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eスポーツ=ナウローディング!!  作者: ケンジロウ3代目
第3章;夏休みですよッ!!
16/19

15話 夏休みですが?

いよいよ第3章も始まりました!

引き続き宜しくです!


地獄の期末試験期間が終わり、世の高校生が待ちに待った夏休みが幕を開ける。

汗ばむ太陽の元で部活に精を出すスポーティ高校生や、色々なサークル活動に励む高校生、そして忌まわしいリア充ライフを謳歌する高校生・・・など、ほとんどの高校生が楽しみにしている夏休み。

・・・だが、



「・・・飯田、早く問題を解け!この問題間違っていたのお前だけだぞまったく・・・」


「ッ・・・」


「私だってこんな暑い中補修などしたくないんだ・・・頼むから早くしてくれ・・・!」




このように中には補修に引っかかる高校生もいるので、今を生きる高校生の諸君は是非この『補修』には気を付けてほしい。





話は変わってここ陽明館高校eスポーツ部は、夏休み初日も絶賛活動中。

部員一同、夏の熱気に負けじとゲーム画面で熱いプレイを続けている。というのも、この夏休みにはeスポーツ部にとって大きな山場にぶち当たる。


「・・・はい、みんなちょっと画面から目を離してこっち向いてくれるかしら?」


副部長の麗加がゲームの手を止めて、前のホワイトボードに皆を注目させる。

一人を除いて。


「・・・・・」ピコピコ


「・・・誰かぼっしーくんの電源コード抜いてくれる?」


「は~い!」


ブチィ!!!


「ん?・・・あぁッ!!まだセーブしてないのに・・・・!!??」


「・・・ぼっしーくん、ちょっと話を聞いてもらいたいのだけれどいいかしら?」

「はぁ!?それより俺のデータもどs ―――

「い・い・か・し・ら・?」グイッ

「はいもちろんです。」



改めてホワイトボードに向かう麗加、そしてマーカーでなにやら文字を書き出した。


「・・・おぉ、今年もその季節がやってきたか。」


と、この流れの定番セリフをありがとうございます先生。

麗加はマーカーを置くと、思いっきりこちらに振りかえってこう言った。




「今年も『オンラインゲーム世界選手権』に出るわよッ!!」ババンッ




オンラインゲーム世界選手権 ―――

様々なオンラインゲームで世界各地のプレイヤーと競い合う、大規模なeスポーツの祭典である。

企業がスポンサーについている屈指のeスポーツプレイヤーたちが大勢集まるこの場は計3019社が参戦し、プレイヤーは軽く万を超えている15987人にも及ぶ。

今年は前年度同様、AKSメディアカンパニーのチームとして参戦する。


「確か競技ゲームの中にはOREも含まれているのであったな。」


「えぇ、しかし東京ビックサイトの時の試合形式とは少し異なります。この大会ではチーム戦になるのです。」


「ち、チーム戦?」


「そうよぼっしーくん、今回は5人1チームで通信対戦をするの。」


最近のアップデート(5月頃)の際に行われたものの一つに、チーム戦競技が新たに追加された。

5人ずつでパーティーを結成し、他のパーティーとアバター同士でファイトする形式だ。ちなみに今大会で使うアバターは、すべてマックスステータスのキャラで行われる。去年はこのような機能はついていなかったため、別のゲームでそれぞれ参戦したらしい。


「だから今回はこの5人で出場しようということよ!!」


今のeスポーツ部は片岡も入って部員が5人に達した。この団体戦に出るには丁度の人数になったわけだ。

・・・あれ待てよ、5人?


「・・・残りの一人はどうなるんだ?」


「へッ!?の、残りの人・・・?それは・・・」


・・・おいおいまさか居残りとか?さすがに可哀そうだぞ・・・(チラッ)


「・・・ん、なんだ飯田。なぜこっちを見る。」


「いいえ先生、ちょっとかわいそうだなと思っただけです。」


「か、可哀そうだとッ!?なんだ、まさか残り物は私か!?私なのか!?」


ま、まぁそうなr ―――

「そうですね、確かに先生が余ってしまいます。」


ど、ドストレートに言っちまった・・・!!

