16話 どうやら合宿が始まったようですよ
――― 夏
この明石邸別荘の夏
陽光が照り付ける、水しぶきが飛び交う季節でもある。
部員たちは水着となって肌を空に見せ、透き通って輝く海水と戯れる。
「ふふッ、それすずちゃん~!!」バシャバシャ
「あはは~、つめた~い!!」キャッキャ
「きゃはは!!」バシャバシャ
「・・・」ガン見
「・・・」ガン見
「・・・」ピコピコ
「あッ・・・」ポロリ
「すずちゃんッ!!水着がッ!!」ザパッ
「「ッ!!??」」鼻血ブー
ついでに鼻血も出やすい季節でもある。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
一部の鼻血が飛び出すこの場所は、明石邸別荘のプライベートビーチ。
他に誰もいないので、より解放感(と目の保養)が感じられてロケーションは最高だ。
海の方では女子3人が海水と戯れ、パラソルの中に男子一人ずっとゲーム、砂浜らへんで男子二人が水着を観察。
あと一人は・・・知らん、どっかいった。
「おねーちゃんつめたいよ~!!」アハハ
この合宿にはeスポーツ部部員と顧問のほかに美鈴の妹・佐之味真鈴ちゃんも来ているのだ。小学5年生のこの子はまぁ美鈴が誘ったらしく、麗加に相談したところなんと2秒でオーケーが出たと聞いている。
しかしこの妹、少しアレな所もあり・・・
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
――― 海水浴前、更衣室入口で着替え待ち
「女子たち遅くねーか?そろそろ来ると思うんだが・・・」
「あぁ・・・というか西京くんはもうあっちでゲームしてるけど・・・?」
「いいんだいいんだ。アイツはそういう奴だ。(ったく、何でアイツがリア充なのか理解に苦しみたいぜッ)」
ガチャッ・・
「お、来たか。」
「おにーちゃんたちおまたせー!」
「あぁ、ますずちゃー・・ん!?」
ボインボインボインボイン!!(お胸の辺り)
更衣室から最初に出てきた真鈴ちゃんだが、そのお胸の大きさが小学生のクセに何とマスクメロン!?
ッッ!!!!
「・・・これって犯罪じゃね?」ブブッ・・
「あぁ、早く弁護士を呼んで欲しい・・・」
すると次に出てきたのは、
「あ~!!まーちゃんそれ返してよー!!結構するんだから!!」
片手で胸元を隠しながらの真鈴姉・美鈴。
「ッ!!んもうッ、いたずらやめt・・・ちょちょちょたけちゃんッッ!!!???/////」
急いで取り上げた美鈴の右手には、お胸を大きく見せるためのヌーブラが・・・
「ちッ違うよたけちゃんッ!!??これはそのッ、そのッ・・いやホントに違うからッ!!////」
「あ、あぁッ、違うんだな!!分かった分かった!!分かったからッ・・・///」
うわー
これもなんか定番のイベントだー
そしてチラッと犯人の真鈴ちゃんを見ると、
「フフッ」ニヤニヤ
さ、作戦は成功したみたいだな・・・恐ろしい妹だ。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「・・・片岡って真鈴ちゃんとも仲いいのか?」
「あ、当たり前だッ・・・じゃなかったら美鈴と俺にあんないたずらしないだろ・・・///」
あ、分かってたんですね
・・・そうですよ、成功した時あそこの妹ニヤついてましたよ
まぁしかしこうしてみていると、この部の女子部員の(顔面)偏差値は高いんだよな~
真鈴ちゃんも美鈴の妹とあってなかなかハイスペックだ・・・
・・・なにマジ顔で解説してんだ俺は
「おぉ飯田と片岡じゃないか。どうだ、楽しんでいるか?」
ちゃんと忘れてたけど、遅らせながらさとちゃん先生が水着姿でお出ましだ。
さとちゃん先生の水着、かぁ・・・
「・・・やればできるじゃないですか先生。あの先生が一端のレディーに見えますよそれ。」
「そんなに早く死にたいのか貴様は。」
「まぁまぁ先生、先生は泳いだりはしないんですか?」
「あぁそうだな片岡、私はあまり泳ぐのは苦手なのだが・・・少し行ってみるか!」
と言って、先生はあの3人の元へと駆け出していった。
・・・そしてなぜか5秒ほどで帰ってきた。
「・・・先生、まだ5秒くらいしか経ってないんですけど?」
「あ、あぁ・・・」
え?なんでこんなにナーバスになってんの?
