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少女のプロローグ
わたしは独りだ。
独りじゃなくちゃいけないんだ。
小学生にもなってない頃、わたしは自分がそんな運命にあるんだと悟った。
それまでわたしは調子に乗っていた。
自分には他の人にはない、不思議な事が出来たから。
わたしは神様に選ばれた存在なんだ。
そんな風に本気で思っていた。
でも違った。
わたしを選んだのは神様じゃなくて、悪魔だったんだ。
わたしが生まれつき持っていたのは、誰とも仲良くなってはいけないという、悪魔の呪い。
だからわたしは、誰にも心を開かなくなった。
辛い。
寂しい。
泣きそう。
でも、誰かと仲良くなってその人が傷つくよりはマシ。
毎日自分にそう言い聞かせて、わたしは10年間独りで生きてきた。
これからもそうしていくんだ。
あの人に出会うまで、わたしはずっとそう思っていた。




