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僕は神様と美少女を轢きかけた

僕はいつもと同じように学校に行き、帰る。塾に行き、帰る。

動画を見たり小説を読んで寝るはずだった...


「いや〜やっぱ小説っておもしろい。

特に異世界モノはマジで最高!

ああゆう世界ってホントにあるのかな?

あるんだろうな……あ〜いってみたいなあ。

まぁ僕が行ってもすぐ死にそうだけど」


と、こんな下らない事を考えていたその時、

目の錯覚かも知れないが急に二人の人影が現れた。

そこは神社の前の砂利道で大した道幅もなく、

このままだと轢いてしまう!

僕は慌ててハンドルをきったーー


ガシャーーン‼︎

という派手な音とともに僕は自転車から投げ出された。

……奇跡的に怪我は無かったが、死ぬかもしれなかったと言う恐怖に、心臓の鼓動がうるさく音をたてる。

ドキドキしていると、


「大丈夫か?」


と轢きそうになった二人の内の一人が話しかけてきた。

多分、男だと思うが…なんだかフィルターにかけられてるみたいでよく分からない。が、なんとなく神々しいオーラの様なものを(まと)っている様に思えた。

チラッ


「は、はい 大丈夫です。

すいませんちょっとぼーっとしてて...

お怪我はありませんか?」


なぜぼーっとしてたかは絶対に言えない。さすがに異世界の事を考えていたなんて知られたら、恥ずかしくて死にたくなる...


「へぇ、異世界の事を…」


ドキッ!

まず最初に羞恥心、次に不安や疑問を感じた。


「え、あの…僕、声に出してましたか?」


若干、声が上ずったが何とか言葉にはなった。

すると、その人は特になんとも思っていない様子で、


「いや? 私が心を読んだんだ。安心したまえ」


一瞬、この人が言ったことが理解できなかった。

チラッ


「フム まあ理解できないのも無理はないが…一応言っておこう 。

私は君に理解出来るように言うと…神だな。

そして、こちらは私が作ったステータスシステム843号だ 」


すると、さっきまで全く動かなかった少女が自己紹介を始めた。


「ステータスシステム843号です

以後よろしくお願いします」


僕は情報の多さと不可解さから、若干パニックを起こしかけていたが、その少女を正面から見てそんなことはどうでもよくなった。


さっきからチラチラ見ていたけど…

凄くかわいい!!!

身長は僕と同じか少し小さいぐらい(僕は約165㎝)。

髪の毛は空をそのまま切り出したかのような澄み切った青で腰ぐらいまである。

目は金色でパッチリしてていつまでも見ていたくなる神秘さを宿す。

他にもまだまだ彼女の魅力はあるがとても言葉では表しきれない。


「気に入ってくれたようだな。

君のためではないとはいえ、容姿にこだわった甲斐がある 。

ところで…君はステータスやスキルに興味があるのか?」


唐突な質問のせい...いやおかげで僕は現世に戻ってこれた。

で、何を聞かれたんだっけ?……ああ、そうかステータスの話か。


「はい、あります!

...でもなぜそんな事を聞くんですか?」


思えばこの時から既におかしかった。

なぜか僕はこの人を信じきっていた。

普通に考えて神だのステータスだのを信じるよりも先に、

言った方の正気を疑うべきだ。

だが、この時はそんな考えはこれっぽっちも浮かんでこなかった。


そして、その後の言葉は、僕の人生をガラッと変えた。


「実はこの地球にステータスシステムを導入しようと思っているのだ。

そこで君にテストプレーヤーになって欲しいと考えている。

どうかね?受けてくれるかい?」


「えっ、はい!それは願ったり叶ったりなんですが...

どうして僕なんですか?」


秘められた力があるとか、苛烈な運命を背負っているとか言われるのかなと少し期待していたが…


「特に理由はない。

まあ強いて言うなら1番最初に目がついたからだ。

あとは、ほんの少しだけ他の人間よりもシステムとの親和性が高いところだな」


その期待は、あっさりと裏切られた。

僕は少しがっかりしたが次の言葉を聞いて元気を取り戻した。


「で、だ

私は君に何か特別なスキルを与えたいと思う

なんでも好きなものを言いたまえ」


「...えっ!ホントですか!?

こういう事もあるかなと思って考えてたんですよ!

成長チートでお願いします‼︎

あ、あとできれば 成長限界無効 的なものもよろしくお願いします‼︎」


だいぶ興奮して早口になり大声になってしまったがどうでもよかった。

この日をずっと夢見ていたから...

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