と言いたくなるくらい、先程の表情と大きな差があるのだが・・・
「せ、先生?どうしたんですか?」
片岡が聞いてみると・・・
「あの子たちの肌、めちゃくちゃつるんつるんで綺麗だったんだ・・・若いって、いいな。」
「・・・」シーン
「・・・」シーン
「まだ10くらいしか歳変わらないのにッ・・・!!」グスッ
「・・・」シーン
「・・・」シーン
「私なんてこの前シワまで見つけてしまった・・・まだ隠せてるけど。」
「・・・」シーン
「・・・」シーン
「さとちゃんタバコやめたらいいんじゃな~い?若作り再開できると思うよ?」
あー!!こんな時だけ反応して正論リプぶつけるのはやめろ快司―!!!!!!
「・・・すまん、何だか急に泳ぐ気が失せてきた。私は先に戻っているから、君たちは楽しんできたまえ。」トボトボ
大人物でセクシーな先生の水着なのに、何だがその水着が泣いている気がした。
「・・・まぁ俺達も泳ぐか?」
「あ、あぁそうだな。行くか、若作りに失敗し始めた先生の分まで。」
「ぼっしー・・・それも本人の前ではいうなよ?」
そして俺達は、一生懸命に海で遊びに遊びまくった。
こんなに必死にやった海水浴は、おそらくもう二度とないだろう。
はい終われ
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
昼の海水浴も終わり、皆は食堂の食卓を囲んで夕食の時間だ。
一つのテーブルに明石家や部員たちと顧問など、計9人が着席完了。メイドさんたちが次々と料理を運んでくる。
「」ピコピコピコピコ
「あ、あのー・・・前にお食事を置きたいのですが・・・あのー・・・」
「」ピコピコピコ
「邪魔で置けないので腕どけてくれませんか?」ジト
おいおいあのメイドさんその質問12回目だぞ半ギレだぞヤバいぞ快司・・・・!!
「はい、こちらは旬の野菜を豪華に使ったスープでございm ―――
「これ飲んだら肌がきれいになるとかあるか!?若返ったりするのかッ・・!!??」ババッ
「ええッ!?いや、それはその・・・
「え、あるのか?あるのか!?」ババッ
あれ、見てて涙がッ・・・
「あなた・・・私のド○クエ6のカセットは何処にあるのかしら?」ギロッ!
「へッ、ど、ド○クエ6のカセットぉ・・・!!??(何処だ何処だ何処だ何処だ!!??)」ブルブル
「まさか・・・な・く・し・た?」
「ッッッ!!!!????いや、そッそんな訳ないではないですか美代子さんッ!!ちゃんとありますよ!?」
「そう、では部屋に戻った時に返してもらおうかしら。」
「は、はい・・・・・おいみおちゃん(=メイドの樺山さん)!!カセット何処にあるか分かる!?じゃないと今日寝れないよぉ・・・!!!」コソコソ
今夜の食卓は、まぁこんな感じで結構賑やかだ。
料理も一流シェフが作っているらしく、味は普通に美味しかった。これがあと3週間も食べられるとはなんと贅沢なのだッ!!
そして快司はそれをかみしめることなく、未だにゲームをしているがな。よくあそこまでゲームに熱中できるものだ・・・・・いやそろそろしまえよゲーム
そんな感じで、リフレッシュがてらの一日目が終了した。
二日目からはいよいよOREのチーム戦練習だ。気合を入れていかねば!
まだまだ続きます。