二人目:青山雄介
「で、次は誰なの?」
アキが話の続きを求める。
「あ、次は・・・青山君かな」
二人目、青山雄介君。
遅刻、忘れ物の常習犯で、課題もやってこないという何のために学校に来ているのかわからない不真面目な男子。
課題の提出を求められるたびに誰かに写させてもらおうとするせいで、クラスメイトからもあまり好かれていない。
ある日数学の課題の提出を求められた時、彼はいつも通り友達にノートを見せてもらおうとしていた。
でもついに断られたらしく、青山君はたまたま近くにいた私に話しかけてきた。
「鈴鹿、今日数学の宿題あるの忘れててさー、悪いんだけど、ちょっと写させてくれない?」
「いや、ごめんちょっとそれは・・・」
「そこをなんとか!頼む!この通り!な?」
青山君は顔の前で手を合わせて私の顔を見つめる。
「はぁ、じゃあ、まあどうぞ・・・間違ってたらごめんね」
思えば、この時にはっきり断れなかったことが全ての原因だったんだと思う。
「ありがとう!マジ助かる!」
青山君ははじける笑顔で私のノートを持って行った。
そこから、完全に青山君に目をつけられてしまって、毎日何かと課題を写させてと頼まれるようになってしまった。
「それに関しては別に由麻のことが好きとかではなさそうよね。単に課題見せてくれる人がほしいだけでしょ」
アキの言う通りだ。青山君からしたら、私は都合のいい人なだけだ。
「私も一応『自分でやらないと意味ないと思うよ』とか言ってるんだけどね・・・」
「そんなセリフでやめるようなやつじゃないわよあいつは」
それは私もわかってる。結局、はっきり断れない私が悪いっていうことも・・・