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77・えぇ。まぁ・・・増えました

遅くなってすみません!

後悔はしてます!反省はしてません!

次回も1週間後位になります!

なぜかって?カスタムメイドでシンティラを作るためです!

「な!何言ってるんですか!?」

「あ、ごめんなさい!電気グロムはやめて!」

バリバリバリ!

「痛い痛い痛い痛い!」

「ちょっと、みんなに話したい事があるんだが、いいか?」


みんなで夕食を食べ終わった頃に、俺はみんなに声を掛けた。


「なんですか?」

「実は、そろそろバールの街に戻ろうと思う」

「ふむ。わたしは(あるじ)の決定に従うだけだ」

「わ、私もご主人様に付いて行きます」

「ありがとう。あとはコロハの準備次第って事になるが家の事もあるし、何日位でここを出るか決めようと思う」

「私は明日でも大丈夫ですよ?ミツルさん」

「まあ、思い出深い家だからな、数日は・・・え?」


少なくとも3・4日の準備が必要だろうと思っていたが、予想外の返答がコロハから返って来た。


「コロハ、本当にいいのか?(あるじ)からも聞いては居るが、祖母との家なのだろ?」

「はい。ですけど、その心の準備は既に昨日、済ませました」

「・・・そうか。ありがとう」

「ミツルさん。私は昨日の夜、全てをミツルさんに捧げました。私はもうミツルさんのモノなんです。ミツルさんが行く所が私の居場所です」

「わ、私もご主人様のモノです」

「僕のご主人はご主人しか居ませんよ!」

「俺も(ぬし)しかありえないな」


慕ってくれているのは嬉しいが、それぞれからストレートに言葉で伝えられると、何とも背中が痒くなる感じと共に嬉しくも思っていた。


「わかった。じゃあ、明後日出発しよう」


そう言って決めると、それぞれの明日の動きなどを確認してシンティラとエレアは宿に戻って行った。




「コロハさん、どうかお元気で・・・」

「村長さんも、無理したりして、腰をまた痛めないで下さいね」

「ハハハ・・・そうですな」


出発当日

前日に村長のところへ俺とコロハでこの村をあとにする事を伝えに行っていた。

するとその話は瞬く間に村に広がり、昨日は今までのお礼やら何やらで家への来客が絶えない状態になっていた。

そして出発する当日、村の街道への入口で村人の半数が見送りに集まる状態になっていた。

中にはコロハと一緒に薬師をしていた女性も居て、涙を浮かべてコロハを抱きしめて何かを呟いていた。


結局、家はその薬師の女性に管理をお願いする事になった。

村から少し離れているが、もともと薬の管理はゲンチアナがしていた事もあり、家の中には多量の薬草などがあった。

今後は薬倉庫として使って貰う事になっている。


「寂しくなりますが、お元気で。ミツルさんも、コロハさんをお願いします」

「はい、わかりました」

「じゃあ、みなさん!お元気で!」


コロハが目に涙を浮かべながら旅立ちの言葉を放つと、フェンリルが()いてくれる馬車|(?)がゆっくりと進み始めた。


俺とコロハは荷台の後ろから遠くなっていく村をいつまでも手を振って見詰めていた。


「いい村だったな・・・」

「えぇ、自慢の村です」


中に居たエレアがポツリと言った言葉に、コロハが呟いて返していた。





「流石、フェンリルが牽くだけあって早いな・・・」

「当然だ」


以前、カームたちの馬車で来た時は3日掛かった道のりが、フェンリルの速度に掛かれば5時間程で到着した。

街の北門をくぐり抜けて、まずは俺たちが借りている宿に向かう事にした。


「いらっしゃいまッ!・・・ミツルさん!!」

「お久しぶりです。イザックさん」


宿に入ると、フロントに居た(すずめ)族の従業員のイザックが、俺たちの姿に驚いて、大きな声で呼んで来た。


「7日以上もお戻りにならなかったので、心配しましたよ!」

