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エピソード3. 異世界への入り口

「…向こうの...世界?」


彼女がつぶやいた言葉を理解できず、俺は繰り返すように問いかけた。


「そうよ。ソクハリージョ王国のこと。」


「ソクハリージョ王国?聞いたことない名前だな...。えっと...その場所に帰りたかったってこと?」


「ええ、そうよ。」


窓の外をぼんやりと見つめていた彼女が、今度は俺の目を見つめてそう答えた。

俺は彼女の言葉を頭の中で必死に整理した。


「つまり君は、その国に帰るために51ごうか...じゃなくて、あの灰色の建物から飛び降りたってことになるけれど、、、合ってる?」


「ええ。でも、失敗しちゃったけれどね...」


彼女はまた目を逸らしながら、悲しそうな表情で俺に返事をした...。



それから俺は、彼女が51号館から飛び降りた理由について詳しく教えてもらった。

彼女の話によるとどうやら、彼女はこことは違う別の世界からやってきて、その世界で自分が住んでいた国に帰るために51号館から飛び降りたらしい。



——はっきり言って意味がわからない。



一般の人なら誰もがそう思うだろう...。しかしこの男は違った。

365日毎日欠かさずアニメを視聴し、誰もが知る不朽の名作から、知る人ぞ知るマイナーな作品まで幅広く視聴済みのHiramon。彼は冴え渡る頭脳をフル回転させるまでもなく、一瞬でこの状況を理解した。


「つまり君は、異世界からやって来た美少女で、あの時間、あの場所で51号館の中層付近に出現するはずだった異世界に通じるゲートに飛び込んで、向こうの世界に帰ろうとしていたんだね。そうだよね?」


俺は彼女の目をじっと見つめながら、抑揚のない早口で迫るように彼女にこう問いかけた。


「えっ...う、うん。51号館ってあの建物のことよね...。だいたい、それで合ってる...。(い、今私のこと、美少女って言った!??)」


彼女は俺の発言に驚いたような表情をした後、少し困惑したような口調でそう返事をした。


彼女の言動に嘘偽りがないことを確信した俺は、

先ほどとは違う猜疑心を取り払った優しそうな笑顔を"繕い"、彼女にこう告げた——。


「君が向こうの世界に帰るための手助けをしたい」


次回【全てがプログラムされた世界で——】

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