私たちは、何度も生と死を繰り返すことができ、ある程度の記憶は引き継ぐことができるがそれは本部次第。あなたは、記憶操作それができないように工夫されている。気づかれないように巧妙にね」

「…私の機能的に記憶は必要ない部分ですぐ消されるのが当たり前です。記憶によるエラーを本部は懸念してますから」

「そう。だからここまで記憶が残るのが異常。私は、自分でいじってるから記憶があるだけ」

「…私も過去にいじったのでしょうか?自分自身を」

少女は私を見つめ、答える。

「可能性は低い。その場合、本部は感知し処理するはず。可能性が高いのはあなたに忘れられたくない者のはず。それをできる技術を持ってるものに心当たりは?」

過去の彼がそうする可能性は十分にある…

「その者にこの原動力を渡して、君のもしもの時のために調整をしてもらうといい」

少女はそういうと部屋からでていった。

少女の言葉通り彼に原動力を渡して、記憶操作については彼に伝えなかった。

たぶん、記憶を失った彼に、何度目かの彼に聞いても酷なことだと想うから。

これからは何もかもが変わる。私たちはどう向き合うか考えないといけないだろう。それでも、私は裏切り者になることを後悔はしないだろう。

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