「ご心配をお掛けしてすみません」

「いや、みなさんが無事、元気そうであればよかったです」

「ありがとうございます。早速で申し訳ないんですけど、部屋を移動したいんですがいいですか?」

「え?まぁ、いいですけど・・・あ、そういう事ですか」


部屋の移動についてイザックが首を傾げた所で、丁度俺の体で見えなかったコロハを見て、納得していた。


「また増えたんですか?」

「色々ありまして」

「まぁいいです。客の内情に踏み込まないのが、ルールですから。で、ウチは3者部屋までしか無いんですが、どうしますか?」

「じゃあ俺だけ1者部屋に移動します」

「「「え!?」」」


俺だけ移動すると言うと、全員驚きの声を上げて来た。


「ご、ご主人様。別のお部屋に行ってしまうんですか?」

(あるじ)。確かに4者部屋ではないが、1つは二者が寝れる程大きいベッドだから、別になる必要はないんじゃないか?」

「そうですよ、ミツルさん。私の事は考えなくていいので、みんなで一緒の部屋にしましょう」

「そうは言ってもね~・・・」


確かにエレアが言う通り、部屋の仕組み上は問題なく4人が寝れる状態ではあったが、大きい問題が一つあった。

それは、シンティラとコロハを抱いた事によって性欲が異常な程高くなってしまっていた事だった。

そんな状態で同じベッドに女の子が入って来ようモノなら、きっと自分の理性に歯止めが効かないと思い、今回はみんなに相談せずに部屋の移動を決定した。


「俺もそうしたいところだが、女の子だけの時間も必要になるだろ」

「ご・・・ご主人様が、決めたのであれば・・・仕方ないです」

「フム・・・なるほど!それでいいかもしれないな!」


シンティラが落ち込んでいる中、エレアが何かに納得いった様に賛同してくれた。


「エレアさんはミツルさんと別の部屋でもいいんですか?」

「別に(あるじ)と離れたい訳じゃないが、その方がいい事もあるって事だ」

「どういう事ですか?」

「フフフ・・・例えば───」


エレアが何か不審な笑みを浮かべると、コロハとシンティラに内緒話でもするかのように顔を近づけあって小声で話し合いを始めた。

内緒話の内容が少し気になるが、女性陣が仲がいい事は微笑ましいのでそのままそっとしていた。


「・・・なるほど。それは確かにそうかもしれませんね」

「わ、私もそれに賛成です」

「よし!(あるじ)、わたし達も(あるじ)の決定で異存は無くなった」

「ありがとう。じゃあ、イザックさん。一人部屋をもう一つお願いします」

「わかりました。出掛けられる際にシンティラさんとエレアさんが支払われた宿賃がまだ金貨1枚と銀貨45枚が残って居ますので、そこからの支払いでいいですか?」

「あれ?なんか、計算違いませんか?」


俺たちが留守にしていた日数は11日なので、11日×宿代銀貨6枚だと、残金は金貨1枚と銀貨36枚の筈だった。


「長く利用して頂いて居るのでサービスですよ」

「そうでしたか。ありがとうございます」

「こちらこそ、これからもお願いします。それと、ミツルさん宛てに手紙が届いてますよ」

「ん?ここにですか?」


冒険者は大抵、冒険者ギルドに手紙が届く事が多いのだが、宿に届くと言うのは珍しかった。


「誰からだろ?・・・お!?」

「ご主人、誰からの手紙でしたか!?」

「鵺も知っている奴だよ」


手紙はケイトから送られた物だった。

早速、封筒の口を切って中の手紙に目を落とした。


「ご主人!なんて書いてあるんですか!?」

「あぁ。

『先生、鵺さん。お元気でしょうか?俺やカム(にい)、サーニャ姉さんも元気です。バールを出た後も修業はもちろん続けていて、早く先生に成果をお見せするのが楽しみです。期待していて下さい。恐らく、奴隷市が開かれる頃にはバールに到着する予定です。また、お会いしたら色々教えて頂ければと思います。よろしくお願いします。』