おいおい麗加の直球発言に先生半泣きだぞ・・・


「あッ、いえッ・・・まぁ先生、そこまで気を落とさないでください!」


「」ズーン


「ま、まぁ観光代は出しますので現地観光でも・・・」


メンバーに入れてもらえず、さらには自分の生徒に情けで旅費を恵んでもらう女教師・・・

うぅッ、想像しただけで涙がッ・・・


「くそぅ・・・!!最近私の扱いが雑な気がするのだが・・・!!」


あ~あ、先生の目に何か光るもの見えてきたんですけど


「・・・まぁでもさとちゃんも補欠としてだと出られるんじゃなかったっけ?」


「えッ?」


そう。

もしチームの誰か一人が不調を訴えて欠場する場合、特例として補欠の召喚が出来る。なので補欠要因としてもう一人をチームに入れることは可能だ。


「確かそうだったわね・・・では補欠でお願いします。」


「うぅ、わッ、分かった・・・・」ズズッ


ということで陽明館eスポーツ部は、今からAKS社のチームとして戦っていくことになったのだ。

・・・いやそろそろ泣き止んでくださいよ先生




「世界選手権は8月26日~30日、場所はシアトルで行われるわ。夏休み終盤になるから、それまでに宿題は終わらせておくことね。あと時差も考えて、帰ってきたらそのまま学校行くことになるから制服も忘れずにね。」


「あぁそうだ飯田。お前去年まったく宿題を出さずに冬休みまで粘ったそうじゃないか、前の担任の先生に聞いたぞ。」


ったく余計なことをッ!


「どうやら宿題ネックはぼっしーくんのようね・・・ということで今から明後日まで、皆には全員で夏休みの宿題をやってもらうわ。」


「はぁぁ!?意味分からん!!」

「そうだよれいちゃん!!無茶過ぎだよ!!」

「eスポーツ部って、明石さんがいるだけでここまでスパルタだったなんて・・・」


「まぁこの時期に終わらせるのが良いだろう、というかこの時期しか宿題をやる時間がなさそうだしな。」ピラッ


そう言って先生が見せてきたのは、麗加が書いたであろう夏休みの予定表。

詳細を見ると、宿題をやる今日からの3日間以外は『休み』の日以外全てゲーム三昧という日程。

こんな予定表、世の高校生はまさに楽園。しかし部員たちにとってはかなりのスパルタ所業である。

10時間以上もコントローラを握るなんて無理!手が麻痺っちゃう!!


「おいおいさすがにこれはきついぞ・・・!」

「つべこべ言わずに早く終わらせるわよ!!」


「「「「・・・はい」」」」





そうしてその日から約三日間

Eスポーツ部の部員は()()()()()()夏休みの宿題の全部をやらされたのであった。いち早く宿題が終わった成績優秀麗加さまは、それからなぜか知人に付きっ切りで勉強を見られるという拷問を受けさせたのであった。

麗加さま監視下では、もちろんスマホ没収。しかも答え写しを全く許してもらえない状況できつめのノルマを与えられ、達成できなければ昼飯・または夕飯ナシという最悪な2日間になったぜおい・・・

唯一の癒しはノルマを達成した時の昼飯が、麗加の手作りであったことだ。アイツ結構料理上手くて、味もかなり美味しかったから。まぁその後の勉強でまた地獄に戻ったがな。三日目の夜なんて明石邸でお泊り勉強会という名前の徹夜勉強だったぞおい!



そしてなんと結構な量あった夏休みの宿題を、たった三日で終わらせてしまった。

まぁとあるヤツは一日だったが、ホントどんな頭してんだよ麗加のヤツは・・・





そして夏休み四日目。


「さて、では今日から本格的にOREチーム戦の練習をしていくわよ。・・・でも部室にある機器では足りないものが多いわね。」


「まぁ高校の部活だ。そこまで重装備な学校はないだろう。」


「まぁ確かに、世界選手権に出る高校生チームなんて普通はありえないからなぁ。というかeスポーツ始めたばっかりのヤツが世界選手権に出れることも普通はあり得ないんだが。」


「まぁ片岡、お前先生よりORE上手いんだから大丈夫だろ。」


「」グサッ!!!


「まぁ、(討伐タイム)1分以上かかった先生よりも56秒の片岡くんの方がセンスあると思うわよ?」


「」グサグサッ!!!


「ッ!?ま、まぁありがとう二人とも。でもそのくらいで大丈夫だよ・・・」チラッ


「・・・なんだ片岡、そんな可哀そうな人を見る目で見ないでくれ・・・」ズーン




『鬼教師松尾』という肩書きが猛スピードで崩れ去っていく片岡尊であった。





「(先生まだ落ち込んでる・・・)・・・で麗加、じゃあどうするんだ?どこかに練習できる宛とかあるのか?」


「えぇ、良い宛があるわ!練習環境も整っていてかつ朝昼夕三食ベッド付きで海も見れる場所よ!」



まぁここまでヒントが出ていれば検討はおおよそつくだろう。

参考までに明石麗加は情報メディアの大企業『AKS社』の社長令嬢、またコンピュータ関連の機材は容易に揃えられる・・・

はいそうです

彼女が言うその場所とは ―――





「私の家の別荘で合宿よッ!!!」




はい、そういうことです。



そしてなんと明日から別荘で合宿開始です。はい、3週間です。



いや・・・まず先に言わせてくれ。





「予定欄の『休み』ってどこにあるんだッ!!??」





春なのに気温と気分は夏です。

続きます。

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