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エピソード2. 病院とHiramon

...んっ...ここはどこだ...?


見知らぬ天井、見知らぬカーテン、見知らぬベッド ———。


...あぁ、なるほど。どうやら、俺はあの後病院に運ばれて、今はベッドの上に寝かされているらしい。


「あぁ、酷い目にあったなぁ...。ところで、彼女は一体・・・」


俺は自分が置かれた状況を整理しつつ、彼女についてあれこれ思考を巡らせていた。

そして、周りに人が誰もいなかったので、とりあえず近くにあったナースコールを押した。


\——— ピーンポーンパーンポーン♪ ———/


「・・・109号室からのお呼び出しです。」



病院なんて何年振りだろう...。そういえば看護師さんと話したことなんて一度もないな。何だろう、少し緊張する...。俺は、寝たきりでついた寝癖を急いで手で整え、体を起こそうとした。...しかし、


「イテッ、、!腰が痛い...」


どうやら思った以上に怪我をしているみたいだ...。思うように体を起こすことができない。たしか、彼女を助けたとき、俺は両手じゃなくて背中で受け止めた気がする。だから腰を痛めたのか...。これじゃあ、当分はテニススクールには通えないなぁ。


———するとその時、ベッドのカーテンが勢いよく開き、看護師の女性...ではなく、少女が飛び込んできた!


「大丈夫!?生きてる!?」


その子は紛れもなく俺が助けた少女だった———!。


さらさらなショートカットの赤茶色の髪、透き通るほどに潤んだ瞳、小さな顔つき...。近くで見るとその美しさに思わず見とれてしまうほどであった...。

が、今はそんな場合ではない...。彼女の問いに受け応えなければ...


「あぁ、大丈夫だよ。君はたしか...51号館の上から落ちてきた子だよね?無事でよかったよ」


「よかった〜!ちゃんと生きてて。...その"ゴジュウイチゴウカン?"ていうのはよくわからないけれど、あなたに助けてもらったのは間違いないよ。ありがとう!」


それから俺らは名前や年齢など、基本的な情報についてお互いに話した。


どうやら、彼女の名前は「ジョウ・リィ」といい、年齢は15歳であるという。


このまま談笑でもしながら彼女と話していたい気もしたが、俺にはどうしても聞きたいことがあった...。


———どうして屋上から飛び降りたのかだ...。


一般的に考えて、屋上から飛び降りる理由なんて1つしかないので、聞くのをためらっていた。

しかし、俺は当事者でもあるわけだから、勇気を出して聞いてみることにした...。


「その....どうしてあんなところから飛び降りたりしたの...?」


彼女はさっきまで見せていた笑顔をなくし、少し間を空けて答えた。


「帰りたかったのよ。向こうの世界に———。」




次回、【異世界への入り口】











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