だってさ」

「『成果をお見せするのが楽しみ』ですって、ご主人」

「あぁ、これだけ生意気言うんだから、楽しみにしていようかな・・・。さて、早いところ荷物やら何やら片付けて挨拶周りをしなくちゃな」


そう言って、手紙からみんなに目線を移して借りている部屋へ移動した。

今日中にやろうと思っているのは、コロハの冒険者奴隷登録・ギコへの挨拶・ラークへの挨拶を済ませてしまおうと思っていた。

早速、俺たちは冒険者ギルドへ向かった。




「わ~・・・これが冒険者ギルドですか・・・」


冒険者ギルドに到着すると、その建物の大きさにコロハが口を開けて見上げていた。


「ここでコロハの主人は俺だという事を登録する」

「は、はい!・・・ミツルさんが、主人・・・」


俺がこれからする手続きを説明すると、なぜかコロハは頬を赤くして何かを呟いていた。

何に赤くなって居るのかわからないが、何となくそっとしておいた方がいい様な気がしていた。

みんなで中に入り、そのまま右側の真ん中あたりにある窓口に向かった。


「すみません。登録をしたいんですけど、何処の窓口に行けばいいですか?」

「あ、はい!何の・・・ミツルさん!」


ワザと俺が初めて登録しに来た時と同じ様に声を掛けると、下を向いて書類を書いていたミリが顔を上げ、その瞬間驚きの表情に変わった。


「ここから大慌てで出て行ってから音沙汰がなかったんで、心配しましたよ!」

「すみませんでした。まぁ無事に用事は済んで、今日バールに帰って来たところです」

「そうでしたか!皆さんも元気そうで・・・あれ?」


ミリが俺の後ろに居るメンバーにも目を向けて挨拶しようとすると、キョロキョロ辺りを見回すコロハに目が留まった。


「ミツルさん。あの方は?」

「あぁ、紹介します。コロハ」

「は、はい!」


俺がコロハを呼ぶと、キョロキョロしていたコロハが急いで俺のところにやって来た。


「俺の命の恩人で、今は訳有って俺の奴隷になったコロハです。こちら、いつもお世話になっているギルドの受付員のミリさん」

「はじめまして、コロハと言います」

「初めまして・・・。ミツルさん?また増えたんですか?」


お互いを紹介すると、なぜかミリがジト目で俺の事を見て質問して来た。


「え、えぇ。まぁ・・・増えました」

「はぁ~・・・英雄、色を好む。まぁ、ミツルさん程の強さがあれば当然ですかね」

「ははは・・・」


ため息を吐かれながらもミリが言って来た言葉に俺は反論したかったが、二人に手を出しておいて否定しきれるモノでもなかったので、笑って誤魔化すしか出来なかった。


「じゃあ、今日はコロハさんの登録ですね」

「えぇ、お願いします」

「じゃあ、こちらが書類です。今回もチェーンは付けますか?」

「お願いします」


ミリが冒険者奴隷用のギルド証とチェーンを取りに行っている間に記入を済ませた。


名前 ミツル・ウオマ

年齢 25

地位称位(ちいしょうい)(身分のランク) 魔法使い

得意魔法 水系魔法

武器 片刃剣

所有奴隷 

・シンティラ 雷獣族 16歳

・エレア・ノーラン 狐族 21歳

・コロハ 銀狼族 18歳

・  ・  ・  ・  ・


「では、登録料500パルとチェーン110パルで610パルです」

「じゃあ、銀貨1枚と銅貨11枚でお願いします」

「わかりました。では、冒険者奴隷のギルド証とネックレスチェーンです」

「ありがとうございます・・・はい。コロハ」

「あ、はい。ありがとうございます」


ミリからメタリックブルーをした冒険者奴隷のギルド証とネックレスチェーンを受け取ると、そのままコロハに渡した。

コロハの場合、奴隷の事に対してあまり知識が無いのか、エレアやシンティラの時のみたいに戸惑う様な事は無かった。

一応、注意事項が書いてあるパピルス紙の様な説明用紙をコロハへ渡して置いた。


「さて、次はギコさんのところに挨拶しに行かなきゃな」

「あ、ギコさんなら裏の訓練所に来てますよ?」


みんなに目を向けて次の目的地を言うと、後ろからミリが答えた。


「え?」

「なんか、アイリさんのリハビリも兼ねて一昨日から手合せしているみたいですよ」

「そうでしたか。ところでアイリさんと言うのは?」

「え?ミツルさんが助けたんじゃないんですか?」

「ん?」

「ゴブリンの巣でミツルさんが助けたとギコさんが言ってましたよ」

「あ~、あの人ですか」


どうやらアイリと言うのは、以前ギコと一緒にゴブリンの巣の掃討をした時に助けた猫耳の女性の事だった。

助けた時は2週間も凌辱(りょうじょく)し続けられ、目が虚ろになっていて声を掛けても返事が無い状態だった。その後ギコが自分の部屋に連れて行き面倒を見ていたが、ギコと手合せが出来る程にまで回復した様だった。


「じゃあ、裏に行ってみます」


そう言って俺たちはミリが居る窓口の横にある扉から中に入って、ギコが居る建物の裏にある広場へ向かった。

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